北朝鮮ミサイル:打ち上げ「29日まで延長」を正式発表
毎日新聞 2012年12月10日 20時17分(最終更新 12月10日 20時37分)
【北京・米村耕一】北朝鮮の宇宙空間技術委員会は10日、当初10〜22日の日程で公表していた事実上の長距離弾道ミサイル発射実験である「人工衛星打ち上げ」について「日程を29日まで延長する」との談話を発表した。「技術的欠陥」が原因だという。朝鮮中央通信が伝えた。日米韓など国際社会は打ち上げ中止を強く求めてきたが、発射の意図に変わりはない模様だ。
同委員会は談話で「第1段階の操縦発動機系統に技術的欠陥が見つかった」と説明。韓国の聯合ニュースは「これは1段目のエンジン出力を調整する装置に欠陥が見つかったことを意味する」との専門家の分析を伝えた。1段目の推進力がミサイル全体の7割以上を占めるため、欠陥は打ち上げに重大な影響を与えるという。
一方、日程が1週間延長されたことで、ミサイル発射実験は24日前後になるとの見方が広がっている。北京の外交関係者によると、「もともと、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去1周年にあたる17日前後を発射予定日に設定していた可能性があり、延長後の日程もそこから1週間ほど後にずれる」と話す。
また、中朝貿易関係者によると、中朝国境の丹東市で個人貨物の北朝鮮への輸送が10日から中断されており、北朝鮮国内は金総書記の追悼期間に入った模様だ。