【ハノイ=佐々木学】フィリピンのデルロサリオ外相は10日付の英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、日本が再び軍を持つなら「強く歓迎する」と語った。南シナ海の領有権を巡って対立する中国を意識した発言で、「地域バランスを保つ役割として日本が重要」との認識を示した。
第2次大戦で旧日本軍の侵略を受けた国の閣僚から、日本の軍事的強化に期待する発言が出るのは異例。同紙は「侵略の記憶よりも、現在の中国の脅威が勝りつつあることの表れ」と分析した。
同紙は、衆院選を控え、自民党の安倍晋三総裁が憲法を改正し、自衛隊の「国防軍」への格上げを目指している点に触れ、外相発言が安倍氏を鼓舞する可能性があるとも指摘した。