元巨人投手・趙成ミン氏、恋人宅で首つり自殺　別れ話の後に

１９９８年４月８日対広島戦、７回３失点で先発初勝利を挙げた趙成ミン

　巨人に１９９６年から２００２年まで在籍した元投手、韓国の趙成ミン（チョ・ソンミン）氏が６日、ソウル市内のマンションで首をつって死んでいるのが見つかった。３９歳だった。警察は自殺とみている。昨年１１月まで韓国・斗山ベアーズの２軍コーチを務めていた。トップ女優で元妻の崔真実（チェ・ジンシル）さんも０８年に自殺しており、韓国では衝撃が広がっている。

　警察や地元メディアの報道によると、趙さんは５日夜、ソウル市江南区にある恋人女性（３９）のマンションで酒を飲み、別れ話を告げられたという。その後、女性が所用のためいったん外出。６日午前３時４０分ごろ帰宅すると、趙さんが浴室でシャワースタンドに革製のベルトをかけて首をつっていたという。

　趙さんは亡くなる前、この女性に「これまでありがとう。人生の最後に一緒にいられず、胸が痛い。私がいなくても強く生きていって」などとメールを送っていた。また母の柳英淑（ユ・インスク）さんにも「韓国ではもう生きる道がありません。申し訳ないけれど、息子がいなかったと思ってください」とのメッセージを送っていたことも分かっている。

　１１年から韓国・斗山のコーチとして２軍のブルペンやリハビリを担当していたが、昨年１１月に契約を終えた。周囲に「これ以上、現場復帰は難しい」と漏らしていたという。翌月の１２月には居酒屋の店内で酒を飲んで暴行事件を起こしている。

　趙さんは１９９６年に異例の８年契約で巨人入団。９８年には球宴にも出場し、快速球を武器に「コリアン・エクスプレス」の愛称で親しまれた。００年に韓国のトップ女優・崔さんと結婚したが、０４年に離婚。家庭内暴力が原因とされた。崔さんは３９歳だった０８年１０月に自宅の浴室で首をつって死んでいるのが見つかった。ネット上での中傷を苦に自殺したとみられている。

　その後、２人の間に生まれた長男と長女は崔さんの母が引き取り、育てていた。中央日報電子版は「子供たちに会えずつらいようだった。それで（趙さんは）極端な選択をしたとみられる」との知人の話を紹介。韓国内では「母親が亡くなり、父親も命を断って、子供たちをどうするんだ」といった非難の声が上がっているという。

　◆趙　成ミン（ちょ・そんみん）１９７３年４月５日、韓国・ソウル市生まれ。高麗大から９６年に巨人入団。９８年に自己最多の７勝をマーク。０２年オフに退団するまで５３試合に登板し、１１勝１０敗１１セーブ、防御率２．８４。韓国で解説者などを務めていたが、０５年に韓国ハンファで現役復帰。０７年オフに現役引退した。１１年から２年間、斗山ベアーズで２軍コーチ。１９４センチ、９５キロ、右投右打。