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被災3下水施設ほぼ復旧 県計画前倒し 水質、震災前水準に

 東日本大震災で被災した宮城県管理の流域下水道浄化センター3カ所の処理施設がほぼ復旧し、川に放流される水質が震災前の水準に回復したことが分かった。当初見込んだ2013年度中の復旧計画が前倒しされた。
 仙台市など3市2町を管轄する仙塩浄化センター(宮城県多賀城市)は昨年12月に入り、放流水の水質が震災後初めて、目安となる生物化学的酸素要求量(BOD)を下回った。同月20日には水質改善の過程で発生する汚泥を焼却する施設が試運転を開始。冬季に流行するノロウイルスの殺菌やコスト削減が可能になった。
 被災したガスタンクも本年度中に復旧する見通しで、センターは2013年7月の全面復旧の予定を繰り上げる。
 名取、岩沼など11市町の下水を処理する県南浄化センター(岩沼市)は、微生物を活性化させて水質を浄化する処理系統が昨年7月に全て復旧した。水質も着実に改善し、BODの基準に近づいている。自家発電施設が12月に稼働可能になったほか、汚泥の燃料化施設も本年度中に動きだす。
 石巻市と女川町を管轄する石巻東部浄化センター(石巻市)は、生物処理3系統のうち1系統が昨年9月に復活し、水質が改善。12月25日にはさらに1系統が稼働し、安定した水質を確保できる体制が整った。残る1系統も13年度内の復旧を目指す。
 宮城県内の流域下水道は7カ所のうち3カ所が被災したが、震災から2年がたつのを前に、施設の復旧にめどが立った。県下水道課は「予定より復旧を早められ、震災前の体制に戻すことができた」と説明している。


2013年01月01日火曜日


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