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科学
次世代加速器ILC、宇宙・物質の謎に挑む 国内候補地今夏決定へ
円形のLHCがヒッグス粒子の検出に適しているのに対し、ILCはその性質解明に威力を発揮する。ヒッグス粒子の性質が詳しく分かれば、標準理論を超えた新たな物理法則が見えてくる可能性が高い。
特に注目されるのは暗黒物質の有力候補である「超対称性粒子」の発見だ。LHCで見つかった新粒子の質量はヒッグス粒子の理論値より軽いため、研究者の多くは背後に超対称性粒子が潜んでいるとみる。さらに暗黒エネルギーの手掛かりが得られる可能性もあり、大発見が続きそうだ。
ILC計画の実現を目指す山下了(さとる)東大准教授は「人類が宇宙の謎を解明し、新たな知の地平を切り開く原動力になる」と研究の意義を強調する。
建設費8千億円
30カ国以上が参加するILC計画は2003年に研究者間で合意され、先月15日に設計が決まった。建設費は約8千億円。15年に政府間で建設地を決定し、26年の稼働開始を目指す。
建設地は日本の北上山地(岩手、宮城県)と脊振(せふり)山地(福岡、佐賀県)、米欧露の計5地域が候補に挙がっている。しかし米国は素粒子研究での国際的な求心力低下、欧州はLHCの運用継続が優先課題といった事情があり、現段階で誘致に積極的なのは日本だけだ。
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