WEBレポート 施工業者から見た太陽光発電
活気づく太陽光発電システム市場
2012/03/21
先ごろ開催された 「太陽光発電システム施工展」 に足を運んだ。 施工業者・ユーザー向けのセミナーに参加していたら、会場からこんな質問が飛び出した。
「個人でメガソーラーを設置したいと思っているのだが、住宅用の延長でつくれるでしょうか?」
太陽光発電への期待の高まりを実感させられた一言であった (ちなみに、講師=施工・販売会社の社長はこの質問に 「可能です」 と即答していた) 。
■ “怪しい話”も…
2011年の住宅用太陽光の設置補助金申込受付件数は、前年の約1.4倍だったそうだ。 震災以降の電力供給不安も背景にあるのだろう。
さらに、今年7月には、太陽光を含む再生可能エネルギーで発電した電力の買い取りを電力会社に義務付ける制度 (=全量買取制度) がスタートする。 これまで、日本の市場は住宅用が引っ張ってきたが、この制度によって、 (もちろん調達価格しだいではあるが…) 産業用や電力事業用の市場の活性化が期待されている。
「太陽光発電システム施工展」の会場
活気のあるマーケットには、怪しい輩が集まってくるものだ。 施工展のセミナーでは、別の講師からこんな話題も出た。
「怪しいメガソーラーの話といえば、昨年までは地権者が狙われていたが、最近は施工業者に対し、いかにもプロジェクトが決まったかのように話を持ちかける事例も出てきた」
太陽光発電保全協会の国府田文雄理事長はそう話し、会場の施工業者に注意を呼びかけていた。
■ 先行きに不安も
このセミナーでは3日間の会期中に14人が講演したが、意外なことに、業界の先行きを心配する声も多く上がった。
「うかれてはいけない」
「今のまま行ってしまうと危ない」
その理由は何なのだろう。 セミナーを聞き続けていたら、少しずつそれがわかってきた。 自分なりに集約すると、問題はどうやら以下の2点にしぼられるようだ。
(1)施工業者の質の問題
(2)アフターサービスの問題
くわしく見ていこう。