【高橋惠子 芸能生活42年回顧録「女優物語」(21)】
昭和48(1973)年の夏、長野・野尻湖で主演映画「朝やけの詩」でのヌードシーンの撮影が行われました。マスコミに公開するということで、当日は150人以上もの報道陣が殺到。予想外の報道陣の数に「すごい人数ね…」と内心動揺していましたが、それを表に出すわけにはいきません。台本通りにオールヌードになり、私は湖水へと入っていきました。
その瞬間、カシャッ! カシャッ! カシャッ!と一斉にカメラのシャッターが切られました。これほど激しいシャッター音を聞いたのは初めてで、しばらく後まで耳に残っていたことを覚えています。とにかく私が少しでも動くとカシャッ! カシャッ! カシャッ! 最も激しくシャッターが切られたのは私が背泳ぎをしたときでした。カメラマンから遠く離れた私の耳にまでものすごいシャッター音が届いたほどです。
でも、ここまではまだよかったのです。思い切って脱ぐことを評価してもらっていると分かっていましたし、「やるからには徹底的に」と考えてもいました。ですから、大映時代も“前貼り”(当時はヘアを隠すために下半身にガーゼを貼っていました)は使わずヌードシーンに臨んでいたし、「朝やけの詩」でも前貼りはしませんでした。
ところが…。「前貼りなし」というこだわりが後の大騒動を引き起こしたのです。野尻湖でのヌードシーンを撮影し終えてから数日後。各媒体で「朝やけの詩」の記事が掲載されました。それらの記事を楽しみにしていた私は早速、目を通します。すると——。ほとんどの記事が「関根恵子のヘア発見!!」の見出しで背泳ぎの写真を大きく掲載。スキャンダラスに扱っていたのです。
ちょうど高視聴率番組の刑事ドラマ「太陽にほえろ!」(日本テレビ系、72〜86年)にレギュラー出演しているタイミングでしたから、なかには「あの女性刑事がヘアを!」などと「太陽——」とからめて書いている媒体もありました。なぜこんな事態に…。スタッフに問い合わせるとすぐに理由が判明しました。なんと湖水の透明度が高すぎて、ヘアまで写ってしまった、というのです。
「朝やけの詩」の本筋とは無関係なヘアの騒動は、当時の環境庁(現環境省)からクレームがついたことでエスカレート。なぜ環境庁がいち映画にまでクレームをつけたかというと、ロケ地となった野尻湖が国定公園で環境庁の管轄だったからです。「ヘア映画の撮影に国定公園を使うなんてけしからん!」というわけです。
このため、私が湖で泳ぐ場面はロケ地を変えて撮り直し、となりました。ところが、環境庁からのクレームが明らかになると、それが新たなスキャンダルに発展してしまいます。たくさんの媒体が「関根恵子のヘア騒動に、ついに環境庁が動いた!」とセンセーショナルに報じたのです。
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