神話神話と歴史

 巨人の滅亡Episode09   
なんとか生き残った巨人たちも、アインハザードの怒りを避けるために東方へと逃れて行った。
巨人たちは以前シーレンが通ったのと同じような道をたどった。
アインハザードは巨人たちを追い続け、稲妻でつぎつぎに焼き殺していった。
恐れに震えながら、巨人たちはグランカインに嘆願した。

「グランカインよ、グランカイン。私たちは自分たちの過ちに気付きました。アインハザードを止められるのはあなただけです。アインハザードは怒りで我を忘れています。私たちはあなたがたと同じ場所で生まれました。そして大陸で最も賢く、強い生き物だったのです。どうか私たちを滅ぼさせないでください。」

グランカインは寛大な神であった。
巨人たちは既にその罪を十分に償ったと考え、南洋の最も深いところから水を持ち上げて、巨人たちに追い付こうとするアインハザードをさえぎった。
アインハザードは怒りのあまり叫んだ。

「何をするのだ。どうして私の邪魔をする。愛しい娘、エヴァよ。行く手をはばむ水を今すぐ退かせなさい。さもなければ、お前も姉と同じ運命をたどることになるぞ。」

エヴァはアインハザードを恐れ、すぐに水を海へと戻した。
アインハザードは再び巨人たちを追いかけ、1 人また 1 人と殺していった。
巨人たちは再びグランカインに泣きついた。

「グランカインよ。偉大なる我らが神よ。アインハザードはまだ私たちを追ってきます。私たちを 1
人残らず消し去るつもりです。どうか私たちの身を守り、助けてください。」

グランカインは巨人たちが立っている大地を持ち上げた。
巨人たちを血眼になって追いかけていたアインハザードは、突然、巨大な岩の壁に行く手をさえぎられた。
アインハザードは叫んだ。

「私の娘たちは皆、敵なのか。愛しい娘、マーブルよ。一体誰が私の行く手をはばんでいるのだ。今すぐこの大地をもとに戻すのだ。さもなければ、お前も姉と同じ運命をたどることになるぞ。」

この言葉に怯え、マーブルは大地をもとに戻そうとした。
しかし、グランカインは即座にマーブルを制止し、言った。

「アインハザードよ。もうそろそろやめたらどうだ。地上のあらゆるものがお前の怒りを恐れ、恐怖に震えている。賢明だが愚かなことをしでかした巨人たちも、自分たちの過ちを悔い改め、心の底から改心している。巨人たちを見よ。すべての生き物の上に立つものとして自信に満ちあふれていた彼らが、今ではあんな小さな高台に隠れて恐れおののき、お前と目も合わせられずにいるではないか。もう二度と大陸には降りて来られないだろう。また二度と私たち神にたてつくこともないだろう。あの高台は巨人たちの永遠の牢獄となり、彼らは永遠にそこに閉じ込められることになるのだ。だから、どうかもうその怒りを鎮めてくれないか。お前の復讐はもう終わったのだ。」

アインハザードは怒りを鎮めたわけではなかったが、自分と立場の同じグランカインの話に耳をかした。
また、グランカインがいうように、巨人たちに永遠にその行為を悔やませるには、彼らを皆殺しにするよりも、小さな、不毛の高台に捕えておくほうがよいと考えた。
そうしてついに、アインハザードは巨人たちを追うのをやめ、宮殿へと帰って行ったのだった。
地上の生き物に失望したアインハザードは、その後、めったに地上でのできごとに関与しなくなった。
そしてグランカインもまた、むやみに地上に姿を現さないことに決めた。

神々の時代は、こうして終焉を迎えたのだった。
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