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割りと長いプロローグ
プロフェッサーX「姉弟愛とは実に美しいものですね~」
俺たち3人は近くにあった宿屋に部屋を取り,そこで話し合うことにした。
俺が先に部屋に入り,テーブルにはイスが2つしかなかったので,レディーファーストの精神でベッドに腰を掛けた。

「え,そ,そんないきなりヤル気全開なの万!?お姉ちゃんこ,心の準備がまだっ」
「落ち着け何を言ってるのかさっぱり分からん」

1華が変な様子で興奮し始めたので,俺は一喝しておいた。
すると1華はもじもじしながら,何故か俺の隣に座った。

「わざとイス開けたんだからあっち座れよ1華」
「別にいいじゃない座るとこぐらいどこでも」
「まあ,そうだが」

俺がそう答えると同時にボスッと音がしたので,横を見ると三奈百も1華とは反対側の俺の隣に座ってきた。
俺が三奈百を見ていると,ジロッをこちらに鋭い視線を送り一言。

「なに?」
「いや,べつに」

いつもとは違う変な空気が部屋を満たしていた。
俺は早々に話を切り出すことにした。

「取り敢えず,俺の友人からの情報だけ伝えておくぞ」

俺はそう言って,楽得から得た情報を二人に伝えた。
そして,俺から伝えた独自アイテムの事を最後に付け加えた。

「以上が俺から伝えたかったことだ。二人は何かあるか?」

俺がそう聞くと,1華が待ってましたと言わんばかりに抱きついてきた。
何が1華の身に起きたというのだろうか?

「さあ,万。しましょう?」
「何を?」
「何って,そ,そんなこと女の子の方から言わせないでよ!もう♪」

そう言って1華は軽くポカリと俺を叩く。
意味が分からん。

「だから1姉!!それはしちゃ駄目だってさっきから言ってるでしょ!」
「もう三奈百ちゃん。これはね。私たち姉弟が生き残るために必要なことって説明してるでしょ!お姉ちゃんも泣く泣く捧げるんだからお姉ちゃんの覚悟を無駄にする気!……ぐへへ」
「その笑いのどこに必死の覚悟があるっていうのよ!どう見ても自分がやりたいだけじゃん!」

その後も俺を挟んで二人はピーギャーピーギャーし始めた。
何が何なのか。

「取り敢えず,話が見えないから説明してくれ。そうしないと,俺はもう自分の部屋に行くぞ」
「あ,ああ待ってよ万。もうしょうが無いな~。恥ずかしいけど,これ見て」

そう言って1華が自分のシステム画面を見せて,アイテム欄を開いた。
そして,独自アイテムの項目を更に開いた。

装飾品『弟と妹LOVE!!』

説明:ゲームとは全く関係ないね。でも,そういうノリは僕は好きだね。僕も若い頃は禁断の愛とかそういうものに興味を持ったものさ。まあ僕は一人っ子だから試す相手がいなかったけどね。まあ,そんなに弟さんと妹さんが好きなら,君の希望を叶えるような素敵なアイテムをあげよう。大事に使ってね。by プロフェッサーX

効果:プレイヤー『嘉神万之助』と『3namo3』のどちらかが半径10メートル以内にいる限り,全ステータス+50

装備条件:プレイヤー『only1華』のみが装備できる。



「ん?これのどこが問題なんだ。確かにこっ恥ずかしい変な効果がついてるが」
「万兄ちゃんと最後まで読んで」
「いやん♪」
「なんだって言うんだ」



特殊効果:下記の条件を満たすとアイテムの効果が常時発動し,効果が最大で+100まで上がります。また,新しいスキルも手に入ります。

特殊効果条件:姉『only1華』と弟『嘉神万之助』がお互いを愛し認め合うこと。ぶっちゃけセッ◯スして,近親相◯すると特殊効果が発動します。なお,特殊条件は回数を重ねるごとにパワーアップします。10回するたびに新しいスキルが手に入ります。どの位まで手に入るか試してみてはいかがでしょうか?
追伸:百合は好きじゃないのでありません byプロフェッサーX


………………
深呼吸をしよう。すー,はー,すー,

「脱出!!」
「させるか!!」

俺が超人的な速さで部屋を出て行こうとするやいなや,1華が人外の速さと力で俺を押し倒した。
な,なんてパワーとスピードだ。
しまった。もしくかしなくても独自アイテムの効果か!

「や,やめろ1華!早まるな!!」
「万~。これもリアルに帰るためなの。先っぽだけでいいから,ちょっとだけだから,ね♪」
「それは男がいうセリフだ!離せ!俺は法を犯すつもりはないぞ!」
「そうよね。私を犯すんだもんね♪それにこれはゲームよゲーム。リアルの私は処◯を失うわけじゃないし,万も童◯から卒業するわけじゃないんだからノーカンよノーカン。だ・か・ら,ね♪」
「冷静になれ!俺とお前の間にそんな感情は一度たりとも芽生えたことはないだろおおおがああああ!――や,やめろおおおおお!」

とても抗うことの出来ない力で俺は押さえつけられ,服をズラされていく。
ぐっ,俺もここまでなのか――!!

「私を忘れないでよね1姉!!」
「くっ三奈百ちゃん。妹だからって今のお姉ちゃんは容赦しないわよ」
「舐めないでよね!この『3』人の状態なら私だって+50なんだから!!」
「えッ!?きゃあ!」

三奈百が1華を両手で勢い良く押しすと,見事にパワーアップしているはずの1華を俺から引き剥がした。

「大丈夫?万兄」
「ゲホッ,あ,ああ大丈夫だ助かったぞ三奈百」

俺は三奈百の頭を軽く撫でてやる。

「う,うん///姉弟きょうだいでなんかおかしいもんね。どうせするなら兄妹きょうだいだよね!」
「ん,んん?それは変わってなくないか?」
「き,気にしないで気にしないで!!ちょっといい間違えただけだから」
「そ,そうか?」

何故か三奈百は顔を赤くして,ぶんぶんと両手を平をこちらに向けながら振った。

「み~な~も~ちゃ~ん」
「くっ!まだ生きていたか!?」
「殺すつもりでどついたのか三奈百!?」
「そ,そんなことないよ!」
「いや,目が本気だったわ!あれはお姉ちゃんを,いや,まるで自分の恋人を狙う女を始末するかのような眼光だったわ!!」
「ち,違うよ!そんな目してない!」

二人はにらみ合い目と目で火花を散らしていた。
普段は仲の良い二人がここまで憎みあうとは,……俺のせいなのか。いや,俺はどう考えても被害者だろ。

「おい1華」
「ひゃっ!?なに万?」
「はっきり言っておいたほうがいいと思うから言うが」
「な,なに?」
「俺は童◯じゃないぞ」
「「――――」」

ピシッ

部屋の空気が凍りついた音がした。
ふむ。このゲームはプレイヤー同士の感情や雰囲気を察知して,エフェクトやSEを流す機能もあるみたいだな。なかなかやるじゃないか。

「ちょ,ちょっとどういうことなの万!!聞いてない!お姉ちゃんそんな話聞いてない!!」
「どこの誰!どこの誰なの万兄!?」
「吐きなさい万!その泥棒猫とっちめてやるわ!!」
「アイアンむかつく!ブロンズむかつく!ダイヤモンドむかつく!プラチナむかつく!!」

落ち着いてゲームシステムに関心している場合じゃなくなった。

「落ち着け二人共。嘘だ嘘」
「「え?」」
「ちょっとは頭が冷やせ。こんなふざけたゲームをやらされることになって二人共気が動転してるんだ。だから,落ち着け」

そうだ。きっと,他のプレイヤー同様に,いきなり生死を賭けたこのデスゲームを強要されて,二人共パニックになっていたんだ。
我ながら情けない。もっと早く気づいてやるんだった。

「二人共,済まなかったな早く気づいてやれないで,きっと突然のことで辛かっただろう?そうでなければ,実の姉が弟の貞操を奪おうなんてしないし,実の妹が仲の良い実の姉を本気で殺そうとするはずなんてない!本当に済まない!弟として兄として,もっとお前たちの側にいてやるんだった!」
「「………………」」
「どうした二人共?」
「え?あ,そ,そうね。そうかも知れないわ~」
「う,うん。ご,ごめんね1姉。ちょっと強く押しすぎちゃった」
「ん~ん。いいのよ三奈百ちゃん。お姉ちゃんもちょっとおかしかったわ」

先ほどの険悪な雰囲気は消え去った。
無事に仲直りが出来たようだ。

「(無事に事が収まってよかった)」
「(こんな必死な万を見たら,今更マジで万とエッチしたかったとか言えない)」
「(こんな必死な万兄見たら,今更実は私として欲しいなんて頼めない)」

何やら,まだ不穏な空気を感じるが,きっと大丈夫だろう。
取り敢えず,三奈百の独自アイテムについて聞くか。

「なあ,三奈百の独自アイテムはどういう奴なんだ?」
「え!?……あ,あー。うーん。見せなくちゃ駄目?」
「いや,別にどうしてもというなら,いいんだが,1華のようなとんでも無い効果がついてたら,三奈百も困ってるだろうと思ったからな」
「うーん。分かった。万兄には見てもらったほうがいいかも知れないし,見せてあげる」
「ああ,ありがとう」
「う,うん///」

三奈百は自分のシステム画面を開いて,俺に見せてきた。


装飾品『「3」は最高!「3」は絶対!「3」があればなんでも出来る!』

説明:キュン――っ。何でしょうこの胸の高なりは!……はっこれが恋!?……いや,これはもっと崇高なもの……。これが,宗教という非科学的な神を崇拝する気持ちなのでしょうか?ああ,僕はついに見つけてしまった!自分の女神を!今すぐ貴女の元へ行きこの気持ちを言葉にしたい。貴女のためにならどんなことでもしてしまいそうだ!しかし僕はそんな貴女をこのゲームという名の檻に閉じ込めてしまった。申し訳ございませんMy Godness!!せめて貴女のためにこれを送ります。by プロフェッサーX

効果:「3」に関係することがプレイヤー『3namo3』と共にある限り,全ステータス+50&状態異常無効

効果2:他のプレイヤーがこのアイテムを所持した場合,そのプレイヤーはゲームオーバーになる。

特殊効果:以下の条件を満たすことで,ゲームクリアとなる。

特殊効果条件:プロフェッサーXとその健やかなときも,病めるときも,喜びの時も,悲しみの時も,富めるときも,貧しきときも,愛し,敬い,慰め,助け,その生命の限り,堅く節操を守ることを誓う。



………………。

「ちょっとプロフェッサーXぶっ殺してくる」
「ちょ,ちょっと万兄!落ち着いて!(きゃー///万兄が私のために戦ってくるって!きゃーきゃー!)」
「……まったくやつは何を考えてやがる」イライラ
「(万兄がイライラしてる!これって,もしかしなくてもそういうことだよね!きゃーきゃー!)」

俺も楽得とは違う理由で,リアルに戻ったらプロフェッサーXのやつを探す旅に出なくては行けなくなった。

「ちょっとぉ。お姉ちゃん無視して二人して盛り上がらないでよ~。なになに?」
「あ,ちょっと1姉勝手に見ないでよ」
「……………………」
「?どうしたの?」
「プ,ププ」
「あー!笑った!笑ったでしょ1姉!!笑い事じゃないのに!!」
「ち,違う,の……ププ」
「あーもうだから見せるの嫌だったの!!」
「はぁはぁ,ご,ごめんなさい。でも良かったわね三奈百。誰よりも一足早くゲームクリアね。お姉ちゃんたちもすぐにクリアするから待っててね♪」
「い~ち~ね~え~?冗談でもそれは流石に私も怒るよ~」
「ごめん。ごめんなさい三奈百ちゃん。だって,だって面白くって……プププ」
「もういいもん!私寝る!1姉は出てって!!」
「ごめん。ごめんね~。もう笑わないから~今日は一緒に寝ましょ?」
「ぶ~。別に,いいけど……」
「ふふふ。じゃあ万」
「ああ,分かってる。すっかり日も暮れたし,今日はもう休もう。二人共お休み」
「?どこに行くの?」

俺が二人を残して退室しようとすると,1華に呼び止められた。

「どこって自分の部屋だが?」
「万。可愛い妹が気持ち悪いストーカーに狙われてるのよ?ちゃんと守ってあげなくちゃ駄目でしょ」
「そうは言っても,どうしろと?」
「そんなの簡単でしょ。昔みたいに3人で川の字になればいいのよ」

どうやらまだ姉は気が動転しているらしい。

「馬鹿なこと言ってないでさっさと寝ろ」
「三奈百ちゃん」ボソボソ
「……うん。分かった」ボソボソ
「じゃあ,もう俺は行くからな」
「待ってお兄ちゃん」
「……!?三奈百,今なんて……」
「怖いよ。お兄ちゃん。一緒に,寝て?」ウルウル

しまった。俺もどうやら気が動転しているらしい。
そうだ。一番大事なのは,家族を守ることじゃないか。
何をしているんだ俺は。

「……済まなかったな三奈百。そうだな久しぶりに3人で寝るか」
「ほんと?」
「ああ」
「(やった!やっぱり『3』人って最高!!)」
「(グッジョブ三奈百ちゃん!流石は私の妹!)」

こうして1華,俺,三奈百の順で川の字になって寝た。
人肌っていうのは思ったより落ち着くんだなっと俺は思った。
そしてすぐに眠気が来て,俺はゆっくりと意識を薄めていった。



「「(ドキドキして眠れない!!)」」
なんか方向性が違ってきたような気がした。
一夜漬けで書いたからな?

プロフェッサーX「たまにはいいんじゃないですか?ちょっとエロエロなものも」
……お前に慰められるとはな
プロフェッサーX「むしろ僕は大好物だからもっと書いて欲しいさ!」
少しでもお前を見直そうとした俺が馬鹿だった。


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