サンミゲル、航空事業進出 フィリピン航空買収 観光市場に足場 (1/2ページ)

2012.4.27 05:00

 フィリピン国内で最大の売り上げ規模を誇る複合企業サンミゲルが航空ビジネスに乗り出した。成長が確実視される観光市場への進出強化が目的とみられている。現地紙インクワイアラーなどが報じた。

 食品からスタートしエネルギーやインフラ分野へと多角化を進めてきたサンミゲルは、5億ドル(約407億円)を投じて地場航空大手フィリピン航空(PAL)の持ち株会社、PALホールディングスの株式49%を取得し、PALと地場格安航空会社(LCC)エアフィル・エクスプレスの経営権を握ることになった。

 サンミゲルのラモン・アン会長はさらにPAL、エアフィルの新機材調達などに5億~10億ドルを投じる用意があると表明した。また、同氏はみずからPALの社長に就任して陣頭指揮を執る体制を固めた。

 PALはエアフィルと合わせて25機の旅客機の購入・リース契約を米ボーイングと欧州エアバスの航空機メーカー両社と結んでいるが、燃料費の高騰や賃金をめぐる労使対立の激化など、経営上の問題に直面して資金調達に不安を抱えていた。

 PALの幹部は今回のサンミゲルによる買収について、「成長力と競争力の強化につながる」と述べ、同社の資本参加を歓迎する声明を発表した。