焦点:米国からアジアへの武器輸出、2013年は急増必至

2013年 01月 6日 13:34 JST
 
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[ワシントン 1日 ロイター] 中国や北朝鮮の周辺国に対する米国からの武器輸出は今年、地域の緊張の高まりを背景に、戦闘機やミサイル迎撃システムなどを中心に大きく増えるとみられる。

中国が海洋領有権の主張を強め、北朝鮮がミサイルや核の開発を進める中、オバマ政権が進めるアジア重視の中核となるのは、同盟国や安全保障上の協力国との関係強化だ。

米大手防衛企業が加盟する航空宇宙工業協会(AIA)の国家安保担当副会長、フレッド・ダウニー氏は「(米政権のアジア重視政策は)友好国の武装を支援するわれわれの機会増加をもたらすだろう」と語る。AIAは昨年12月にリリースした報告書で、米国製高額武器の輸出について、少なくとも今後数年は堅調を維持すると予想。中国の軍備増強に対する懸念が米国からアジア地域への武器輸出の増加につながり、欧州への輸出減速分を十二分に相殺するとしている。

ただ、ロッキード・マーチン(LMT.N: 株価, 企業情報, レポート)やボーイング(BA.N: 株価, 企業情報, レポート)、ノースロップ・グラマン(NOC.N: 株価, 企業情報, レポート)が加盟するAIAは、2013年の武器輸出見通しに関する具体的な数字は示していない。

ロイターの取材要求に応じた米国防総省の国防安全保障協力局(DSCA)によると、米太平洋艦隊司令官の指揮下地域における2012年の武器販売契約額は、前年比5.4%増の137億ドル。こうした契約分の実際の引き渡しは先になるが、DSCAも2013年の見通しに関する具体的な数字は明らかにしていない。

<日韓の選挙結果>

日本と韓国で12月に行われた選挙で、両国ともに保守親米の指導者が政権を獲得したことも、米国からの武器輸出をさらに押し上げる可能性がある。

オバマ政権は、世界中で米国の利益を守るための手段として、武器売却の重要性がますます高まっていると指摘している。武器売却は相手国との外交関係を強化し、長期的な協力関係を推進するだけでなく、同盟国の自主防衛能力を強化することにもつながる。アンドリュー・シャピロ米国務次官補(政治・軍事担当)は12月5日に行った演説で、「(武器輸出は)米国の肩にのしかかる負担を軽くしてくれる可能性がある」と述べた。   続く...

 

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1月1日、中国や北朝鮮の周辺国に対する米国からの武器輸出は今年、地域の緊張の高まりを背景に大きく増えるとみられる。写真はロッキード・マーチン製の最新鋭ステルス戦闘機「F─35」。米メリーランド州の海軍施設でで昨年1月撮影(2013年 ロイター/Yuri Gripas)

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