2012.12.25
小咄倉庫
・箸でとった糸こんにゃくが長くて長くて通天閣のてっぺんからズルズルなう。
・几帳面な人がとうもろこしを一粒ずつ剥がして剥がし
て通天閣のてっぺんからばらまいてもらい地上であーーんなう。
2011.4.22
点景
点景(てんけい)・・・
風景画・風景写真などで,全体を引き立たせるために加えられた人や物など。
【創作文】
ゆうべ久々に会った友人はワタシに、東京に来てからの色恋はとっかえひっかえのように
自慢していた。それにワタシは、へー、結構ですねえ、と適当に相槌を打っていたのだが、
彼女がに風呂に入っている間、なんとはなしに部屋のアルバムを見ると、
そこにあるのは話とは裏腹に、点景のない風景写真が数枚挟んであるだけだった。
2011.4.19
渾然
渾然(こんぜん)・・・
いくつかのものがとけ合って区別できないさま。「―と融和する」 「混然」とも書く。
【参考文】
狭いアパートの部屋の中は、夫のものと彼女の荷とがごたごた置いてあった。
それがまだ渾然と交じりあっていなかった。夫の荷は夫が主張し、
妻のは妻が主張しているようであった。まだ夫婦になっての密着の浅さが、
意識の上で、目にそう感じさせた。 『ゼロの焦点より』
2011.4.16
賞玩
賞玩(しょうがん)・・・
(1)事物の美しさ・良さなどを味わい楽しむこと。めでること。「織部の皿を―する」
(2)食べ物のうまさを味わうこと。賞味。
(3)尊重すること。大切にすること。
【参考文】
「君の唇は柔らかいね。マシマロみたいだ」
夫はそれを賞玩して言った。禎子は、また過去の誰かに比較されたと思った。 『松本清張著 ゼロの焦点より』
2011.4.15
かかずらう
かかずらう・・・
(1)(面倒なことに)かかわりを持つ。関係する。かかわる。「そんなことに―・ってはいられない」
(2)ささいなことやつまらないことにこだわる。拘泥する。「つまらないことに―・う」
(3)仕事に携わる。従事する。「なにがしの朝臣の小鷹に―・ひて/源(松風)」
(4)つきまとう。まといつく。
【参考文】
恋愛は、不思議に成就しなかった。途中で禎子の方から尻込みして手を
引っ込めるのだった。彼女が踏み切れなかったのは、相手が十分な男で
なかったともいえるし、彼女に臆病なものがあったともいえる。それなのに
他から縁談があったときは、たまたまその恋愛らしい気持ちが進行して
いるときだったりして、それにかかずらって断った。
何もないときは、縁談に気持ちが乗らなかったりして、持ち出される話は
切れずにあるのだが、妙に密着のない状態できた。 『松本清張著 ゼロの焦点より』
2011.4.14
峻厳
峻厳(しゅんげん)・・・
(1)いかめしくきびしい・こと(さま)。「―な態度」
(2)(山などが)高くけわしいさま。「―な山なみ」
【参考文】
禎子は、相手の男にそんな女関係の過去があってもいいと思った。
誰かと一時期同棲したことがあると聞くと嫌だが、それでも現在が
まったくそれから切り放されていれば咎めるにあたらないと思う。
要するに、過去が後腐れなく捨ててあれば、それでよかった。
禎子がもっと若かったらそうは思わなかったに違いない。
それから彼女に今まで恋愛めいた経験が二、三度なかったら、
もっと結婚相手に峻厳な主義を持ったであろう。 『松本清張著 ゼロの焦点』より
2011.4.13
2011.3.4
怯懦
怯懦(きょうだ)・・・・・
おくびょうなこと。おじおそれること。また、そのさま。
「―な性格」「―にして狐疑する/西国立志編(正直)」
【創作文】
原発事故をめぐる数々の事態に、ひどく怯懦し、
避難所の訪問すらできないでいる東電の社長が
マスコミから容赦なく槍玉に挙げられるのをテレビで見ていると、
ボクはふと「罪を憎んで人を憎まず」という言葉を思い浮かべてしまう。
彼らも津波が来るまでは、世の中を明るく照らすことに誇りを持っていたに違いない。
2011.2.26
ことわざ【あ・い】
ことわざメモ。
【あ・い】
・合縁奇縁
【意味】人と人との交わりで互いの気心が合うのも合わないのも、すべて不思議な縁によるというたとえ。
【類】蓼食う虫も好き好き
・匕首に鍔(あいくちにつば)
【意味】釣り合わないこと、似合わないことのたとえ。
・開いた口へ牡丹餅
【意味】さほど努力もせずに、幸運に恵まれることのたとえ。
【類】大鴨が葱を背負って舞い込む/棚から牡丹餅
・相手見てからの喧嘩声
【意味】相手が弱そうだとわかると、急に居丈高になること。
・逢い戻りは鴨の味
【意味】一度交際が絶えた男女がよりを戻すと、一層の甘やかな交情を持つようになるということ。
【類】従兄妹同士は鴨の味
・青息吐息
【意味】困ったとき、弱ったときに出すため息のこと。
【類】青い息をつく
・会うは別れの始め
【意味】会えば、遅かれ早かれ別れのときが来るということ。
・青菜に塩
【意味】急に元気をなくして、しょげているようす。
【類】蛞蝓(なめくじ)に塩
・青は藍より出でて藍より青し
【意味】教えを受けた弟子が師よりも勝ることのたとえ。
【類】出藍の誉れ
・垢も身の内
【意味】長風呂の人を冷やかす言葉。長風呂は毒であるという意味もある。また、風呂に滅多に入らない人の自己弁護。あるいはその人への揶揄。
・商いは牛の涎
【意味】商売は地道に気長に辛抱せよ、という教え。
・秋茄子嫁に食わすな
【意味】秋の茄子は美味しいから憎い嫁に食わすなという嫁いびりのことば。また、食べると腹を冷やすから心配する意味や、種が少ないから子宝に恵まれない縁起を担ぐというような意味がある。
・秋の日と娘の子は呉れぬようで呉れる
【意味】娘は嫁になかなかくれそうもなくて、案外簡単にくれるものだ、ということ。
・秋葉山から火事
【意味】ほかを戒めている者が自分から過ちを犯すこと。
・空き家で声嗄(か)らす
【意味】骨を折っても人に認められないこと。
【類】縁の下の舞い
・商人(あきんど)と屏風は直ぐには立たぬ
【意味】自分の感情やものの道理を曲げて客の機嫌をとらなくては、商売はうまくいかない、ということ。
・商人(あきんど)は損をしていつか蔵が建つ
【意味】もうからない、とばかり口にしながら、いつのまにか富裕になる例が多い、ということ。
・悪縁契り深し
【意味】よくない縁に限って断ち難いこと。【類】腐れ縁離れず
・悪妻は百年の不作
【意味】悪い妻を持つと自分の一生が不幸であるばかりでなく、子孫にも悪影響を及ぼすこと。
【類】一生の患いは性悪の妻
・悪事千里を走る
【意味】悪い行いや悪い評判は、いくら隠してもたちまち遠くまで知れ渡ること。
・悪銭身につかず
【意味】不正に入手した金銭は、つまらないことで使って残らないものだ、ということ。
【類】あぶく銭は身につかぬ
・悪の報いは針の先
【意味】悪いことをした報いは、針の先を回るようにたちまち巡ってくること。
・上げ膳据え膳
【意味】自分は何もせずに、全て他人が世話をしてくれること。
・阿漕ヶ浦に引く網
【意味】隠し事も度重なれば、広く知れ渡ること。
・顎で蝿を追う
【意味】精力を消耗した病人のこと。
【類】頤(おとがい)で蝿を追う
・浅い川も深く渡れ
【意味】浅く見える川でも深い川と同様の用心をして渡れ、油断をするな、ということ。
【類】石橋を叩いて渡る
・朝顔の花一時
【意味】栄華の儚いこと。物事の衰えやすいことのたとえ。
【類】槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)
・朝駆けの駄賃
【意味】物事がきわめて容易いことのたとえ。
【類】朝飯前のお茶の子さいさい
・麻殻に目鼻を付けたよう
【意味】やせて骨と皮ばかりの男の形容。
【類】箸に目鼻
・朝題目に宵念仏
【意味】定見がないたとえ。
・朝寝坊の宵っ張り
【意味】夜更かしをすると朝早く起きれない、ということ。
【類】宵っ張りの朝寝坊
・足の裏の飯粒
【意味】切ろうとしても切れない腐れ縁。
・明日食う塩辛に今日から水を飲む
【意味】手回しが良すぎて意味の無いこと。
・明日の百より今日の五十
【意味】明日のことはあてにならないので、少なくても今すぐもらう方がよい、ということ。
【類】聞いた百より見た一つ
・仇花(あだばな)に実は生らぬ
【意味】着実でない計画に成果は上がらないこと。
・頭の上の蝿を追え
【意味】人のことに世話をやく前に、まず自分のことをしっかり始末せよ、という教え。
・頭禿げても浮気は止まぬ
【意味】年をとっても道楽の癖はなおらない、ということ。
【類】雀百まで踊り忘れず
・中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとうからず)
【意味】正確には的中していないものの、まあまあ近い、おおよそ当たっている、ということ。
・彼方(あちら)立てれば此方(こちら)が立たぬ
【意味】物事は両立しがたいというたとえ。
【類】あなたを祝えばこなたの怨み/出船に良い風は入り船に悪い
・悪貨は良貨を駆逐する(あっかはりょうかをくちくする)
【意味】異質なものが蔓延ると、良質のものが恵まれなくなる、ということ。
・暑さ寒さも彼岸まで
【意味】残暑の厳しさも秋の彼岸になれば衰え、余寒の厳しさも春の彼岸になれば薄らぐこと。
・暑さ忘れて陰忘る
【意味】苦しいときが過ぎると、そのとき受けた恩を忘れてしまうたとえ。
【類】喉元過ぎれば熱さを忘れる
・有っても苦労無くても苦労
【意味】金や子供は無ければ無いで苦しみ、あればあるで苦しむ、ということ。
・羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)
【意味】前の失敗に懲りて必要のない用心をすることのたとえ。
・後足(あとあし)で砂をかける
【意味】恩義を裏切るばかりか、去り際にさらに恩知らずなことをすること。
【類】恩を仇で返す/飼い犬に手を噛まれる
・後の雁(がん)が先になる
【意味】後から来たものが先に行った者を追い越すたとえ。
【類】後の雁
【参】後輩が先輩を凌ぐことにも、若い者が先に死ぬことにも使われる。
・後腹(あとばら)が病める
【意味】物事がすんでからも、色々な障害があって困ること。
【類】後腹が痛い
・姉女房は身代の薬
【意味】年上の妻は、家計のやりくりが上手で夫の操縦にも長けており、家庭を安泰にする、ということ。
【類】姉女房蔵が建つ
・あの声で蜥蜴(とかげ)食らうか時鳥(ほととぎす)
【意味】人は見かけによらないもの、ということ。
【類】外面似菩薩内心如夜叉(げめんじぼさつないしんにょやしゃ)
・痘痕も笑窪(あばたもえくぼ)
【意味】自分が愛した者については欠点も美点に見えるということ。
【類】愛してその醜を忘る【対】愛してその悪を知る/傍目八目
・脂に画き氷に鏤む(あぶらにえがきこおりにちりばむ)
【意味】苦労しても効果のないたとえ。
・甘い物に蟻がつく
【意味】うまい話や利益のある所に人が寄り集まってくることのたとえ。
【類】窪いところに水溜まる
・雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
【意味】微力であっても、根気よく続ければ大きな成果を上げられること。
【類】斧を磨いて針を作る
・天の邪鬼
【意味】何でも人にわざと逆らう人のこと。
【類】旋毛(つむじ)曲がり
・雨夜の月(あまよのつき)
【意味】あっても見えないこと。また想像だけで現実にはめったにないこと。
【類】糠の中で米粒探す
・網呑舟の魚を漏らす(あみどんしゅうのうおをもらす)
【意味】法律が大まかで大罪人を逃がすこと。また、悪人が法律の網の目をうまく、くぐり抜けること。
・網の目に風止まる
【意味】ありえないことのたとえ。また、ありえないはずのことがたまにあること。
【類】雨の夜にも星
・危うきこと累卵(るいらん)の如し
【意味】非常に危険なこと。
・蟻の穴から堤も崩れる
【意味】ほんの小さな欠陥から大事が起こることのたとえ。
・蟻の這い出る隙もない
【意味】どこにも逃げ出すすきまが無いこと。
・慌てる乞食は貰いが少ない
【意味】欲張って慌てると利益がかえって減ってしまうこと。
・案ずるより産むがやすい
【意味】物事は心配していたよりは、案外容易く運ぶものである、ということ。
・暗夜に灯火失う(あんやにともしびうしなう)
【意味】この先、どうしたらよいか途方に暮れること。
【類】川からあがった河童
・言いたいことは明日言え
【意味】思ったことをすぐには言わず、よく考えてから言えば失敗がない、という教え。
・唯々諾々(いいだくだく)
【意味】事の是非に関わらずなんでも他人の言うままに従うこと。
・言うは易く行うは難し
【意味】口で言うのは誰でもできるが、実行するのは難しいということ。
・家柄より芋幹(いえがらよりいもがら)
【意味】家柄を自慢しても意味がないこと。
・家貧しくして良妻を思う
【意味】困難に遭うと、それを助けてくれる人のありがたさがしみじみと感じられるということ。
・毬栗も中から割れる(いがぐりもうちからわれる)
【意味】年頃になると、ひとりでに色気づくたとえ。
・いかもの食い
【意味】普通の人が嫌がるような変わったものを好んで食べたり、異様な趣味、嗜好を持ったりすること。
・生き馬の目を抜く
【意味】すばやいこと。また、ずる賢く抜け目がないこと。
・行き掛けの駄賃
【意味】あることをするついでに、もう一つの仕事をして利益を得ること。また、悪事を働いたついでに、別の悪事をも働くこと。
【類】朝駆けの駄賃
・異口同音(いくどうおん)
【意味】皆の意見が一致すること。同じことを口をそろえて言うこと。
・石臼に箸を刺す
【意味】無理なことをいうたとえ。
【類】石臼を楊枝にする/豆腐を藁でつなぐ
・石が流れて木の葉が沈む
【意味】物事が道理とは逆になっているたとえ。
【類】朝日が西から出る
・石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)
【意味】負け惜しみの強いこと。
・石に蒲団は着せられぬ
【意味】死んでからは親孝行できないこと。
【類】孝行したい時分に親はなし
・石橋を叩いて渡る
【意味】用心の上にも用心すること。
【類】念には念を入れよ/浅い川も深く渡れ/転ばぬ先の杖
【対】危ない橋を渡る/虎穴に入らずんば虎子を得ず
・石部金吉金兜
【意味】堅い一方の生真面目な人。
【類】石に裃(かみしも)
・医者が取るか坊主が取るか
【意味】重病、重体の人。
・医者と味噌は古いほど良い
【意味】医者は経験を積むほど治療が上手になり、味噌も年月が経つほど熟成して味が出る、ということ。
【対】女房と畳は新しい方が良い
・医者の不養生
【意味】立派なことを言いながら実行が伴わないこと。
【類】儒者の不身持/坊主の不信心
・衣食足りて栄辱を知る
【意味】生活に余裕が生じてはじめて、名誉を重んじ、恥を知るようになる、ということ。
【類】衣食足りて礼節を知る。
・居候三杯目にはそっと出し
【意味】人の家に世話になり食べさせてもらっている者は、食事の際も遠慮して、三杯目のおかわりはそっと出す、ということ。
・急ぎの文(ふみ)は静かに書け
【意味】急ぎの手紙は大切な用事が多いのだから、むしろ落ち着いて、書き誤りや書き損じがないようにすべきだ、という教え。
・磯際で舟を破る
【意味】物事の完成する直前に失敗するたとえ。
【類】九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)/百日の説法屁一つ
・磯の鮑の片思い
【意味】鮑は片貝(一枚貝)であることから片思いにかけて、相手が何も思ってくれないことのたとえ。
・痛くもない腹を探られる
【意味】やましいところがないのに疑いをかけられること。
・板子一枚下は地獄
【意味】船乗り家業の危険なこと。また、危険と隣り合わせであることのたとえ。
【類】一寸下は地獄
・戴く物は夏も小袖
【意味】人からもらうものは何でも辞退しない欲深さのたとえ。
【類】貰う物は夏も小袖
・鼬(いたち)の最後っ屁
【意味】切羽詰って困ったときの非常手段のたとえ。また、最後に醜態をさらすこと。
・鼬(いたち)の道切り
【意味】交際や便りが絶えること。また、不吉の前兆。
・痛む上に塩を塗る
【意味】悪いことが起こっているうえに、さらに悪いことが重なることのたとえ。
【類】痛い上の針/泣きっ面に蜂/弱り目に祟り目
・一事が万事
【意味】一つのことを見て、他のすべてのことを推し量ることができる、ということ。
・一日千秋(いちじつせんしゅう)
【意味】思慕の情の甚だしいたとえ。
・一難去ってまた一難
【意味】災難を切り抜けたところへ、別の災難が襲ってくること。
【類】虎口を逃れて竜穴に入る/前門の虎後門の狼/火を避けて水に陥る
・市に虎あり
【意味】ありえないことでも大勢の人が言うと信じるようになるたとえ。
・一富士二鷹三茄子
【意味】初夢に見ると縁起がよいといわれる順。
・一蓮托生(いちれんたくしょう)
【意味】死後まで変わらぬ契りを結ぶこと。転じて、行動や生死をともにすること。
・一を聞いて十を知る
【意味】物事の一端を知れば、全体をすぐに悟ること。
【類】目から鼻へ抜ける
・一気呵成
【意味】文章や詩を一息に作り上げること。また物事を大急ぎで成し遂げること。
・一瀉千里(いっしゃせんり)
【意味】物事が速くはかどること。文章や弁舌が明快でよどみがないこと。
・一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
【意味】功績が上層の者だけのものとなり、その下で働いた多くの人々の労苦は顧みられない、ということ。
・一升徳利こけても三分
【意味】元手が大きければ多少損をしても、まったく無くなる事はない、ということ。
【類】大鍋の底は撫でても三杯
・一寸の虫にも五分の魂
【意味】小さい者、弱い者にも、相応の意地や思慮があるから侮りがたい、ということ。
・一朝一夕
【意味】短い時日(じじつ)のこと。
・一刀両断
【意味】思い切りよく物事を解決すること。
【類】快刀乱麻を断つ
・一敗地に塗(まみ)る
【意味】再起できないほど打ち負かされること。また、大失敗をすること。
・いつまでもあると思うな親と金
【意味】独立と倹約の心がけが肝要であるということ。
・いつも月夜に米の飯
【意味】苦労のない気楽な生活のたとえ。
・いつもの柳の下に泥鰌はおらぬ
【意味】一度上手くいったからといって、同じ方法で幸運を得ようとしても上手くはいかない、ということ。
【対】一度あることは二度ある
・犬が西向きゃ尾は東
【意味】わかりきった、当然すぎること。
【類】雨の降る日は天気が悪い
・犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
【意味】人は昔受けた恩を忘れてはいけない、という教え。
【類】恩を知らぬ者は畜生にも劣る
・犬も歩けば棒に当たる
【意味】何事も出しゃばると思わぬ災難に遭う、ということ。また、逆に積極的に動けば思いの他、幸運に出会う、ということ。
【参】現在は幸運を掴む意に用いることが多い。
・命の洗濯
【意味】日頃の苦労から解放されて気ままに楽しむこと。【類】命の土用干し
・井の中の蛙大海を知らず
【意味】自分の狭い知識や見聞にとらわれて、ほかに広い世界があることを悟らない愚かさのこと。
【類】天水桶のぼうふら/葦の髄から天を覗く/夜郎自大
・葦編三絶(いへんさんぜつ)
【意味】書物を熟読すること。読書に熱心なこと。
・今鳴いた烏(からす)がもう笑う
【意味】今まで泣いていたものが機嫌を直してもう笑う、ということ。
・芋の煮えたも御存知ない
【意味】無知なこと。世間知らずなこと。
・芋を洗うよう
【意味】人が込み合っていること。
・嫌と頭(かぶり)を縦に振る
【意味】表面とは裏腹な内心の承諾のこと。
・入り船あれば出船あり
【意味】世の中はさまざまで絶えず移り変わり、一方に喜ぶ人があれば、他方には困る人もある、ということ。
・炒り豆に花
【意味】衰えたものや一度死んだものが再び活力を取り戻して栄えること。また、ありえないはずのことが稀に実現すること。
【類】枯れ木に花/石に花咲く
・色の白いは七難隠す
【意味】女性にとって色白であることは、顔かたちのことを気にさせないほどの魅力になる、ということ。
【類】米の飯と女は白いほどよい/髪の長い女は七難隠す【対】色の黒きは味よし
・鰯の頭も信心から
【意味】つまらないものでも信じて拝めば、ひどくありがたいものと思えること。
・言わねば腹ふくる
【意味】言いたいことを我慢すると、気が晴れないで不満が腹の中にたまる、ということ。
【対】物言えば唇寒し秋の風
・因果応報
【意味】人の考えや行いの善悪に応じて、相応の報いがある、ということ。【類】自業自得/身から出た錆
2011.2.23
料簡
料簡(りょうけん)・・・
(1)考え。気持ち。思案。 「けちな―」「―が狭い」
(2)よく考えて判断すること。推しはかり考えをめぐらすこと。
(3)許すこと。がまんすること。勘弁。
(4)処置。とりはからい。
【創作文】
名作といわれる原作があっても、
役者と監督の料簡がしっかりと噛み合わないと、
凡作しか出来上がらない。
2011.2.21
ゼロの焦点
【漢字・言葉】
・後腐れなく
・峻厳(しゅんげん)・・・非常にきびしいこと。また、そのさま。「―な態度で臨む」
・若やいで(見える)
・溌剌(はつらつ)
・珍重・・・落ち着いていて、おもおもしいこと。また、そのさま。
・眦(まなじり)・・・目じり。「―をつり上げる」
・眦を決する・・・目を大きく見開く。怒ったり、決意したりするさま。眦を裂く。「―・して立ち向かう」◆ 「目尻(めじり)を決する」とするのは誤り。
・ことに(美しかった)/ことさら
・憧憬・・・あこがれること。「―の的」「都会の暮らしを―する」
・瞥見・・・ちらっと見ること。短い時間でざっと見ること。「渡された書類を―する」
・ぞんがい(存外)・・・物事の程度などが予想と異なること。また、そのさま。案外。副詞的にも用いる。「―な(の)好成績」「―早い解決」
・茫漠・・・1 広々としてとりとめのないさま。「―たる砂漠地帯」2 はっきりしないさま。「―とした話」
・暗鬱・・・気持ちが暗くふさぎこんでいること。また、そのさま。「―な表情」
・折から・・・1 〔ちょうどその時〕 「折からの雨で野球の試合は中止になった。」「折から、秋で」
・おじぎをした。
・沈静(が漂う)・・・落ち着いていて静かなこと。静かになること。また、そのさま。「ブームが―する」
・賞玩・・・(1)事物の美しさ・良さなどを味わい楽しむこと。めでること。「織部の皿を―する」
・雑踏(する)・・・人々が大勢集まってこみあうこと。人ごみ。「―にまぎれて姿を消す」「花見の人で―するから煩 (うるさ)い」
・空隙・・・(1)物と物との間のすき間。間隙。「どうしても全心で抱合へない―が残された/暗夜行路(直哉)」 (2)ひまな時間
・渾然・・・いくつかのものがとけ合って区別できないさま。「―と融和する」
・付随・・・主たる物事に関係して成り立っていること。つき従って起こること。「―条項」「―する困難を解決する」
・漫然・・・特別の目的もなく事をなすさま。はっきりした意識をもたず,いい加減に行うさま。「―と話を聞く」
・冷淡・・・(1)関心や興味を示さないこと。熱心でないこと。また,そのさま。無関心。「あの両親は子供の教育に―だ」
(2)同情を示さないこと。不親切なこと。そっけないこと。また,そのさま。「―な態度」「―な応対」冷淡さ
・投射・・・自分の感情や性質を無意識のうちに他人に移しかえる心の働き。例えば他人に敵意を抱いている時,逆に相手が自分を憎んでいると思い込むなど。投影。
・点景・・・風景画・風景写真などで,全体を引き立たせるために加えられた人や物など。
・慇懃な物腰ではいってきた。
・切迫したものを感じた。
・遮蔽・・・上におおいをかけたりして、他から見えないようにすること。「砲台を―する」
・荒涼・・・風景などが荒れ果てて寂しいさま。また,精神がすさんでいるさま。荒寥。「―とした枯れ野原」「―たる寂寞感」「―たるその景色/或る女(武郎)」
・鈍重な・・・動作や性質が,にぶくのろい・こと(さま)。「―な動き」
・堆積(たいせき)・・・(1)うず高く積み重なること。また,その積み重なったもの。「土砂が―する」
(2)流体中の物質が沈積して静止し,堆積物になるまでの過程。
・瓦の釉薬(うわぐすり)
・くぼんだ目
・絶望
・弛緩・・・ゆるむこと。たるむこと。
・胸が暗くなった。(変死体の身元確認に出向くのに)
・寂寥・・・ものさびしいさま。ひっそりしているさま。寂寞 (せきばく)。じゃくりょう。「―の感」
・空漠・・・(1)ぼんやりしていてつかみどころのないさま。要領を得ないさま。「―たる論議」「彼の隠謀が―たる夢の様に頭脳に浮んだ時からで/罪と罰(魯庵)」
(2)広々として果てしないさま。「―とした風景」
・憧憬・・・あこがれること。あこがれ。どうけい。「異国の文化を―する」
・虚妄・・・事実でないこと。うそ。いつわり。
・穿鑿(せんさく)・・・(1)穴をあけること。「激浪花崗岩を浸蝕して―する所/日本風景論(重昂)」
(2)細かい点までうるさく尋ねて知ろうとすること。「他人の行動を―するのはよせ」「―好き」
(3)細かいところまで十分調べること。
・心丈夫・・・頼れるものがあって心強いさま。「君が一緒なので―だ」
・茫乎(ぼうこ)・・・とりとめのないさま。はっきりしないさま。広々としているさま。「茫乎とした表情」
・屈託・・・(1)気にかかることがあって,心が晴れないこと。ひとつのことにこだわって,くよくよすること。「―のない顔つき」「屈託のありげな暗い目つき」
(2)疲れてあきあきすること。「―した表情」
・刺を通じる・・・名刺を出して面会を求める。
・鬢に白髪がある。
・籬(まがき)・・・(1)竹・柴などを粗く編んで作った垣。ませ。ませがき。
(2)遊郭で,見世 (みせ)と入り口の落ち間とのあいだにある格子戸。
・柔和な目
・漫然・・・特別の目的もなく事をなすさま。はっきりした意識をもたず,いい加減に行うさま。「―と話を聞く」
・怒濤・・・荒れ狂う大波。激しく打ち寄せる波。「逆巻く―を乗り切る」「―のごとき進撃」
・鈍重・・・動作や性質が,にぶくのろい・こと(さま)。「―な動き」
・駅前の簡素な食堂
【表現】
・通された応接間は、内庭に向かって大きなガラス戸があり、白い紗のカーテンを濾して流れ込んできている光線と、部屋を暖めているガスストーブとで、春の空気であった。室内の調度は程よい暖色で統一され、趣味は決して悪くはなかった。女中が紅茶を持ってきて置いたが、禎子はこの女中の目が何となく自分に注がれているのを感じた。東京からの女客を珍しがっているのか、ちょっとした好奇の対象にされたみたいだった。
・(警察の)言葉が胸を打った。予感が当たったという気がする。本多の顔も緊張していた。
・禎子は目の前に、たぐり寄せるべき一本の糸を感じた。
・女中が茶を運んでしりぞいたが、禎子と本多を観察するように一瞥して襖をしめた。
・洗面所では湯も出ていたが、わざと凍るような冷たい水で顔を洗った。(眠気覚ましのため)
・しかめた顔が目に見えるようだった。(電話の向こう)
・母は電話口で声をのんだようだった。禎子にはそんなときの母の表情が目に浮かんだ。
・母は意味を解しかねたように黙った。その沈黙の間だけが、金沢と東京の遠い距離を感じさせた。禎子は、継ぐように、もしもし、と言った。
・声がどぎまぎしていた。
・嫂はちぐはぐなことを言って電話を切った。
・本多は茶碗をとって口に当てた。それは返事を考えている余裕の時間だった。
・禎子が言うと本多は虚をつかれた目つきをした。
・禎子は、本多の言うことを聞きながら、その言葉がやはり胸の中を通らずに、体の上を流れていくのを覚えた。その不満はどこから来るのか、その場ではよく分からなかった。「鵜原はやはり、自分で行方を分からなくしたのでしょうか。それとも・・・・・」それとも外部的な暴力でそうなったのかと、禎子は質問に意味を持たせた。
・それは、禎子を安心させるようでもあり、彼自身が納得するかのようでもあった。禎子にはこの論理が素直に来なかった。胸のどこかで抵抗を起こしていた。が、すぐにはそれは考えにまとめて言えなかった。
・今まで重苦しかった気分が軽くなった。
・老婆の目が急に興味の色を帯びてきたので、本多は少し慌てた。
・本多が老婆の耳を考えて、少し大きな声で言った。
・道は日向と影をつくっていた。それはそのまま歩いている本多と禎子の肩に明暗を移動させた。
・語尾が禎子の耳に残った。彼女は秘密を感じた。
・係官は事務的にきいた。扱いなれた何十件の一つという感情の動いていない顔だった。
・禎子は本多の言葉で、おや、と思った。
・本多は禎子の顔に慰めるような微笑をかけて言った。
・オーバーの襟が立っているところに煙草の灰がかかっていたが、禎子は手を出す勇気がなかった。
・禎子は、途中から一緒になったような親近感のないこの男に、あらためて朝の挨拶をした。
・禎子は洗面室のよごれた鏡に向かって化粧をした。車体の動揺で足に安定がなかった。
・禎子は、まだ自分の考えの甘かったことを悟った。それから指先がふるえるのを覚えた。
・禎子は、がくんと、胸が一度に揺れた。
・ふと、洋書に挟まった二枚の写真のことが頭に浮かんだ。少しも根拠のない連想であった。
・禎子は管理人に分からないように、送話器を手で覆って言った。
・階段を下りるのが、足が浮いたようだった。
・禎子は息をつめ、言葉が出なかった。
・(夫からの絵葉書を渡すと)目が文字を追って動いている。禎子はそれを見つめた。
・胸に動悸が打ち、それが指先まで伝わった。
・そういえば彼女は憲一についてほとんど無知であることに気づいた。→かなり、いろいろな職業を経て、現在にきた、ということは聞いたが、それが、どのようなものか知らされていなかった。→知らされていないという言い方は変かもしれないが、きかないから黙っているという状態であった。→なんといっても、結婚して日が少なかった。
・三、四冊がことごとく古本屋の棚にあるように手垢で汚れていた。
・万年筆でわりと整った字だった。→鵜原憲一の文字を見たのはこれが最初であった。→消印を見ると金沢局になっていた。
・母の言い方には、いっしょに家に来たとき、憲一をゆっくり観察しようとでも言いたそうなところがあった。
・(妻に冷やかされ)「禎子さんの前で変なことを言うな」と義兄は眩しい顔つきをした。あら、と禎子は笑った。
・義兄は簡単に肯定した。
・密閉された世界での所業は禎子をうろたえさせた。
・禎子はまた過去の誰かに比較されたと思った。
・(AさんとBさんを)等分に見て言った。
・鉢植えの万年青が葉を広げ、その深い蒼い色に冬の冷たさが滲み込んでいるようだった。
・黙っていることが、この場合、彼女の一種の返答であった。
・本多良雄はそう言って、禎子の顔を瞬間だが凝視した。その視線の意外な強さに、禎子はかすかな狼狽を覚え、目をそらした。
・その小さな記事を二度繰り返して読んだ。
・冬の短い日脚は、もう空にたそがれがただよいはじめていた。
・(変死体の写真を見ること)禎子はそれを望んだ。巡査は死体写真を出した。禎子は胸が苦しく目をつむった。「これです」という巡査の声に、目を思い切って、ぱっとあけた。見も知らぬ他人の顔が視界にうつった。それは汚らしい首の拡大であった。鼻と口に黒い斑点がついていた。禎子は黙って顔を振り、ハンカチで口をおおった。胸が悪くなり、額にうすい汗が出ていた。
・禎子はうなずいただけで、言葉が喉につかえて出なかった。
・好奇の目を光らせて、いつまでも見送った。
・北陸の暗鬱な雲と黒い海は、前から持っていた彼女の憧憬であった。
・海の暗い色が自然にその錯覚を起こさせた。
・陽は沈みきった。鈍重な雲は、いよいよ暗くなり、海原は急速に暗さを増した。潮騒が高まり、その上を風の音が渡った。
・本多は気遣わしげにきいた。能登の変死体の実検のことだった。
・この言葉は少し不謹慎に聞こえそうだった。本多は少し黙っていたが、「やはりご安心なさったからですな。そういうお気持ちになられたのも。しかし、何よりでした」
・海の空気の塩辛さが、唇のどこかにまだ残っている。
・失望が微かに出ていた。(食事を断られた本多が)
P156
2011.2.16
僥倖
僥倖(ぎょうこう)・・・・・
1 思いがけない幸い。偶然に得る幸運。「―を頼むしかない」「―にめぐりあう」
2 幸運を願い待つこと。
【創作文】
将来、万が一何かの賞を受賞したとき用に。
「このような僥倖に恵まれ、自分でもただただ驚いております。」
2011.2.8
慮る
慮る(おもんぱかる)・・・・・
よくよく考える。考えはかる。思い巡らす。「相手の立場を慮る」
【創作文というより、豆エッッセイ】
2011年1月8日から、減量を始めて以来、酒を一滴も飲んでいない。
体質の問題なのか禁酒するのは全く辛くない。
(タバコは禁煙して5年経っても時々吸いたいのに)
ただ、20歳くらいのときに半年程ずっとビールを欲してるときがあった。
ビールだけが飲みたかったのだ。
あれは一体何だったのか。慮ってみても謎のアル中期間であった。
2011.2.7
ことわざ【う・え・お】
ことわざセレクション
【う、え、お】
・飢えたる犬は棒を恐れず
【意味】人間も食うに困れば、法を犯す危険も恐れなくなる、ということ。
【類】疲馬は鞭すいを畏れず/貧すれば鈍する
・魚心あれば水心
【意味】先方の出方次第で、相手が好意を示せば、こちらも好意を示そう、ということ。
【類】落下流水の情
・魚の釜中(ふちゅう)に遊ぶが如し
【意味】目前に迫る危機に気付かず、のんきに遊んでいるたとえ。
・うかうか三十きょろきょろ四十
【意味】これといったこともしないうちに一生を過ごしてしまうこと。
【類】少年老い易く学成り難し【対】三十の尻くくり
・鶯(うぐいす)鳴かせたこともある
【意味】かつて、若い頃に男に、もてはやされたこともある、ということ。
・有卦に入る(うけにはいる)
【意味】やることがすべてうまくいき、幸運が続くこと。
・烏合の衆
【意味】統一も規律もなく集まっているだけの人々のこと。
・雨後の筍
【意味】次々と多く発生すること。また、相次いで起こる物事のたとえ。
・兎の罠に狐(きつね)がかかる
【意味】思いもよらない幸運をつかんだこと。
【類】鰯網で鯨捕る
・牛に引かれて善光寺参り
【意味】自分の意志ではなく、他人や他事につられて行動した結果、たまたまよい方向に導かれること。
・牛の歩み
【意味】進歩・進展の遅いこと。
・牛も千里馬も千里
【意味】上手か下手か、遅いか早いかの違いはあっても、結局同じところにたどり着けるということ。
【類】早牛も淀遅牛も淀
・嘘から出た実(まこと)
【意味】嘘のつもりで言ったことが偶然、本当になってしまうこと。また、冗談が事実になること。
【類】瓢箪から駒が出る
・嘘と坊主の頭は結ったことがない
【意味】嘘は言ったことがない、ということ。
【類】嘘と牡丹餅ついたことがない
・打たれても親の杖
【意味】親の叱責が激しいのも慈愛からで、ありがたいものである、ということ。
【類】打たるる杖もゆかしい
・内兜を見透かす
【意味】相手の内情や弱点を見抜くこと。
【類】足下を見る
・内広がりの外すぼり
【意味】家の中では威張り散らすが、外へ出ると意気地がなく、小さくなってしまうこと。
【類】内で蛤外で蜆(しじみ)/内弁慶/家の前の痩せ犬
・内裸でも外錦(うちはだかでもそとにしき)
【意味】世間体を立派にすること。
【類】世間は張り物
・独活の大木
【意味】体ばかりは大きいが、役に立たない人のたとえ。また、丈夫そうで病弱な人のたとえ。
【類】大男総身に知恵が回りかね【対】山椒は小粒でもぴりりと辛い/小さくとも針は呑まれぬ
・兎の毛で突いたほど
【意味】きわめてわずかなこと。ほんの少し。
・鵜の目鷹の目
【意味】熱心にものを探そうとする鋭い目つきのこと。
【類】血眼
・旨いものは宵に食え
【意味】よいことは早くした方がよいたとえ。
【類】善は急げ
・馬を牛に乗り換える
【意味】優れたものを捨てて劣ったものを取ること。
【対】牛を馬に乗り換える
・生みの親より育ての親
【意味】生んでくれた親よりも養い育ててくれた親の方に、愛情や恩義を感じるもの、ということ。
【類】生んだ子より抱いた子
・梅に鶯
【意味】二つのものが調和のとれていること。また似合っていて仲の良いこと。
【類】竹に雀/牡丹に唐獅子/波に千鳥/松に鶴
・埋もれ木に花咲く
【意味】世間から忘れられて不遇であった人に幸運が巡ってくるたとえ。
【類】老い木に花咲く
・烏有に帰す(うゆうにきす)
【意味】何もかもすべてなくなること。とくに、火災ですべての物を失うこと。
【類】灰燼(かいじん)と化す
・売り家と唐様で書く三代目
【意味】金持ちの家も三代目になると貧乏になって家を売りに出すということ。
【参】唐様(からよう)とは遊芸で覚えた中国風の書体という皮肉。【類】長者三代/三代続けば末代続く
・瓜の皮は大名に剥かせよ柿の皮は乞食に剥かせよ
【意味】瓜は皮の近くは堅くて不味いので厚くむくのがよく、柿は皮の近くが甘く栄養があるので薄く剥くのがよいということ。
【類】魚は殿様に焼かせよ餅は乞食に焼かせよ
・瓜の蔓に茄子はならぬ
【意味】平凡な親からは非凡な子は生まれないこと。また、ある原因からは、相応の結果しか生じないこと。
【類】蛙の子は蛙/子は親を映す鏡【対】鳶が鷹を生む/氏より育ち
・浮気と乞食はやめられぬ
【意味】快楽を追い、あるいは怠惰に流れることを退けるのは難しい、ということ。
・雲烟過眼(うんえんかがん)
【意味】物事に深く執着しないこと。あっさりしていること。
・雲霞(うんか)の如し
【意味】人が多く群がり集まるさま。
・栄華の花
【意味】栄えるものは必ず衰える、というたとえ。
・易者身の上知らず
【意味】他人のことは色々わかるが、自分のことは正しい判断ができないこと。また、他人を批判するより自分を省みよ、ということ。
【類】医者の不養生
・えせ侍の刀いじり
【意味】本当の勇気のない者ほど虚勢を張ることのたとえ。
【類】似非者の空笑い
・枝は枯れても根は残る
【意味】災いや悪事の根を断つことは難しい、というたとえ。
・得たり賢し
【意味】物事が願い通りに運び、しめた、という気持ちのこと。
・越鳥南枝に巣くい胡馬北風に嘶く(えっちょうなんしにすくいこばほくふうにいななく)
【意味】故郷が忘れがたいたとえ。
・得手に鼻つく
【意味】自分の得意なことだと気を許してかかり、かえって失敗すること。
・江戸っ子は五月の鯉の吹き流し
【意味】江戸っ子は言葉遣いは荒っぽいが、腹の中はさっぱりしていて悪気がないたとえ。また、口先ばかりで行動が伴わないこと。
・江戸っ子は宵越しの銭は遣わぬ
【意味】江戸っ子は金離れがよい、ということ。遣わぬは、持たぬともいう。
・江戸の敵を長崎で討つ
【意味】かかわりのないことや全く筋違いのことで、相手に仕返しをするたとえ。また、敵となったからには必ず恥辱を晴らしてみせる、という決意のたとえ。
・絵に描いた餅
【意味】観念的、空想的なものは役に立たない、というたとえ。【類】砂上の楼閣
・柄のない所に柄をすげる
【意味】無理に理屈をこじつけるたとえ。
・栄耀(えよう)の餅の皮
【意味】度を越した贅沢をするたとえ。
【類】豆腐の皮を剥く
・鴛鴦(えんおう)の契り
【意味】夫婦仲の睦まじいことのたとえ。
【類】鴛鴦(おしどり)夫婦
・老いたる馬は道を忘れず
【意味】経験を長く積んだ者は、物事の判断を誤らず、行うべき道を心得ている、ということ。また、代々仕えて恩を受けた者は、いつまでも元の主人のことを忘れない、ということ。
【類】老馬の智【対】年寄りと釘頭は引っ込むがよし
・追風(おいて)に帆を上げる
【意味】物事が順調に進むたとえ。追手に風、ともいう。
【類】得手に帆を上げる
・応接に暇(いとま)あらず
【意味】とても多忙なこと。
【類】息つくひまもない
・負うた子に教えられて浅瀬を渡る
【意味】賢い者や経験を積んだ者でも、ときには愚かな者や未熟な者から教えられることもあるということのたとえ。
【類】愚者の一得
・負うた子より抱いた子
【意味】遠くに離れた者(こと)よりも、身近な者(こと)を先に気遣い、大切にするものだということ。
【類】背に腹は代えられぬ
・負うた子を三年探す
【意味】近くにあるのに気付かず、あちこち探し回るたとえ。
・大風の吹いた後
【意味】騒がしいことのあとが、寂しいほど静かなこと。
・陸(おか)に上がった河童
【意味】自分に合った環境を離れて専門外のところに行っては、十分に能力を発揮できないこと。
【類】木から落ちた猿
・傍目八目(おかめはちもく)
【意味】当事者よりも第三者の方が、物事の是非や利害得失がよくわかる、ということ。
【対】痘痕も笑窪(あばたもえくぼ)
・起きて半畳寝て一畳
【意味】いたずらに富喜を望んであくせくするよりも、相応の満足を知るべきである、というたとえ。
【類】千畳敷に寝ても畳一枚、天下取っても二合半
・奥歯に衣着せる
【意味】事実や思っていることを率直に言わない、思わせぶりで嫌味な言い方のこと。
【対】歯に衣着せぬ
・奥歯に物が挟まる
【意味】すっかり心が打ち解けているわけではなく、思うことを十分に言わないための隔たりが感じられること。
・驕る平家は久しからず
【意味】栄華を極め、勝手な振る舞いをするものは、長く地位を保つことはできない、ということ。
・お里が知れる
【意味】どんなに体裁を取り繕っても、ことばづかいや挙動によって、その人のよくない素性や育ちがわかる、ということ。
・教うるは学ぶの半ば
【意味】人に学問を教えるということは、自分の知識の曖昧なところがはっきりして、自分の勉強にもなる、ということ。
【類】教学相長ず
・恐れ入谷の鬼子母神(おそれいりやのきしもじん)
【意味】「恐れ入りました」というときの軽口のしゃれことば。
【類】その手は桑名の焼き蛤/敵もさるもの引っ掻くもの
・小田原評定
【意味】長引くばかりで、いっこうに結論の出ない相談のこと。
・落ち武者は芒(すすき)の穂にも怖(お)ず
【意味】弱みを持っている者には、なんでもないことまで恐れの種になるというたとえ。
【類】脛(すね)に傷持てば笹原走る/疑心暗鬼を生ず
・お茶を挽く
【意味】暇なときのこと。花柳界や芸能界で客のないときのこと。
・頤(おとがい)を解く
【意味】大口を開けて大笑いすること。「頤」は下顎。
【参】本来の意味は、素晴らしさに感服し、口を開けて茫然自失すること。
・男は閾(しきい)を跨げば七人の敵あり
【意味】男が社会で働く上では、多くの競争相手や敵がいるということ。
【解】七は、数が多いという意味で。
・男やもめに蛆(うじ)がわき女やもめに花が咲く
【意味】妻に死別、または生別した男のひとり者は、身の回りの世話をする人がいないので汚いが、夫に死別した未亡人は、身ぎれいにしていて男たちにもてはやされる、ということ。
【類】後家花咲かす
・驚き桃の木山椒の木
【意味】驚いた、呆れた、ということ。
・同じ穴の狢(むじな)
【意味】外見は違うように見えても、実体はよくない同類、仲間であること。
・同じ釜の飯を食う
【意味】生活や職場を共にした親しい仲のこと。
・鬼が出るか蛇(じゃ)が出るか
【意味】次にどんな事態が起こるか予測しがたいこと。
【類】暗がりに鬼つなぐ
・鬼瓦にも化粧
【意味】容貌の醜い女でも化粧をすれば多少は見栄えがよくなるというたとえ。
【類】馬子にも衣装
・鬼の居ぬ間に洗濯
【意味】恐い人、気詰まりな人がいない間に、羽を伸ばして思う存分くつろぐこと。
・鬼の霍乱(かくらん)
【意味】ふだん丈夫な人が、珍しく病気になることのたとえ。
【解】霍乱は、漢方医の言葉で日射病や暑気当たりのこと。
・鬼の首取ったよう
【意味】すばらしい手柄を立てたかのように得意になること。
・鬼の空念仏
【意味】残忍な人がうわべだけ情け深そうに見せかけること。
・鬼の目にも涙
【意味】冷酷な者でも、ときには情に感じて慈悲の心を起こすことがある、ということ。
【類】鬼も頼めば人食わず
・鬼も十八番茶も出花
【意味】どんなものにも必ず盛りがあることのたとえ。
【類】薊(あざみ)の花も一盛り
・鬼も角折る
【意味】悪人でも何かの折りにふっつりと悪事をやめて、善意を志すようになること。
・己の欲せざる所は人に施すなかれ
【意味】自分の好まないことは他人も好まないだろうから、他人にそれを仕向けてはならないという教え。
【類】我が身を抓って人の痛さを知れ
・尾羽(おは)打ち枯らす
【意味】落ちぶれて以前の面影がないこと。
・帯に短し襷に長し
【意味】中途半端で役に立たないこと。
【類】褌には短し手拭いには長し
・お百度を踏む
【意味】頼みごとを聞き入れてもらうために同じ人のところへ何度も足を運ぶこと。
・お臍(へそ)が茶を沸かす
【意味】おかしくてたまらないこと。
・溺れる者は藁をも掴む
【意味】困り切っている者は、どんなに頼りにならないものでも頼る、ということ。
・御神酒上がらぬ神は無い
【意味】酒を飲むのは悪いことではないという酒飲みの自己弁護のことば。
【類】下戸の建てた蔵はない
・思うに別れて思わぬに添う
【意味】男女の縁が思い通りにいかないたとえ。
・親の意見と冷や酒は後で利く
【意味】親の意見は言われたときはうるさいと思っても、後になるとなるほどと思い当たるものである、ということ。
【類】親の意見の茄子の花は千に一つも仇はない
・親の因果が子に報いる
【意味】親のした悪行の結果、その子が罪もないのに災いを受けること。
【対】親の光は七光り
・親の心子知らず
【意味】子供を思う親の深い心を察しないで、子供は勝手な振る舞いをするものであること。
【対】子を持って知る親の恩
・親の光は七光り
【意味】本人にはそれほど実力や才能が無いのに、親の声望や威光のおかげで、いろいろと優遇されること。
・親馬鹿子馬鹿
【意味】親は子への愛に溺れて子が馬鹿になるのを知らず、子は親の愛に慣れて、馬鹿なことをするということ。
【類】親の甘茶が毒となる/親の欲目
【対】子を見ること親に如かず
・お山の大将おれ一人
【意味】世間知らずのため、狭い社会やつまらない仲間の中で一人得意になったり、小さな成功で威張ったりすること。
・泳ぎ上手は川で死ぬ
【意味】人は得意なことや慣れていることで、かえって油断をして失敗し、身を滅ぼすことがあるというたとえ。
【類】得手に鼻つく
・及ばぬ鯉の滝登り
【意味】かなう望みのない恋のこと。また、いくら望んでも目的を達成できそうもないこと。
【類】高嶺の花/花は折りたし梢は高し
・温故知新
【意味】前に学んだことをよく吟味し、また過去の事実や伝統などをよく調べて、新しい見解や知識を得ること。故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る。ともいう。
・女三人寄れば姦しい
【意味】女はお喋りだから、三人も寄ると大変やかましい、ということ。
・女と坊主に余り物がない
【意味】女と坊主には不用になる者はない、ということ。
・女の一念岩をも通す
【意味】女の決心が固いこと。また女の執念が深いこと。
・女は三界に家なし
【意味】女はこの世のどこにも安住できる家がないこと。
・乳母日傘(おんばひがさ)
【意味】金持ちの子供が必要以上に大切に育てられること。
【類】箸より重いものを持ったことがない
・恩を以て怨みに報ず
【意味】怨みのある相手に対しても、広い心で恩愛を施すこと。
2011.2.6
欺瞞
欺瞞(ぎまん)・・・・・
人目をあざむき、だますこと。「欺瞞に満ちた言動」
【創作文】
「どうしよう、お婆ちゃん、事故っちゃった」
暫く坊主続きだったが今日は直ぐに婆さんが引っ掛かった。
深夜のATMで振込みを確め、単車に跨がった。
帰りの下り坂で巧みになった自分の欺瞞さにほくそ笑んだ、その時だった。
対向車のライトが目前に迫ったのは。
遠のく意識の中で仄見えたのは、車から降りる実の祖母の姿だった。
2011.1.12
慇懃
慇懃(いんぎん)・・・・・
①ねんごろなこと。丁寧。「慇懃な挨拶」
②よしみ。親しい交わり。
③男女の情交。「慇懃を通ずる」
慇懃無礼・・・・・うわべは丁寧なようで実は尊大であること。「慇懃無礼な対応」
【創作文】
彼が文学賞を受賞したパーティーに、編集のサブである私も招かれた。
会場の入口では彼と夫人が招待客に慇懃に挨拶を交わしていた。
牛歩の列の私を、彼が視界の端で見つけ、一瞬目が合った。
主人がお世話になっております。
と言う、夫人の挨拶に、私のときにだけ“いつも”という語気の強い枕詞が付けられていた。
2011.1.9
ことわざ【か・き】
ことわざ辞典で見つけたみずたまセレクション
【か・き】
・飼い犬に手を噛まれる
【意味】目をかけ世話をした人物から、裏切られることのたとえ。
【類】恩を仇で返す/後足で砂をかける【対】犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
・貝殻で海を測る
【意味】自分の狭い見聞や浅い知恵で、大きな問題を議論することのたとえ。
【類】管を以て天を窺う/葦の髄から天を覗く/貝殻で海を干す
・会稽の恥(かいけいのはじ)
【意味】敗戦の恥辱や、人から受けた屈辱的な恥のたとえ。
・改竄(かいざん)
【意味】文字や語句を改め直すこと。
【注】正当な場合にも不当な場合にも用いられる。
・咳唾珠を成す(がいだたまをなす)
【意味】詩文の才能が豊かなことのたとえ。
・快刀乱麻を断つ
【意味】紛糾した事柄を明快に処理すること。
・返す阿呆に貸す阿呆
【意味】物を貸せば返ってこないものと考えるべきだということ。
・蛙の面に水
【意味】どんな仕打ちにあってもまったく平気なこと。
【類】馬の耳に念仏/鹿の角を蜂が刺す
・顔に紅葉を散らす
【意味】若い女性が恥ずかしさのあまり、顔を赤らめることの形容。
・河海(かかい)は細流を択ばず
【意味】大人物になるには、どんな人物でも受け入れる度量の広さを持たなければならないということ。
【類】大海は芥を択ばず
・蝸牛角上の争い(かぎゅうかくじょうのあらそい)
【意味】つまらない争い、狭い世界での争いのこと。
【解】蝸牛は、かたつむりのこと。
・学の前に書来る
【意味】学問好きのところには自然と書物が集まるように、志さえあれば自然に道は開けるものであるということ。
・学問に王道なし
【意味】学問には手軽に身につけるような特別な近道はないということ。
・学を好むは知に近し
【意味】学問を好むことは、真の知者に近づいたしるしであること。
・駆け馬に鞭
【意味】勢いのあるものに更に勢いをつけること。
【類】走り馬にも鞭/虎に翼/火に油を注ぐ/鬼に金棒
・陽炎稲妻水の月
【意味】手に取ることのできないもの、実体のないもののたとえ。
・影を畏れ迹を悪む(かげをおそれあとをにくむ)
【意味】自分自身を見失って、外物や妄想にとらわれて心を煩わすこと。
・画工闘牛の尾を誤って牧童に笑わる
【意味】知らないことは、誰にでも尋ねて教えを受けるべきだということ。
・篭で水を汲む
【意味】無駄な骨折りのたとえ。徒労。
・火事後の釘拾い
【意味】大きな浪費のあとで僅かばかりの節約をしても、なんの足しにもならないこと。
・貸し借りは他人
【意味】金銭の貸し借りはたとえ親子でも、他人同様にはっきりさせるべきであるということ。
【類】金は他人
・貸した物は忘れぬが借りた物は忘れる
【意味】自分の都合のよいように物事を考えるのが人情であるということ。
・火事と喧嘩は江戸の華
【意味】いなせな火消しが活躍する火事と、派手な喧嘩は江戸の名物だということ。
・臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
【意味】目的を果たすために、長い間苦労し努力すること。
・佳人薄命
【意味】美人は生まれつき病弱であったり、数奇な運命にもてあそばれたりして短命や不幸であることが多いこと。
【類】美人薄命/才子多病
・鎹思案(かすがいじあん)
【意味】二つのことをどちらもうまく処理しようとする考え。
・霞に千鳥(かすみにちどり)
【意味】あり得ないこと、ふさわしくないことのたとえ。
・風が吹けば桶屋が儲かる
【意味】思いがけない影響や結果が生じるたとえ。また、当てにならないことを期待することのたとえ。
・稼ぐに追いつく貧乏なし
【意味】一生懸命働けば、貧乏に苦しむことはないということ。
【対】稼ぐに追い抜く貧乏神
・風は吹けども山は動ぜず
【意味】周囲のごたごたを気にせず、悠然として全く動じないこと。
・刀折れ矢尽きる
【意味】懸命に戦ったが、万策尽きてどうにもならなくなることのたとえ。
・火中の栗を拾う
【意味】他人の利益のために、あえて危険なことをするたとえ。
・隔靴掻痒(かっかそうよう)
【意味】物事が思うようにならず、もどかしいことのたとえ。
・渇して井を穿つ
【意味】必要に迫られてから慌てて準備しても、手遅れで間に合わないこと。
【類】飢えに臨みて苗を植える/戦を見て矢を矧(は)ぐ
・渇しても盗泉の水を飲まず
【意味】どんなに苦しんでいても、けっして不正はしないことのたとえ。
・勝った自慢は負けての後悔
【意味】勝負に勝ったときにあまり自慢しすぎると、負けたときに引っ込みがつかなくなり後悔してしまうこと。
・勝って兜の緒を締めよ
【意味】成功しても油断せず、用心深く事に当たれという戒め。
【類】森から出るまでは歓声をあげるな
・合点承知之助(がってんしょうちのすけ)
【意味】わかった。承知したから心配ないという語を重ねた語呂合わせのしゃれ。
・河童の川流れ
【意味】どんな達人や名人でもときには失敗するというたとえ。
【類】猿も木から落ちる/孔子(くじ)の倒れ/弘法にも筆の誤り/釈迦にも経の読み違い/上手の手から水が落ちる/名馬も転ぶ
・河童の寒稽古
【意味】苦痛を与えようとしても相手がなんとも感じないことのたとえ。また、苦しそうに見えてもなんともないこと。
【類】屁の河童/餓鬼の断食
・我田引水
【意味】自分に都合の良いように物事を運ぶことのたとえ。
・瓜田に履を納れず(かでんにくつをいれず)
【意味】人から疑いを受けるような行為は慎むべきだという戒め。
【解】瓜の畑で靴が脱げても瓜泥棒と疑われないように、屈んで靴を履きなおすな、という意から。
・鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)
【意味】相手の実力や権威を疑うこと。
・鼎(かなえ)の沸くが如し
【意味】大勢の人が盛んに議論したり、騒がしく乱れている様子のたとえ。
鼎とはこんなもの→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BC%8E
・金轡(かなぐつわ)をはめる
【意味】賄賂を使って口止めをするたとえ。
・鉄鎚の川流れ
【意味】人の下にいて頭が上がらないことのたとえ。また、出世の見込みがないことのたとえ。
【類】鉄鎚の川流れで浮かぶ瀬がない
・鉄鎚論(かなづちろん)
【意味】これでもかと自分の意見を押し付けること。また、鉄槌で釘を打つように何度も同じことを言い争うこと。
・蟹の念仏
【意味】口の中でぶつぶつ言うこと。
・蟹の横這い
【意味】他から見れば不自由なようでも、当人にとっては都合のよいことのたとえ。
・蟹は甲に似せて穴を掘る
【意味】人は自分の能力に応じた言動をするものだというたとえ。
【類】一升徳利に二升は入らぬ/鳥は翼にしたがって巣を作る
・金と塵は積もるほど汚い
【意味】金持ちになるほど欲が深くなり、けちになるものだということ。
【類】金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い
・金の切れ目が縁の切れ目
【意味】その通りです。
・金は三欠くにたまる
【意味】金は、義理・人情・交際の三つを欠くくらいでないとたまらないということ。
【類】三欠くの法
・禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
【意味】禍と幸福とは巡り巡って、かわるがわるやってくるものだということ。
【類】沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり
・壁に耳あり障子に目あり
【意味】密談や秘め事はもれやすいたとえ。
・果報は寝て待て
【意味】幸運は焦らずに、気長にその時機が来るのを待つのがよいという教え。
【類】待てば海路の日和あり
・竈(かまど)に豆をくべる
【意味】気ぜわしく、落ち着かないこと。
・裃を着た盗人(かみしもをきたぬすびと)
【意味】私利をむさぼり、私腹を肥やす役人のこと。
・噛む馬は終いまで噛む
【意味】生来の悪い癖や性格は、一生変わらないことのたとえ。
【類】三つ子の魂百まで
・亀の甲より年の劫
【意味】年長者の人生経験は尊重しなければならないことのたとえ。「年の功」とも書く。
・亀の年を鶴が羨む
【意味】欲望には際限がないことのたとえ。
【類】千石取れば万石羨む
・鴨が葱を背負(しょ)ってくる
【意味】文学賞に応募してきた超人気イケメン俳優。
・鴨の水掻き
【意味】気楽そうに見えることでも、それぞれ人知れぬ苦労があるものだというたとえ。
・烏の頭(かしら)の白くなるまで
【意味】いつまで経ってもその時期が来ないことのたとえ。起こり得ないこと。
【類】駒に角の生ゆるまで
・借りてきた猫
【意味】いつもと違っておとなしく、小さくなっているようすのたとえ。
・画竜点睛(がりょうてんせい)
【意味】最後の仕上げに手を加え、物事を完成すること。
【参】また、画竜点睛を欠く、というのは肝心なところに手落ちがある意味。
・借りる八合済す一升(かりるはちごうなすいっしょう)
【意味】人から物を借りたら、必ずお礼を添えて返すべきだという心得。
・枯れ木も山の賑わい
【意味】つまらない物でも、無いよりはましだというたとえ。
【類】餓鬼も人数/蟻も軍勢
【参】自分を謙遜していう言葉なので他人には使わない。
・可愛さ余って憎さが百倍
【意味】可愛いと思う気持ちが強いほど、一度憎いと思うとその憎しみは特別に激しいものになるということ。
【類】好いたほど厭(あ)いた
・皮を切らせて肉を切り肉を切らせて骨を切る
【意味】自分も傷つく覚悟でなければ、相手に打ち勝つことはできないたとえ。剣の道の極意。
・雁が飛べば石亀も地団駄
【意味】自分の身の程もわきまえずに、むやみに人の真似をしようとするたとえ。
【類】鯉が躍れば泥鰌も躍る/鷹が飛べば蚊も飛ぶ
・侃侃諤諤(かんかんがくがく)
【意味】なにものにもひるまず、正しいと信じることをはっきりと主張すること。
・眼光紙背に徹す(がんこうしはいにてっす)
【意味】書物に書かれている表面の意味だけでなく、その奥にある深い意味までも理解すること。
・換骨奪胎(かんこつだったい)
【意味】古人の詩文の発想や表現を取り入れながら、独自の工夫を加えて新しい作品を作り出すこと。
・勘定合って銭足らず
【意味】理論と実際とが一致しないこと。
・肝胆相照らす
【意味】お互いに心の底を打ち明けて理解し合い、親しく付き合うこと。
・邯鄲の夢(かんたんのゆめ)
【意味】人の世の栄枯盛衰のはかないたとえ。
【類】一炊の夢/盧生の夢
・肝胆を砕く
【意味】ある限りの知恵や力を傾けること。
・眼中人なし
【意味】人を人とも思わずおごり高ぶること。
【類】傍若無人
・旱天の慈雨(かんてんのじう)
【意味】苦しいときに待ち望んでいた救いにめぐり合うたとえ。
【類】闇夜の提灯
・間髪を容れず(かんはつをいれず)
【意味】間をおかずにすかさず行うこと。
【参】かんぱつをいれずと続けて読むよりも「かん・はつをいれず」と読むのが正しい。
・看板に偽りなし
【意味】外見と中身が一致していることや、言っていることと実際の行動とが合っていることのたとえ。
【対】羊頭狗肉
・聞いて極楽見て地獄
【意味】話とは違うじゃないか!ということ。
・既往は咎めず(きおうはとがめず)
【意味】過去の事を責めたてるよりも、将来を慎むことの方が大切であること。「既往」は過ぎてしまったの意。
・奇貨居くべし(きかおくべし)
【意味】与えられた機会は逃さず、おおいに利用しなければいけないことのたとえ。
【類】好機逸すべからず
・木から落ちた猿
【意味】より所を失って、どうしたらいいのかわからずにいることのたとえ。
【類】陸にあがった河童
・危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき) *秋と書いて「とき」
【意味】危険が目の前に迫り、生き残れるか滅びるか重大な瀬戸際にあること。
・聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
【意味】知らないことを人に聞くのは一時の恥ですむが、聞かずに知らないままだと一生恥ずかしい思いをしなければならないということ。
・雉(きじ)も鳴かずば撃たれまい
【意味】余計なことをいって、わざわざ災いを招いてしまうたとえ。
【類】鳴く虫は捕らる/口は禍の門
・帰心矢の如し(きしんやのごとし)
【意味】故郷や我が家へ一刻も早く帰りたいと思うようす。
・驥足を展ぶ(きそくをのぶ)
【意味】優秀な人物がその才能を存分に発揮するたとえ。
・危殆に瀕する(きたいにひんする)
【意味】極めて危険な状態に陥ること。
・狐と狸
【意味】ずるがしこい曲者同士のこと。
・狐につままれたよう
【意味】どうしてそうなったのか訳がわからず、ぼんやりしているようす。
・狐の嫁入り
【意味】日が照っているのに雨が降ること。
・狐を馬にのせたよう
【意味】動揺して落ち着きがないこと。また、言うことに信用がおけないこと。
・木で鼻をくくる
【意味】対応がひどく無愛想で素っ気無いことのたとえ。
【類】杵で鼻こする/拍子木で鼻かむ
・木に餅がなる
【意味】話がうますぎることのたとえ。
・木に縁りて魚を求む(きによりてうおをもとむ)
【意味】方法や手段が誤っていると、目的が達成できないことのたとえ。また、見当違いの無理な望みを持つこと。
【類】水中に火を求む
・昨日は嫁今日は姑
【意味】人の境遇が変わりやすいこと。また、月日の経つのが早いというたとえ。
・茸(きのこ)取った山は忘られぬ
【意味】よい思いをすると、なかなかそれを忘れられないというたとえ。
・驥尾に付す(きびにふす)
【意味】優れた人の後に従って、自分の能力以上のことを成し遂げることのたとえ。また、他人と行動を共にするときに謙遜して言うことば。
・木仏金仏石仏(きぶつかなぶついしぼとけ)
【意味】心の冷たい人や融通の利かない人、女の気持ちがわからない人のたとえ。
【類】石部金吉金兜/木の股から生まれる/木石漢
・客と白鷺は立ったが見事
【意味】客はあまり長居をしないで、早めに席を立つのがよいというたとえ。
・九牛の一毛
【意味】きわめて多くの中のごくわずかなこと。取るに足りないこと。
・九死に一生を得る
【意味】ほとんど助からない状態の中でかろうじて助かること。最大の危機を切り抜けるたとえ。
・鳩首(きゅうしゅ)
【意味】何人かが集まってひそひそ相談をすること。
・窮すれば通ず
【意味】行き詰まってどうにもならなくなると、かえって活路が見出せるものだということ。
・窮鼠(きゅうそ)猫を噛む
【意味】弱い者でも死に物狂いになれば強い者を苦しめ、負かすこともあるというたとえ。
【類】禽(とり)も苦しめば車を覆す
・窮鳥懐(きゅうちょうふところ)に入れば猟師も殺さず
【意味】困窮した者が助けを求めてくれば、どんな事情があっても助けないわけにはいかないということ。
・旧套(きゅうとう)を脱する
【意味】古くさいやり方をやめて、新しい方法をとろうとすること。
・朽木は雕るべからず (きゅうぼくはえるべからず)
【意味】才能のない者や、やる気のない者にはいくら教えても無駄だというたとえ。
・胸襟を開く
【意味】心の中を隠さず打ち明けること。
・京の着倒れ大阪の食い倒れ
【意味】京都の人は衣服に金をかけ、大阪の人は飲食に金をかけて、そのために財産をなくしてしまうということ。
・堯の子堯ならず(ぎょうのこぎょうならず)
【意味】親が立派でも、その子が必ずしも立派になるとは限らないというたとえ。
【類】大家後なし
・今日の一針明日の十針(きょうのひとはりあすのとはり)
【意味】わずかな労を惜しむと、あとで苦労することになるたとえ。
・器用貧乏
【意味】何事もある程度うまくこなせるため、かえって一つのことに徹底できず大成しないこと。
・喬木は風に折らる
【意味】人は地位や身分が高くなると、周囲の批判やねたみを受けやすくなるというたとえ。
【類】高木は風に折らる/出る杭は打たれる
・経も読まずに布施を取る
【意味】なすべきことをしないで、報酬を得ようとすること。
・杏林(きょうりん)
【意味】医者のこと。
・虚虚実実
【意味】互いに相手の手の内を探りあい、計略を尽くして争うこと。
・玉石混淆(ぎょくせきこんこう)
【意味】良いものと悪いものが入り混じってしまい、区別がつかなくなること。
【類】味噌も糞も一緒
・曲肱の楽しみ(きょっこうのたのしみ)
【意味】貧しくても、心の楽しみの方を大切にして生きようとすることのたとえ。
・居は気を移す(きょはきをうつす)
【意味】人は、環境や地位の変化によって影響を受けやすいものだということ。
・漁夫の利
【意味】両者が互いに争っている間に、第三者が難なく利益を横取りしてしまうことのたとえ。
【類】犬兎(けんと)の争い
・清水の舞台から飛び下りる
【意味】思い切った行動や決断をすること。
・綺羅星の如し(きらぼしのごとし)
【意味】立派な人物がずらりと並んでいるようす。
【注】綺羅星とは多くの星のことを指すので、一人や二人を指す場合は本来使うべきでない。
・錐の嚢中に処るが如し(きりののうちゅうにおるがごとし)
【意味】才能のあるものは、自然とそれが外に現れ出るものだというたとえ。
【類】嚢中の錐
・桐一葉(きりひとは)
【意味】物事の衰退の兆しが現れること。
・麒麟児
【意味】優れた才能を持つ若者のこと。
・切る手遅かれ
【意味】最後の決断を下すのは、よくよく考えて行うべきだということ。
・軌を一にす(きをいつにす)
【意味】行き方や立場を同じにすること。
・驥(き)をして鼠を捕らしむ
【意味】人の使い方を誤ると、有能な者もまったく役に立たなくなってしまうこと。
【解】驥(き)は一日に千里を走る駿馬のこと。
・木を見て森を見ず
【意味】小さなことにこだわって、全体を見失うことのたとえ。
・欣喜雀躍(きんきじゃくやく)
【意味】躍り上がって大喜びすること。
・琴瑟相和す(きんしつあいわす)
【意味】夫婦の仲が睦まじいこと。また兄弟盟友の仲がよいこと。琴瑟ととのう。
・金時の火事見舞い
【意味】酒を飲んで顔が真っ赤になること。
【類】金時の醤油だき/満面朱をそそぐ
・金の茶釜が七つある
【意味】自分の家が金持ちだと大げさに自慢すること。
・勤勉は成功の母
【意味】人生に成功するには勤勉であることが何より大切だということ。
・金蘭の契り
【意味】非常に仲の良い親友の交わりのこと。
【類】金石の交わり/刎頚(ふんけい)の交わり/莫逆の友
2011.1.6
咆哮
咆哮(ほうこう)・・・・・
たけりさけぶこと。獣などのほえたけること。またその声。「虎の咆哮」
【創作文というか、思うこと】
そもそも「福男」というのは、スタートの場所を決めるくじ運が良いのもあるだろうが、
根本的には、俊足でなければ幸福になれないということになる。
それではあまりに不公平である。
来年からは、借り物競争に変えて、鈍足にもチャンスを与えてほしい!
「さあさあ!今年の福男は!?」
となったときに、パンストかぶったヤツがゴールして
咆哮するところを見てみたいものだ。
エンターテイメント性も抜群!テレビももっと来るだろう。神様、ぜひともご検討のほどを!
2011.1.1
攪拌
攪拌(かくはん)・・・・・
かき回すこと。かきまぜること。「攪拌機」
【創作文】
~床屋でのひとコマ~
男は無表情でシェービングクリームの入った陶器のマグカップを攪拌し、
温かい石鹸のついた穴熊毛ブラシを
慣れたというよりも、ぞんざいな手つきでボクの頬にあててきた。
2010.12.24
瀟洒
瀟洒(しょうしゃ)・・・・・
すっきりとあか抜けしているさま。俗っぽくなくしゃれているさま。
「瀟洒な身なり」「瀟洒な洋館」
【創作文】
※今日は文庫本の裏表紙風にしてみました。
----------------------------------
直木賞をとった友達が、本を紹介するテレビ番組で、
「瀟洒な短歌を書くことに長けている」とナツの歌集を紹介してくれた。
時の人の影響力を侮ってはならない。
毎回、初版止まりだったナツの本は売れに売れまくった。
そうして得手に帆をあげよう、と意気込んだ矢先、
ナツは不慮の事故に遭ってしまう。
事故によって脳に障害を抱えてしまったナツは、
以前のような短歌を書けなくなってしまう。
ナツの悲劇的な運命を、コミカルな物語にまとめた著者の意欲作。