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【社会】

都教委一転、受験可能に 都立高希望 福島の中3

2013年1月7日 13時55分

 東京電力福島第一原発事故で東京都内に自主避難した母親らと一緒に暮らすため、福島県郡山市の中学三年男子生徒(15)が都立高校の受験を希望したのに、父親が郡山市内に残るのを理由に都教育委員会が断った問題で、都教委は方針転換し認めることを決めた。東日本大震災に関する特別措置とし、七日、被災した青森県から千葉県までの各県教委に通知する。 (柏崎智子)

 男子生徒は、郡山で友達と一緒に中学の卒業式を迎え、都内の高校に進学するのが希望だった。だが、都教委から「両親そろっての一家転住予定でなければ全日制高校を受験できない」と言われた。

 父親が仕事で郡山に残ったまま受験するには、都内の中学へ転校せざるを得ないため、男子生徒は福島の塾をやめ、冬期講習は都内の塾に通った。このため、母親は都教委の決定について「ありがたいが対応が遅すぎる」と話している。

 都教委によると、母親から初めて相談を受けたのは昨年九月。担当者は入試要項通り、都内に一家で住まなければ二月二十三日に受験できないと回答する一方、二月七、八日の出願日までに都内の中学校へ転校すれば可能と話した。

 昨年十二月には都内の中学から、生徒に受験資格を与えてほしいと要望があったが、できないと回答。だが、この問題を七日付朝刊で報じた本紙の取材を受け、見直し議論が始まったという。「もう少し柔軟に対応すべきだった」としている。

 都教委は「未曽有の災害で日本全体が復興に向けて動いている。都教委も一人一人の事情をしっかり受け止めていく必要がある」と説明。生徒には「もっと前の段階で結論を出せればよかった。申し訳ない」としている。

 都教委は入試要項で、都外から都立高校を受験するには、入学日までに両親そろって一家で都内に住まなければならないとしている。新たに決めた特別措置では、保護者の一人と都内に住むか、身元引受人が都内にいれば受験を受け付ける。

(東京新聞)

 

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