再現された豆腐店とAE86を前に、右から得知雅人さん、吉野桂子さんと娘の綾夏さん、横田正弘さん=吉岡町上野田の伊香保おもちゃと人形自動車博物館 |
人気漫画「頭文字(イニシャル)D」の主人公の実家のモデルとなったと言われる群馬県渋川市の豆腐店が、主人公が乗る「スプリンタートレノAE86(愛称・ハチロク)」とともに、「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」(同県吉岡町)に再現された。
「頭文字D」は、漫画家しげの秀一さんの作品で、1995年から週刊ヤングマガジンで連載が続く。自動車好きの若者たちを描き、主人公の藤原拓海は、伊香保温泉近くの豆腐店の息子という設定だ。
原作の「藤原とうふ店」のモデルと言われたのが、渋川市の中心街の一角で、藤ノ木五十吉さんと妻の美津恵さんが営んでいた「藤野屋・豆腐店」。土地区画整理事業のため、いまは壊されてしまった。
2005年の映画化の際には、豆腐店でロケもされた。藤ノ木さんの長女吉野桂子さん(44)は「(ロケ後も)全国からたくさんのファンが自分の車でやってきて、店の前で車と一緒に写真を撮っていた」と振り返る。3年前に亡くなった五十吉さんは、自分が作った豆腐が知られるようになり、ファンも食べてくれて、交流を喜んでいたという。
店の解体後、ロケで使われた「藤原とうふ店」の看板や外装、備品などは、桂子さんが沼田市の自宅に保存していた。