現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 社会
  3. その他・話題
  4. 記事
2013年1月4日11時51分

印刷用画面を開く

mixiチェック

このエントリーをはてなブックマークに追加

手抜き除染、作業員証言 「詰め切れぬ葉は捨てて」指示

写真:11月に作業員4人が落ち葉や土を川に流した現場。落ち葉や枝が不自然に山になっている=12月16日、田村市拡大11月に作業員4人が落ち葉や土を川に流した現場。落ち葉や枝が不自然に山になっている=12月16日、田村市

 「手抜き除染」横行の情報を得て、取材班は現地に向かった。

 「袋に詰めなければならない草木をここに捨てました」。20代男性が取材班を案内したのは、県道から20メートルほど斜面を下りた雑木林だった。枯れ葉や枝が幅1メートル、長さ50メートルにわたり散乱し、高い所は1.5メートルほどの山になっている。

 福島第一原発から南に15キロの福島県楢葉町。昨年8月に警戒区域が解除された後も大半が避難指示解除準備区域に指定され、町民は住んではいけない。

 楢葉町の除染を受注したのは、前田建設工業や大日本土木などの共同企業体(JV)。作業ルールでは道路の両側20メートルの幅で草木や土を取り除き、袋に詰めて仮置き場に保管しなければならない。空間線量を毎時0.23マイクロシーベルト以下に下げていく長期的目標の第一歩だ。

 男性は昨年10月、都内のハローワークで3次下請け会社の求人を見つけ、働き始めた。道路の両側20メートルにはったピンクのテープの内側で、のこぎりで木を切り、草刈り機で刈り取った草や落ち葉を熊手でかき集めて袋に詰め、運び出す作業のはずだった。

 ところが、大日本土木の現場監督は当初から、作業班約30人に「袋に詰め切れない分は捨てていい」「テープの外の崖に投げていい」と指示し、作業員らは従った。監督が不在の日には別の監督役から同じ指示があったという。

続きを読む

この記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。

無料登録で気軽にお試し! サービスのご紹介は こちら

PR情報
検索フォーム

おすすめ

第一線の記者が、事故当時の発表と報道を検証。あのときどうすればよかったのか。

高知県四万十町の興津地区は、大津波を想定した「個別避難訓練」を始めた。

箱根山の群発地震は富士山噴火の予兆?過去2千年間の資料などから被害予測図を示す。

電力業界からの広告費と引き換えに批判精神を後退させてしまったメディア。実態を検証。

火力発電所の現状や行き場のない核のゴミ…原発ゼロ戦略の偽りと矛盾を浮き彫りにする。

地盤対策は自己責任?日本全国で起こりえる災害被害。対策できることはないのか。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
  • 過去の朝刊
  • 過去のYou刊

29日|30日|31日|1日|2日|3日|4日|5日

29日|30日|31日|1日|2日|3日|4日|5日

アンケート・特典情報

朝日新聞社会部 公式ツイッター