'13/1/6
蒲刈診療所の診療日数減へ
呉市は新年度、蒲刈診療所(蒲刈町)の診療日数を週5日から3日に減らす。医師の常駐もやめ、隣の下蒲刈町にある公立下蒲刈病院からの出張診療に切り替える。年々増える診療所の赤字を抑制するとともに、高齢化が進む安芸灘4島の医療拠点と位置づける下蒲刈病院の機能を強化する。
診療所には内科と小児科があり、診療時間は平日の午前8時半〜午後5時。医師、看護師を各1人配置している。新年度は、内科と外科担当の医師、看護師を各1人派遣、月、水、金曜の午後1時半〜3時半に診療する。火、木曜は午前中に診療所発病院行きの無料バスを運行する。
診療所は1996年に旧蒲刈町が開設し、2005年の合併に伴い市が引き継いだ。患者は減少傾向にあり、本年度は1日平均12人(10月末時点)。11年度の赤字額は1928万円。07年度より約700万円多い。
11年度の診療所の費用は約3900万円。診療日数を減らし、医師派遣への切り替えなどで、約200万円になるという。
下蒲刈、上蒲刈島など安芸灘4島の高齢化率は61〜41%で、市全体の30%を大きく上回る。
蒲刈町の北本信好さん(79)は「足腰が弱り遠くに行きづらい。毎日通える診療所があり心強かったのに」と残念がる。市福祉保健課は「バス運行などで不便解消に努め、島の実態に見合う医療体制を整えたい」とする。
【写真説明】新年度から診療日数が減る蒲刈診療所