しかし、実務になった場合はどうなるでしょうか?
計算実務を行う研究者側にとって、問題サイズに対するスケーリングというものが計算機の性能に関わる重要な判断基準になります。
スケーリングには
・Strongスケーリング
・Weekスケーリング
と2種類あります。
内容は以下の通りです。
Strongスケーリング
全体の問題規模を一定に保ち、プロセッサの数を増したときの実行時間の変化はどうなるか?
Weekスケーリング
プロセッサあたりの問題規模を一定に保ちながらプロセッサ数を増したときの実行時間の変化はどうなるか?
研究者らが自分達で書いたコードを使用したとき、これらの値がプロセッサ数に比例する結果が出れば非常に嬉しいのです。
そのため、LINPACKの結果が大変素晴らしくても、実務で使うコードを使用したら8プロセッサ以上を使用しても大して速くならないということも起こってしまう、こともあるのです。
TOP500で1位を取っていたとしても、実務で使えなければ無用の長物です。こういう事情もあることを知っとくと、スパコンをより詳しく知ることができるでしょう。
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