中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【スポーツ】

常翔 57−0歴史的圧勝 二刀流、重が独走!!

2013年1月6日 紙面から

◇全国高校ラグビー 準決勝(5日・花園)

 準決勝2試合が行われ、常翔学園(大阪第1)が国学院久我山(東京第1)を、準決勝以上では最多得点差となる57−0で粉砕した。57点は準決勝以上では史上3位。大阪工大高時代の98年度以来14年ぶり、常翔学園となってからは初となる決勝進出を決めた。御所実(奈良)は茗渓学園(茨城)を48−17で下し、4年ぶり2度目の決勝進出。7日の決勝は近畿対決となり、常翔学園は5度目、御所実は初の優勝を狙う。

 花園の1万観衆が、言葉にならない雄たけびをあげた。後半3分、ハーフウエー上のスクラム。ボールを出そうとする久我山SH今野の手許から、手品のようにボールを奪った常翔学園の背番号15、重一生(しげ・いっせい)が、そのまま久我山の防御網を突き抜け、瞬く間に50メートルを走り、インゴールに躍った。

 前半、0−26とリードされた久我山の逆襲への決意をへし折る魔法のような、ひとりターンオーバー&独走トライ。これで勝負は決まった。常翔はさらに4トライを畳み掛け、最終スコアは57−0。92回を数える大会の歴史でも、準決勝以上では史上3位の高得点、得点差では史上最多となる圧勝だった。

 前半はFBで、後半はSHとしてゲームを制圧した重は「今日の出来は50点か60点ですね」と平然と言った。「いつも、相手を圧倒して、ゼロに抑えて勝つことが目標ですから。今日は点差は開いたけど、止められた場面もあったし、タックルミスもあった」

 大会前に、母校を訪れた大先輩・元木由記雄さんから「工大−常翔史上最強を目指せ」と激励された。大阪工大高時代に全国制覇4度の名門も、頂点は95年度が最後。08年に校名を常翔学園に変更した後は今大会まで4強に進んだことさえなかった。復活優勝も見えてきたが、重は「昔から見ている方に“これは工大史上最強だ”と思ってもらうのが目標」と言い切った。

 身長169センチ。「小柄なので、子供に勇気を与えられる選手になりたい。FBとSHは楽しいからどちらも好き」という小さな英雄が、名門復活へ、決勝も二刀流でピッチを制圧する。 (大友信彦)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ