西地区の着工が決まった朝日新聞旧社屋(手前)と中之島フェスティバルタワー=1日、大阪市北区、朝日新聞社ヘリから、飯塚晋一撮影 |
朝日新聞社は4日、朝日新聞大阪本社の所在地(大阪市北区中之島)にあるビル3棟を二つの超高層ビルに建て替える「中之島プロジェクト」で、西地区のタワービルを2017年の春から夏に完成させると発表した。当初計画より完成時期を約1年早め、14年夏に着工する。
昨年11月に開業した、新しい大阪本社やフェスティバルホールが入る東地区の「中之島フェスティバルタワー」と合わせて、大阪の経済・文化の発信拠点を目指す。
発表によると、西地区のタワービルは、現在の2棟のビル(朝日新聞ビルと大阪朝日ビル)の跡地(8200平方メートル)に建つ。地上42階、地下4階で、中之島フェスティバルタワー(地上39階、地下3階)とほぼ同じ高さ約200メートルになる。
約25のフロアをテナントオフィス用とするほか、商業施設や市民が集える文化交流施設が入る。高層部には国際級の高級ホテルを誘致する。竹中工務店との共同事業で、総事業費約500億円のうち同社が2割を負担する。
中之島フェスティバルタワーで評価された国内トップクラスの耐震性をはじめ、河川水を利用した地域冷暖房やLED照明などを備えた高い省エネ機能を継承する。長時間稼働できる非常用発電機や十分な備蓄倉庫を確保するなど、各テナントの災害時のBCP(事業継続計画)への対応をさらに充実させる。
完成を1年早めた理由について、(1)中之島フェスティバルタワーのテナントオフィスの決定率が開業時で9割を超えるなど滑り出しが順調(2)17年は大阪市中心部で他の大規模なオフィスビルの開業が予定されていない、などとしている。
西地区の旧ビル2棟の解体は今春から始まり、新築工事着工は解体工事を終えた14年夏の予定。ただ、朝日新聞ビルの建物の一部が橋げたとして阪神高速を支えているため、この部分は耐震補強して残す。