額賀氏訪韓:朴次期大統領、妥協しない姿勢を強調

毎日新聞 2013年01月05日 01時05分(最終更新 01月05日 01時36分)

 【ソウル澤田克己】額賀氏と朴槿恵氏の会談は、日韓両国の新政権発足に合わせて関係改善を図る出発点だ。ただ、朴氏側が配布した報道資料は、朴氏の「歴史を直視しながら」などといった発言に下線が引かれていた。歴史問題で妥協しない姿勢を強調したもので、関係改善が簡単ではないことを示した。

 韓国では、李明博(イ・ミョンバク)大統領が昨年8月に島根県・竹島(韓国名・独島=ドクト)に上陸したり、天皇陛下に謝罪を求める発言をしたりして日韓関係を悪化させたことには批判が強い。

 一方で、現在の韓国では「対日関係は重要とは考えられていない」(韓国の元外交官)という空気が漂う。安倍首相が自身の首相就任前にもかかわらず朴氏の当選直後に特使派遣を表明したのに、朴氏側が難色を示して日程を延期せざるをえなくなったのも、韓国側のこうした意識を反映したものだ。額賀氏と朴氏の会談を伝える韓国メディアの報道も「歴史を直視」という朴氏の発言に焦点を当てたものが多いが、関心が特別に高いわけではない。

 靖国神社への放火事件にかかわった中国人の劉強(りゅう・きょう)元受刑者(38)を日本に引き渡さないという3日のソウル高裁の決定も、こうした流れと無関係とは言えない。

 ソウルの法律事務所で働く韓国人弁護士は「敏感な事案になると、韓国の法廷は世論に逆らわないようになびく傾向がある」と話す。祖母が慰安婦で、慰安婦問題での日本政府の態度に腹を立てたのが犯行動機だと供述した劉元受刑者を、韓国で軍国主義の象徴とみられる靖国神社への放火容疑で日本に引き渡すという決定は難しい。日韓関係の重要性に関する意識は低くなっているため、日本を刺激するような決定にもそれほど抵抗はないのだ。

 さらに「(劉元受刑者を中国に引き渡せという)要求が受け入れられない場合、中国はただではおかないとの憂慮が韓国政府の内外に少なくない」(聯合ニュース)という恐怖感が、韓国では事前に語られていた。これも、高裁の決定に影響を与えた可能性がありそうだ。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

TAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

ふくしまの希望ふくらむプロジェクト

ふくしまの
希望ふくらむプロジェクト

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン