緑肥を使おう
今回の内容は緑肥についてです。緑肥というのは植物を緑のうちに土に漉き込んで肥料にするもののことをいいます。別に緑肥ってクローバーとかレンゲソウとかのマメ科の植物だけってことはないのです。知っている人は知っているけれどイネ科やキク科なんかの植物も緑肥になるんですよ。どんなものがあるのかちょっとあげてみますね。
◎クローバー
マメ科。約300種が全世界に分布する。牧草としても使える。窒素固定効果が期待できる。葉っぱは茹でて食べられるらしい。蜜源植物なので養蜂に役立つ。
◎ヘアリーベッチ
マメ科。西アジアから地中海東部が原産。牧草としても使える。窒素固定効果が期待できる。土壌を選ばず耐寒性に優れている。カラスノエンドウに見た目がちょっと似ている。アレロパシー作用(ようするにヘアリーベッチを植えると他の草が生えにくくなる)があるので耕作放棄地などの雑草防止に植えられたりしている。
◎エビスグサ
マメ科。熱帯アジア原産のエビスグサと南米原産カッシア・トーアがある。種子を決明子といって漢方薬にする。種がハブ茶の原料になる。窒素固定効果が期待できる。漢方になる植物だからか、茎や葉をつぶすと臭いらしい。線虫抑制効果が期待できる。
◎コブトリソウ
マメ科。インド・バングラディシュ・ブータンあたりが原産。線虫抑制効果が期待できる。ウリ科、ナス科の前作につくるとよいらしい。「サンヘンプ」とか「クロタラリア」の名前で流通している場合もあるとか。南国原産なので寒いところには向いていない。
◎レンゲソウ
マメ科。東アジアから中国が原産。牧草としても使える。窒素固定効果が期待できる。花が咲く前の柔らかい葉はお浸しにして美味しく食べられるらしい。花は天麩羅にできるらしい。自分は食べる機会を逃してしまいチャレンジできていない。マメ科なので豆苗みたいな味なのだろうか? とりあえずその辺に生えているのは農薬とかが怖いのでやたら摘んで食べるのはやめたほうがいいと思う。蜜源植物なので養蜂に役立つ。
◎アルファルファ
マメ科。中央アジア原産。牧草としても使える。窒素固定効果が期待できる。スプラウトをサラダにしたりして食べる。牛はあまりアルファルファを好まないらしい。そもそも栄養はあるがあまり美味しいものではないらしい。実はアメリカの探偵物の小説で「緑茶はアルファルファみたいに不味い」という表現をみたことがある。自分はまだ食べたことはないが美味しくないお茶は青臭かったりするのでアルファルファは青臭いのだろうか?
◎ソバ
タデ科。中国南部が原産。救荒作物として有名。土中の肥料分をよく吸収するので、土中の肥料分の片寄りを矯正するのによいらしい。蕎麦アレルギーの方は注意。ヨーロッパなどではクレープにしたり、おかゆにしたり、パスタにしたりして食べるとか。自分はそばぼうろが軽くて美味しいので結構好きだ。寒くて小麦の栽培に向いていない土地などで栽培していることが多い。
◎燕麦
イネ科。ヨーロッパ及び西アジア原産。漉き込むと線虫抑制効果が期待できる。根菜などの前作につくるとよいらしい。種子は食用か飼料にして、藁の方は飼料にする。オートミールの原料でおかゆにして食べる。ビールの原料にもなる。中世ヨーロッパでは緑肥としてではなくて主に馬の飼料用の穀物として栽培されていた地域が多いようだ。
◎ソルゴー
サトウモロコシともいわれる。イネ科。東アフリカ原産。茎葉を飼料にする。汁に甘みがあり糖蜜、シロップの製造にも使われる。ソルゴーは甘いのでアブラムシがよってくるのだがアブラムシを食べる天敵も多く発生する。そのためバンカープランツ(いわゆる囮用の植物)として使われる。ただ、無肥料栽培とかだとあまりアブラムシが発生しないのでバンカープランツにならないという話もある。
◎ライグラス類
イネ科。牧草として使える。いわゆる西洋芝。日本だと東北とか北海道とか北の涼しいところじゃないと育てるのが難しいと思う。芝生として育てるとものすごく肥料をくうらしい。
◎ひまわり
キク科。北アメリカ西部原産。種は絞って油が取れるし、食用にできる。紀元前からインディアンの重要な作物。16世紀にスペインで栽培が始まった。百年ほど遅れて17世紀にフランスやロシアなどの国に伝わった。当然だが緑肥として使う場合は緑のうちに漉き込むので種を利用する分は別にする必要がある。
◎マリーゴールド
キク科。アメリカ大陸原産のものが約50種類とアフリカ大陸原産のものが1種ある。ほぼアメリカ原産と考えていいと思う。16世紀ごろスペインによってヨーロッパに持ち込まれたらしい。「聖母マリアの黄金の花」という意味で名前がつけられている。何でも聖母マリアの祭日頃によく咲いていたからだとか。漉き込むと線虫抑制効果が期待できる。
◎ダイコンドラ
ヒルガオ科。北・南アメリカ及びアジア原産。ほふく茎を広く伸ばすので休閑地などの雑草の繁殖を防ぐのにいいらしい。
まぁ、大体こんな感じで結構いっぱいある。ファンタジー世界の気候に合った緑肥をぜひ使ってください。実際中世ヨーロッパ辺りにはまだない植物でも、ファンタジー世界だったらもっと前に別ルートから渡来していたとかいう設定にしたって大丈夫なんですから。
緑肥は他にもルピナスとかケンタッキーブルーグラスとかもありますよ。
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