【北京=奥寺淳】ソウルの日本大使館に火炎瓶を投げて韓国で服役し、靖国神社への放火を供述した中国人の劉強元受刑者(38)について、中国外務省の華春瑩副報道局長は4日、同日の便で中国に帰国したことを明らかにした。
ソウル高裁が靖国放火を「政治犯罪」と認定し、劉元受刑者を日本へ引き渡さないと決めたことについて華氏は「歓迎する」と評価。帰国後の劉元受刑者の処遇についての質問には答えなかった。
中国各紙は4日、高裁決定を一斉に報じ、「政治的な大義のため犯罪に及んだ」(人民日報のウェブサイト)、「日本政府が歴史を認めないので怒っていた」(新京報)などと劉元受刑者の立場も紹介。ネット上には「英雄」「韓国には大義がある」などの書き込みも目立った。韓国各紙も「日本政府は韓国の司法の決定を尊重すべきだ」(東亜日報)など、高裁の判断を支持する論調が目立っている。