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第1章 「受験数学」とは何か?
【受験数学の定義】私の個人的な見解ですが、大学受験における「受験数学」の定義とは、「受験」というものの最終的な目的は、大学側が受験生が今まで どれくらい学習してきたか、その到達点を見極めるために用意した入試問題を解くこと、になるわけですからすから、このように定義すればよいのではないかと思います。 「受験生が今まで学習してきた事と一般的に認められる範囲から出題されている問題を 、定められた時間内に効率良く正確に解くことを目的にし、それに特化した学習」のこと
【受験生が学習するべき範囲とは?】では「受験生が今まで学習してきた事と一般的に認められる範囲」とは何なのでしょうか? これについては、大学側が受験生に対して課する「受験資格」について考えてみると良いと思います。 大学は通常「高校卒業の見込みのある高校3年生及び高校卒業及び高校を卒業しているのと同等の学力を有するもの」を出願する資格としています。 つまり、「高校卒業程度の学力」というのが最低限の「受験生が今までに学習してきた事と一般的に認められる範囲」であると考えられます。 では高校卒業程度の学力とは何なのでしょう? それは「学習指導要領」に示されている内容の事でしょうし、またそれを具現化したものが「文部科学省検定済教科書」といえると思います。 故に、「検定教科書で扱われている学習事項」が受験生が学習するべき最低限の範囲である、といえるでしょう。 しかしながら、「検定教科書」というのは、日本の高校生全員が使うのが前提(出版社によってレベル別に何点か発行されているとしても)にあるせいか、「検定」である程度以上のことには踏み込まないといった制限が掛けられているため(文部科学省HPを参照)、受験では当たり前のように出題されている内容でも、恐らくは意図的に 「問題」として扱われていない「学習事項」もあるようです。 その具体的な例としては、99年のセンター試験に出題された「群数列」に関する問題が挙げられます。 これは私が調べた範囲では、検定教科書ではあまり取り扱いがなく、載っていても章末問題で取り扱われている程度の扱いでした。 このような検定教科書ではあまり取り上げられていないが、入試には良く出題される知識・問題というものもあります。 こういった「検定教科書では扱いが薄いが、入試には必要かつ重要な知識・問題」というのは、通常「参考書」や「教科書傍用問題集」には取り上げられています。 学校が検定教科書以外に「参考書」「問題集」を購入させるのはこういった事も理由の一つなのでしょう。
纏めると、高校で学ぶべきと定められた範囲というのが厳然とあって、入試問題というのはその制約された範囲の中から出題される、ということなのです。 また、入試には「時間」という制約もあります。 このことから、大学入試において出題される「問題」というのは範囲などに制約がある以上、当然のことながらある程度は「定型的」とならざるを得ないのです。 これが世に言う入試における「標準問題」「典型問題」というものが生まれる実態だと思います。 こういったことを考え合わせると、「受験数学」の学習の目標というのはこのように定義つけることが出来ると思います。 「ある程度定められた範囲から出題される入試問題の問題解法パターンを網羅的かつ体系的に学び、それを自らの知識として使いこなせるようにすること 」 |