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【社会】

八丈島 電力8割地熱に

 東京都と八丈町は四日、東京電力が八丈島に設置している地熱発電の規模を約三倍に拡大し、島内の電力需要の約八割を供給する計画を発表した。二〇一八年度の供給開始を目指す。都によると、一つの地域の電力の大半を地熱エネルギーを含む再生可能エネルギーで賄うのは国内で例がないという。

 東電広報部は「島の地熱発電設備を更新する計画は現時点でない。都から具体的な申し出があれば対応したい」と話している。

 地熱発電はマグマで熱せられた高温の蒸気を利用する発電方法。東電は一九九九年から、島南部の中之郷地区にある発電所で二千キロワットを出力し、島内の電力需要の四分の一を賄っている。

 都の計画では、発電所の規模を三倍の六千キロワットに拡大。地熱発電で生まれた夜間の余剰電力で、川の水を高所にくみ上げ、電力需要が大きい昼間に落として発電する「揚水発電」も新設する。合わせて需要の86%を賄うことが可能になる。

 事業主体は公募し、総事業費は数十億円とみられる。都は出資せず、初期投資は国の固定価格買い取り制度を利用して回収する。

 東電や町の関係者に呼び掛けて本年度中に検討委員会を発足させ、二〇一三年度に現地調査を開始、一四年度に掘削工事や発電所整備に入りたい考え。猪瀬直樹知事はこの日の会見で「電力の地産地消が大事で、東電一本に頼らず多角化する」と説明した。

 

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