◇IWGPインターコンチネンタル
中邑がまた一つ、階段を上がった。総合格闘技の世界的ビッグネームであり、昨年秋に新日本に登場以来タッグマッチばかりとはいえ6戦無敗の桜庭を、得意のボマイェでKOした。
対戦前、中邑は相手を挑発する発言を控えてきた。格闘技界の草分けである桜庭を尊敬し、かつて桜庭が世間に対して放った「プロレスラーは本当は強いんです」という名言をアレンジして使っている。英雄を超えるのはリング上で、という思いが強かった。
桜庭の三角絞めで失神寸前まで追い込まれ、腕がらみで脱臼寸前まで絞り上げられた。だが、そこから腕ひしぎに移行するタイミングを待っていた。態勢が入れ替わったすきを見逃さず、瞬時に立ち上がった。桜庭がぼうぜんとしたところに、ボマイェを顔面に。20キロ差のある膝爆弾に、桜庭は数メートル吹っ飛ばされ、3カウントを聞くしかなかった。
試合後、中邑は「この試合はプロレス対総合格闘技だといわれたが、それは違う。プロレス対プロレスだった」と、あくまで個人の勝利であることを強調した。と同時に「この勝ちで、よく分からなかったインターコンチネンタルというベルトの価値も上がったかな」とも。中邑は棚橋やオカダとは違う方法でナンバーワンを目指そうとしている。
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