競技かるた:名人位・クイーン位決定戦 緊迫、日本一決定戦 ファン600人見守る /滋賀
毎日新聞 2013年01月06日 地方版
◇ちはやふる神技で魅了 楠木六段がクイーン9連覇/岸田六段、99年以来の新名人に
大津市神宮町の近江神宮で5日に開かれた競技かるたの「第59期名人位・第57期クイーン位決定戦」で、名人位戦は京都市の岸田諭六段(25)が99年以来となる新名人となり、クイーン位戦は福岡県宗像市の楠木早紀六段(23)が9連覇を果たした。大会には約600人のファンが訪れ、競技会場や別室のモニターで緊迫した攻防を見守った。【村山豪】
◆クイーン位戦
1回戦は「独特の雰囲気にのまれた」と楠木六段。本多未佳六段(23)の粘りに苦しめられ、4枚差で辛勝した。気持ちを切り替えた2回戦は相手のお手つきを挟んで7枚連取するなど17枚差をつけて永世クイーンの実力を発揮した。
本多六段は小学生の時から対戦してきた相手だが、楠木六段は「クイーン位戦は他の対戦と違う。勝ててうれしい」。本多六段は昨年、楠木六段と戦った妹の恭子さん(21)の応援も受けたが「圧倒された。まだまだです」と振り返った。
◆名人位戦
岸田六段は1、2回戦を4枚差、7枚差で制したが、3回戦は千代間大和五段(25)の果敢な攻めに一時は3枚差を追う展開に。だが、序々にペースを取り戻して逆転し、3枚差で勝負を決めた。
昨年まで14連覇した西郷直樹六段に4年前に敗れた岸田六段は「プールで腕を振る練習」など地道な努力を重ね、「今後も多くの大会に出て強くなりたい」と話した。千代間五段は「応援してくれた人に申し訳ない。まだやれると思う」と来年を見据えた。