政府・自民党は31日、デフレ脱却に向けた景気刺激策を後押しするため、2013年度から財投債の発行を大幅に拡大し、大規模地震に備えた高速道路網や一般住宅の耐震化向けに融資する方針を決めた。財投債は赤字国債と違い、事業収入で回収することが前提で、政府の債務にみなされない。「列島耐震化」とともに、公共事業の推進で経済の活性化につなげる狙いだ。
列島の大動脈である首都高や東日本、中日本、西日本の高速道路などの耐震化のため、財投債で調達した資金を独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」などに融資(財政融資)する。財投債の償還や利払いは、高速道路の料金収入から得られる資金を回す。住宅の耐震化支援は、独法「住宅金融支援機構」などに財政融資を実施。個人が住宅の耐震性を高めるための補修や増改築を行う際に低利・長期で融資する。
過去にも財政融資を使った高速道路の整備や住宅取得者への融資を行っていたが、道路公団が民営化されたことや民業圧迫との指摘を受けてストップしていた。ただ、東日本大震災の経験を踏まえ、迅速に国民の生命・財産を守るためには大きな政策の転換が必要と判断した。