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プレリュードと駆けた日々 第33話 上信越道バトル:vsメルセデス

第33話 上信越道バトル:vsメルセデス〜 22歳、春。 〜




就職活動用に資料請求した企業から、続々と会社概要や入社案内の資料が届く。
オレのスケジュール表は、長野へ帰っての会社説明と横浜へ戻ってのアルバイトで予定がびっしりだ。

この頃のオレは、ほぼ毎週のように長野県と横浜を往復していた。

会社説明会や一次筆記試験を終えると、上信越道経由で横浜までトンボ帰りだ。










当時は長野オリンピックが終わったばかり。
上信越自動車道は、慌てて開通させたのか、片側一車線の対面通行箇所がゴロゴロしていた。



トンネルの中は対面通行。

トンネルを抜けると2車線になるから追い越しが可能。

でもってまたすぐにトンネルが見えてくるから、みんな2車線の時は必死で前のクルマを抜いていく。



更埴JCTを皮切りに、碓井軽井沢ICまで、ずっとこの調子だから、
なかにはアクセルを踏みたくてフラストレーションが溜まっているクルマもいるんだよね。



碓井軽井沢ICが見えると、最後の対面通行が終わり、
みなイッキにアクセルをオンにして追い越し車線をキープする。

このあたりは険しい山が切り立っている。
高速道路が高架の上を走っていて、右手には妙義山の深い谷が見える。
コーナーもきつく、相当のスピードが乗っている場合、路肩のコンクリート壁に圧迫感を覚えるほどだ。




オレは横浜のアルバイトに急いで戻るため、当然右車線をキープ。

自然に車間距離が詰まってくるのだが、前のクルマがみるみる左車線へと、どいてくれる。




「オレのプレリュードって、そんなに圧迫感ある?
ま、いいや、ごめんね。どいてくれてサンキュー!」











ちがった。









オレの後ろについていた、メルセデスに圧迫感があったんだ。








慌てて左車線へエスケープするオレ。

メルセデスはさらに前の車にパッシングと右ウィンカーの嵐!






「う、うわー!こわー!」
「しかも、Sクラスだ。フルスモークだし・・ヤクザか?」




右車線のクルマは、次々と道を譲っていく。



左車線は、道を譲ったクルマ + もともと遅いクルマ + 観光バス でひしめきあっている。






オレも急いでいる身だ。また右車線へとレーンチェンジ。



一応、しっかりとメルセデスと一定の距離を開けて、後ろをついていく。





左車線は割り込むスキがないくらい、びっしりと詰まっている。





このいやーな均衡状態が、ずーっと続くのか?


すると、なかなか車線を譲らないBMWが、前方に現れた。
運転しているのは、おじちゃんか?後ろに気がつかないと、危ないぞ!







メルセデスはさらにBMWにクラクションと右ウィンカーの嵐!


プーーーーーーーーーーーーーーー


「こ!こわー!」
「ぜったいヤクザだ!」






すると、このメルセデスは、BMWを抜かした直後、BMWの目の前にレーンチェンジ!
意図的にスピードを落としたり、ブレーキランプを点灯させている。


道を譲らなかった報復か?
タ、タチわるー!





BMWが、再度追い越し車線に入って抜かそうとすると、メルセデスもレーンチェンジして、
進路をブロックしてくる。


ひ、ひでー・・・



っていうか、BMWのおじちゃんが可哀そうだ!



よよよ、よーし・・






このスキに、オレは右車線を3速全開で猛ダッシュ!




おじちゃん、ごめん!


オレも急いでいるんだ。メルセデスの相手、よろしく!













ちがった。












メルセデスのターゲットが、オレに変更されたみたい・・








ぴったり後ろについたメルセデス。

140km/hでパニック状態で逃げるオレ。



す、素直にパスさせようかなー・・

でも、あんなクルマに前方をふさがれちゃ、生きた心地がしない・・

下手したら殺される・・

でも、このメルセデスは群馬ナンバーだぞ。
藤岡JCTまであと10キロもない。
関越に出たら、オレとは反対の新潟方面にいくかもしれない。



よ、よ、よーし、賭けだ!






藤岡JCTであきらめるかもしれない!



逃げ切ってやれ!5速VTECだ!







・・140km/h。

・・150km/h。

・・160km/h。

・・170km/h。













ちがった。












ぴったり張り付かれて、離れるどころか楽しまれてる・・(TT)









藤岡JCTで車線が分かれた瞬間、メルセデスは新潟方面へ・・


メルセデスの窓があけられ、ヤクザ風の運転手がこっちに合図をした。








親指を立てて、まるでオレの健闘を称えてるように・・










結局、遊ばれたんだね、オレ・・・



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