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プレリュードと駆けた日々 第9話 そこにある本質

第9話 そこにある本質〜19歳、晩秋。 〜

大学の友人からコンパの誘いが入った。
車を修理に出してまもなくだったので、おれはヒマをもてあましていたし、二つ返事で参加を承諾した。
実は、このコンパがおれの生まれてはじめてのコンパとなる。
(後にも先にも、こんなに相手の質が高いコンパはみたことがない)







相手方は言っちゃーなんだが、可愛いとかっていう次元を超えて全員が綺麗ドコロの身長も高いおねぇさんばかりだった。
たとえるならグリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊)みたいなもんだ。すげー精鋭揃いだった。
おれは幸いにも、グリーンベレーの一人のムスメとマンツーマンで接近戦に持ち込んでいた。(意味不明)





(略)


実名もなんなので、以下「ムスメ」とします。

話がテキトーに盛り上がってきたころ・・・・・

ムスメ:「ねぇねぇ、普段の学校がない日って何をしてるの?」

おれ:「そうだねー、バイトしたり、車を洗ったり、かな?」

ムスメ:「車持ってるんだー。聞いて聞いて!わたし、大学の講義が終わった夕暮れに、校門で彼氏がハザードをチッカンチッカンつけて車で待っていてくれるのって、大人の付き合いって感じで夢だったのー!」

おれ:「奇遇よねー。おれも大学の講義が終わった彼女を校門でチッカンチッカンやって待ってるっていうやつ、やってみたかったんだよねー」

ムスメ:「本当?もし私が待っててって言ったら、ほんとうにきてくれるのー?」

おれ:「行くに決まってんじゃん、おれはやるときはやるよ!」

(くぅ・・・車は修理中だ。この話題は痛いな。)

ムスメ:「わー!やろうよ。あたし本気にするよー」

おれ:(しかし、これがコンパであり、今どきの女のノリなのか・・・つくづく勉強になる。)




(略)





ムスメ:「ねぇねぇ、また遊ぼうよー。電話番号おしえてよ」

おれ:「いいよ。えっとね。045の・・」

ふと席の向こう側をみると、おれの友人たちはそれぞれのターゲットの女と楽しそうに話しながら、

PHS(当時の携帯電話はかなり高かった。)を取り出してその場でメモリに電話番号を登録しているじゃないか!!



045の・・なんて一般回線の番号言ってるのおれだけだよ!

世の中の大学生は、みんな030か050かよ!(当時)



ムスメは、そんなおれの心配を知ってか知らずか、流してくれた。

ムスメ:「オッケー、じゃー次はあたしの番号ね。」

そして、さりげなくバッグからメモ帳を取り出し、ペンで電話番号を素早く書いておれにそっと渡してくれた。






数日後、おれがバイトから帰宅すると、留守番電話にメッセージが入っていた。

しかも、吹き込まれたメッセージはムスメからで、ディズニーランドに行かないかという誘いだった!

これはデートの誘いか?


実は、このディズニーランドがおれの生まれてはじめてのディズニーランドとなる。



プレリュードは修理中なので、ムスメを車で迎えに行くことは出来ない旨を電話で伝え、おれは待ち合わせ場所へ、電車で向かった。

車を買った当時に抱いていた、「デートをするぞ」とか「きっとモテるぞ」の期待はいまだに実現できずにいるんだな・・・
しかし、そんなことが本当に大事なことなのか?
そもそもあのムスメだって、さきの電話でおれがクルマで迎えに行く行かないを話したときも、たいして気にしていなかったようだ。
京葉線の窓から、首都高速湾岸線を走る車を目で追いながら、おれはそんなことを考えていた。






ムスメは、ディズニーランド初体験のおれに気を使ってくれて、様々な乗り物や余興を案内してくれた。
さらに待ち時間には、ムスメはコンパの時と同様におれに色々なことを訊き、おれはムスメに自分のことをあれこれと喋った。
普段の生活のこと、大学のこと、出身地のこと、趣味、アルバイト、その他もろもろ。
(おれは行きの電車の中でひっかかったこともあり、なんとなく今日は車についての話題は避けていたが。)
とにかくムスメは、おれの様々なことを訊いてきた。おれの話すことの何に関しても興味を持って訊いてくれた。
夜のピカピカしたパレードが終了する頃には、おれは完全にムスメに舞い上がってしまっていた。

ムスメ:「今日は楽しかったー。」

おれ:「おれのほうこそ。ジェットコースターなんて生まれてはじめてだし、なんか久しぶりに色々ドキドキしたよ。」

ムスメ:「本当?よかった。また遊ぼうねー!」






今日は、楽しいことは楽しかったが、ムスメは一体何者だったんだろう・・・・



駅でわかれた後、電車の窓から外を眺めながら、おれはふと、ひとつのことに気が付いた。
ムスメは一方的におれに質問をあびせかけ、おれについての情報は丸裸にされたが、
かたや、おれはムスメについて、名前と歳とどこの駅に住んでいるかくらいしか、殆ど情報を持ち合わせていない。
「このムスメは話題がなんて豊富なんだろう」なんてことを軽く思っていたが、実はそうではなかったのだ。
ムスメはとにかくおれについて、色々なことを訊いてきた。
おれが何かをひとつムスメからの質問に応えると、それについてムスメは更に様々なことを連想し、
話題を膨らませ、ジョークを交え、そして次の質問をおれにあびせかけていた。
逆に、おれがムスメのことを知ろうと何かひとつを訊ねると、一応返事はあるのだが、
また逆に5つくらいのことを、おれが訊かれていた。
結果として、おれはムスメのことを知ろうとする問いかけや、その場を楽しくしようという自らの努力、
はたまたムスメを率先してリードするような男らしいことは殆どしていなかったのだ。




おれはクルマを手に入れてから、あたかもそれをひとつの、そして一番大きな自分のステータスとして
みて欲しかったのかもしれない。しかし、それは人としての本質ではなく、副次的なモノであるのに。
偶然にもクルマを修理中の今日、クルマのことにまったく触れないでいた一日を過ごし、
ある意味、こういったことを考えられたことは、自分にとって衝撃的でもあった。。
今日は楽しかったのかといえば、正確にはそうではないかもしれない。自分を知って欲しいという欲望のみが前に出て、 ひとり、いい気分になっていたんだろう。
人と人との会話、空間、そして歩み寄りから理解まで、果たしておれはそんなことでいいのだろうか。
別に彼女でもなんでもない、ただのコンパからの延長の友達であるにもかかわらず、大切なことを教わったような気がした。











その後、そのムスメから電話がかかってくることはなかったが、おれの中で、あの一日は深く刻まれた。








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