旧警戒区域 2年ぶりの初日の出と初詣1月1日 13時23分
去年4月に原発事故による警戒区域が解除された、福島県南相馬市小高区の海岸には、2年ぶりに地元の海で初日の出を見ようという人たちが訪れました。
また、小高区にある神社には、自宅を離れて避難している人たちが2年ぶりの初詣に訪れました。
“地元の海で初日の出を”
南相馬市の南部にある小高区は、去年4月、原発事故による警戒区域が解除され、住民は寝泊まりはできないものの、自由に行き来できるようになりました。
震災から2度目の元日を迎えた1日朝、小高区の沿岸部にあり津波の被害も大きかった塚原地区には、地元の海で初日の出を見ようという人たちが訪れました。
午前7時ごろ、水平線の上にことし初めての太陽が現れると、原発事故の影響で復旧が遅れ、がれきが残ったままの集落が、朝日に照らし出されていました。
集まった人たちは、2年ぶりに地元の海で見る初日の出をカメラに収めたりしていました。
二本松市に住んでいるという30歳の男性は、小高区の実家が波の被害を受けて祖母が犠牲になり、母親は市内の別の地区に避難しているということです。
男性は「地元の初日の出を見たいなと思って来ました。いろんな思いが浮かびましたが、地元ができるだけ元に戻るように祈りました。除染や放射能などの問題もありますが、平和な町に戻ってほしいです」と話していました。
2年ぶりに初詣
南相馬市小高区にある「相馬小高神社」は、去年4月に原発事故による警戒区域が解除され、地区への立ち入りが自由になったことから、震災後2年ぶりに初詣ができるようになりました。
元日の1日は、市内の仮設住宅や県内各地に避難している人たちが朝早くから訪れ、社殿の前にさい銭を投げ入れ、両手を合わせていました。
神社によりますと、原発事故の前は、南相馬市内のほか双葉郡からの初詣客も多く、毎年、3が日で3万人ほどの人出があったということです。
小高区から新地町へ避難しているという70代の女性は、「去年は何も考えられない真っ暗な年でしたが、避難で家族がバラバラなので、みんな一緒に暮らせるように、一日も早い復興と家族の幸せを願いました」と話していました。
また、町の全域が避難区域となっている浪江町から郡山市に避難しているという40代の男性は、「大変だとばかり言っていてもどうしようもないので、今の状況の中でできることをやっていこうと考えていますが、何事もなく平和に過ごしたいです」と話していました。
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