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プレリュードと駆けた日々 プレリュードと駆けた日々 第44話 和山温泉

第44話 和山温泉〜 24歳、冬。 〜



長野市に就職・勤務を始めて、1年半。


課長:「ながせ君、急なんだけれど、来週から東京勤務をお願いできるかな?」
おれ:「え?本当に急ですね! ・・わかりました。しかし、今日水曜日ですけれど、来週からですか?」
課長:「そう。悪いんだけれど、頼むね!」
おれ:「は、はぁ。」



あわてて引越しの準備をすすめ、翌週末には川崎へ引越し。





おまけに、この赴任先での勤務がちょっと特殊ときたもんだ。
札幌と東京のオフィスを隔週の頻度で往復を繰り返すという、変則的な生活が始まった。




申し訳ないのが、付き合っている彼女だ。
突然の遠距離恋愛スタート。

気軽に「週末に会いましょう」って距離ではない。長野と札幌と川崎だもんね・・

それでも数週間に一度の週末には、プレリュードをすっ飛ばし、長野への往復。



最近あんまり時間が取れていないから、何か埋め合わせを出来ないかなぁ・・と思っている矢先に、
長野の会社のビジネスアイデアコンテストにエントリーしていた、おれの新規ビジネス案が受賞し、
ちょっとした賞金が出ることになった。


よし、この賞金で近場の温泉にでも行こう。





どこか、いい温泉はないかな・・と。
googleで検索。



「長野県 温泉」で検索・・

だめ、大杉でわからん。





「長野県 北信 温泉」で検索・・

うーん、やっぱり大杉。



「長野県 温泉 混浴」で検索・・

ん?


秋山郷の和山温泉「仁成館」というところが、秘湯っぽくてよさそうだな。



ここにしよう。



場所はこちら。

東経 138゜37’24.17”
北緯  36゜49’33.24”
長野県下水内郡栄村和山

和山温泉


なるほど、長野県と新潟県の国境あたりに位置するのね。







出発前日に、インターネットで和山温泉までのルートを確認した。








「新潟方面からは、国道117号線の大割野交差点から405号線へ入り、約1時間。
長野方面からは、志賀高原から志賀秋山林道(前線舗装、冬季は閉鎖)を利用して切明温泉を経由することもできる。」


ん?長野方面からのルートは、冬季閉鎖?






あわてて地図検索



あ、こういうことですか?

長野市から長野県内の温泉に行くのに、新潟県経由でないと、たどり着けないってことですか?


和山温泉





いいじゃないですか!!

大好きですよ。雪ネタとか、寒い地方のお話は。(T_T)


(参考)
第14話 燃える男たち
第15話 スモークを貼ってみよう
第34話 ひきかえ 前編
第35話 ひきかえ 後編
第36話 東京はまだか







彼女を迎えに行き、さっそく和山温泉に向かう。

彼女:「ねぇねぇ、どこなんだっけ、今日の温泉って。」
おれ:「えっとね・・長野県内なんだけど、新潟県からじゃないと行けない場所。つまりね・・」



おれの説明で理解をしてくれた彼女。しかし、不安そう・・

ひそかに、おれもね





新潟県に入り、117号線から405号線に折れると、急にクルマ通りが少なくなる。

というより、おれのプレリュード一台しか走っていない。


道の雪は、除雪車が通っているためか、それほど積もっていない。
しかし、雪の壁の高さがすごい。ゆうに2mを越している。
時々、雪に埋まりつつあるバス停が、ほんのり顔を出している。
道はあっていそうだ。


やがて道は、峠道へと次第に変化していく。



晴れてはいるが、時々ダイヤモンドダストが発生し、神秘的な風景を装っている。

視界は、ほぼ360゜真っ白。神秘的以外の言葉が当てはまらない。
(なぜ写真を撮影しなかったのか、これを書いている今でも少し後悔するほどの絶景だった。)


カーオーディオから流れる曲は、たまたま“葉加瀬太郎”のエトピリカ。
彼女:「なんか、この曲といい、風景といい、なんだか天国にでもつながっている道みたい。」
おれ:「いやいやいや、死んじゃぁまずいって!」



そんな他愛も無い話をしながら、やっと仁成館に到着。




さっそく女将さんが出迎えてくれた。

チェックインを済ませると、簡単な館内の説明をしてくれた。
また、ここの温泉(外湯)は混浴になっているので、女性の為にタオルを貸し出してくれた。
幸いこの日は、他のお客がそれほど多くないので、ゆっくり浸かってください、とのこと。

混浴へレッツゴー。








ここまで読んでいる読者は、混浴でのネタを期待してたかもしれないね、ごめん。

混浴は普通に彼女と入りました。他の客も、まぁ来ましたよ。( ̄ー ̄)ニヤリ

しかしそんな下心などどうでもよくなってしまう風景がそこに広がっていて、 言葉を失っていた。

お湯が流れ込む音以外は、何も聞こえてこない世界。
向かいに見える切り立った山と谷。
音を立てずに、ふっと鹿が顔を出し、また隠れる。



裸で恥ずかしいとか、そんな小さな事は男女問わず、どうでもよい気分になるものなんですね。










そして夕食。
豪雪地帯の旅館の食事とあって、夕食のメニューは燻製や煮物、キノコ汁など。
当然ながら、海の幸のような新鮮なものはないが、とても心が温まる料理だった。












翌朝、出発の準備を整えていると、宿のご主人が
「チェーンを巻いたほうがよいよ」とのこと。


昨日の積雪だけで、駐車場のクルマがまったく見えなくなる程の積雪。



チェーン、持ってきていません。orz





案の定、仁成館の駐車場から、すぐ手前の道までの坂道を登ることができないプレリュード。
ずるずるに滑って、どうしようもない状態。
他の宿泊客も、ほぼ全員が駐車場に集まってきてしまうほどの騒ぎに。


しまいにはご主人が

「春まで待つかい?それともオレのクルマで引っ張ってやろうか?」


春までは、ちょっと・・



宿のご主人の四輪駆動車で、縄で引っ張ってもらうことになりました。

プレリュードのフロントバンパーをその場で外して。
フロントバンパーを助手席の彼女に持ってもらいながら、
おれは、運転席の窓を開けながら、見送ってくれる女将さんに
「どうも、お世話になりましたー!」






うーん、格好悪い。。。



でもまた、色々と新しい体験をすることができました。




管理人ながせのブログ 長野市で少年サッカーのコーチを試行錯誤

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