世界初・ダイオウイカの深海映像撮影に成功1月7日 6時28分
海に残された最後のミステリーと言われ、生態がほとんど分かっていない巨大なイカ「ダイオウイカ」が深海に生息する様子をNHKとアメリカのディスカバリーチャンネルが、国立科学博物館の協力を得て、映像で撮影することに世界で初めて成功しました。専門家は謎に包まれたダイオウイカの生態を探る貴重な映像だと話しています。
このダイオウイカは去年7月10日、小笠原・父島の東15キロの沖合でNHKとアメリカのディスカバリーチャンネルの取材チームが国立科学博物館の協力を得て撮影しました。
取材チームは潜水艇で水深630メートルまで潜り、暗い海の中でも撮影できるように開発された超高感度ハイビジョンカメラでダイオウイカの姿をとらえることに成功しました。
撮影されたダイオウイカは最も長い触腕と呼ばれる2本の腕が切れていましたが、映像には体長3メートルほどあるダイオウイカが、潜水艇の前に取り付けられた大きさ1メートルの餌のソデイカを長い腕でがっちりと抱え込んでいる姿が鮮明に映し出されています。また、大きいものでは直径5センチほどになる腕の吸盤や巨大な目もはっきりと確認できます。
ダイオウイカはイカやタコの仲間では世界最大級で、最も大きいものは、18メートルあり、世界各地にある巨大イカ伝説のモデルとされていますが、深海に生息するため生態はほどんど分かっておらず、研究者の間では「海に残された最後のミステリー」と言われています。
これまで海上につり上げられた姿を撮影した映像はありますが、深海に生息する様子を映像でとらえたのは世界で初めてです。
取材チームの潜水艇に同乗したダイオウイカに詳しい国立科学博物館の窪寺恒己博士は「今までいろいろな世界中の研究者がダイオウイカの生きている映像を生息環境で撮ろうとしたが、全部失敗している。今回は世界初の成功で、本当に価値がある。この映像からダイオウイカのいろいろな生態的なことを導き出してこられる」と話しています。
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