神話神話と歴史

 エルモアデンの没落Episode19   
エルモアデンの黄金期は、エルモアデンの成立後、約千年が過ぎたバイウム皇帝の時代だった。バイウムは強力なカリスマで帝国史上最強の軍隊を作る。
この軍隊は、エルモア北部において非常に大きな勢力を占めていたオークを、現在のオーク王国と呼ばれる黒い森に押しやった。
また、ペリオス帝国に大々的な攻撃を加え、グレシア南部一帯を占領する。この時期はヒューマンの王国が史上最大の領地を手にしていた時代である。
ペリオスはこの戦争で莫大な被害を負い、体制が揺らぎ始める。
しかし、バイウムは晩年には征服戦争に興味を失い、永遠の命を追求し、帝国の国力を総動員して塔を建て始めた。

「私の名は大陸の隅々まで恐怖と共に響き渡っている。私の身動き一つで、数万名の人々の命が失いも、救われもするのだ。
実に私の力は広大無辺だ。だが、このすべてのものを数十年しか持てないとは、なんと虚しいことであろう!いや、違う。
私はあの神々から永遠の命を得、私の帝国を永遠に治めよう。」

バイウムの念願が込められた塔は、なんと30年にもわたって作られることになる。彼はこの塔で神々の居所にまで登り、彼らから永遠の命の秘法を手に入れるつもりだった。
しかし神々はこれを黙って見てはいなかった。

「卑しいヒューマンの子よ、彼もまた、卑しいヒューマンの子だ。お前が永遠の命を得ようと、恐れ多くも私の寝床を汚しに来るのか?
お前たちは、巨人の最後から何の教訓も得てはいないということか。いいだろう、お前がそのように切に願うのが永遠の命ならば、私がお前にそれを与えよう。
だが、お前もこの塔から一歩も出ることが出来ないであろう。」

神の怒りを買ったバイウムは塔のてっぺんに幽閉され、工事は中断されてしまう。しかし、この工事により、エルモアデンの国力は急速に傾いた。
帝国の求心力であった皇帝が突然消えると、彼の後継者の座をめぐり、皇族間に熾烈な争いが起きた。
この争いに多くの貴族までもが加わり、ついにエルモアデン全体が内戦に陥ってしまった。ただでさえ大工事で国力が弱まっていたところに大規模な内戦が繰り広げられると、帝国はこれ以上持ちこたえることができなかった。
結局、千年以上続いてきた絢爛たるエルモアデン帝国は、わずか20年のうちに崩壊してしまうのだった。
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