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あまりにも肥料を減らすことばかり書いてしまったので、少し落ち着いて何故、無施肥でも育つのか、ということについて書いてみたい。


何しろ、日本では無施肥で育つよ、といっただけで頭がおかしいオカルト野郎呼ばわりされてしまうわけで、きちんと説明する必要があると思う。


○○という資材を使えば、無施肥でOKなどといわないので安心して欲しい。


単に、無施肥です。




これから述べることは、作物の基本的な生理であって、栽培に適用するための考え方として理解してください。


すべての作物は、種子から発芽し双葉までは種の栄養で育つ。本葉が出てはじめて自らの力で栄養を吸収し、光合成活動も加わり成長を始めます。


一般的に本葉の活動が始まって窒素が吸収させて、少しでも早く初期生育を旺盛にし、葉の成長を早め、光合成を活発にすべきというのが普通の考え方のようです。


よく言われる初期生育が大事というのがこの考え方です。


さてこの時に考えて欲しいのが、それで根が伸びるか、ということです。


土壌の窒素が不足していると何が起きるのか考えてみると、地上部の生育は遅れて、根が生長します。


逆に言えば、窒素分が少なければ少ないほど、養分を探して根を伸ばします。これは当然のことです。


実際に行なってみればわかるのですが、初期の生育が悪くてもその後の窒素の栄養が十分であれば追いつきますし、むしろ逆に茎は太く非常に健康な作物になります。


そのために、発芽時、本葉形成までは窒素栄養がないほうが良いくらいです。


日本では初期生育が非常に大事だと言われているため、初期生育を犠牲にしても根を張らせるほうが良いという考え方は否定されます。しかし、実際にやってみればわかりますが、初期生育よりも根を張らせたほうが、安定して高収量を得ることが可能です。




苗を植える場合も同じ。


苗を定植するときに、土壌の肥料濃度のECが高いと活着しにくい。理由は、浸透圧です。


土壌のECが高いと浸透圧が高いために、作物が水を吸収しにくくなり、根を伸ばしにくくなります。つまり活着しにくくなります。


ECが高い圃場ほど水をたっぷりあたえて、肥料濃度を低くしないと活着しにくい。そのため、肥料過剰の圃場では過剰なほど水をやらないと活着しないということになる。


つまりその後の成長は別にしても、初期は肥料は必要ない。(なお、ここで言っているのは基本的にはチッソのことです、他の成分その他については、いずれ説明しますが、肥料という方がわかりやすいため肥料という言い方をしています)




これは、私が一人で提唱しているということではなく、世界中で行われています。


私が書いているのは、あくまで植物の生理的な側面であり、私一人の考え方でないのは当然のことです。

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