2013年01月03日

「アーセナルに見事なリベンジ」イングランド・プレミアリーグ サウサンプトン-アーセナル

皆さん、あけましておめでとうございます。

元旦は、何とか天皇杯決勝のエントリーを書こうと思っていたのですが、年始で飲み過ぎてあっさり値落ち(笑)。2日後ともなるといまいち試合の戦評を書こうという気が起こらず、年末正月関係なく試合をやってるプレミアリーグのほうを見てしまいました。と言うわけで、サウサンプトン対アーセナルで。

6点をぶち込まれる大敗て吉田のほろ苦デビュー戦となったアーセナルが相手のホーム戦だったが、前節は7点を取って大勝していたアーセナルを、オウンゴールによる1失点に抑えての価値あるドローで新年のスタートを飾った。

ストークとの試合では右SBでの先発だった吉田は、この試合ではCBに戻ってボランチのコークが右SBを務め、コークのポジションにはデイビスが入ることになったのだが、この布陣が結果的には非常に効果的だった。

トップ下では微妙な出来だったデイビスは、献身的な守備でバイタルエリアを埋め、コークはポドルスキを全く自由にさせなかった。ストーク戦では散々だったショーもしっかり相手を抑え、当然ながら吉田も、積極的なラインコントロールでゾーンをコンパクトに保ち、ウォルコットに飛び出させるタイミングを与えなかった。ジルーを投入して2トップにされてからは厳しい対応になる事も多かったが、最後のピンチも見事なスライディングクリアでチームを救った。明らかにデブってるボルツのプレイにはヒヤヒヤしたけど・・・(笑)

攻撃面も、パンチョンは孤立させられて相変わらずパッとしない出来ではあったが、ラミレスが左ウイングからトップ下になった事で生き返り、35分の先制点はもちろん、審判の誤審でオフサイドにさせられた勝ち越しになったはずのゴールを決めるなど、久々に活躍を見せてくれた。オウンゴールをしてしまったとは言え、左に入ったド・プラードは豊富な運動量でショーをサポートしていたのも大きかった。

まあ、勝てる試合だっただけにもったいない気持ちがあるのは事実だが、急造布陣で安定感のある試合が出来たのは、今後の残留争いを戦っていく上で明るい材料になったのも確か。吉田の評価もここに来て急上昇しているようだし、ますます後半戦が楽しみである。

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2012年12月31日

「香川いきなり先発で復帰」イングランド・プレミアリーグ マンチェスター・ユナイテッド-WBA

膝の怪我で2ヶ月ぶりの復帰を果たした香川は、ちょうどルーニーが怪我で離脱した影響でいきなりのトップ下での先発起用となったが、何とか勝利を挙げて先発としての義務を果たした。

と、結果だけで簡単に言ってしまうわけには行かないほど、やはり香川が入るとこれだけマンUのサッカーに大きな変化が起こるのだなと、改めて感じ入ってしまった内容であった。

香川がいない時のマンUは、4-4-2でとにかくサイドまで素早く大きく展開し、そこから相手のDFが守備陣系を整える前にクロスを上げてファン・ペルシやルーニーの決定力で点を決めるというサッカーで、特に運動量が落ちて守備のカバーの遅れが出始める後半からの威力は凄まじいものがあり、それでマンUはここまで結果を出して来た。

しかし早く大きいだけのサッカーにはどうしても無理があり、この試合でもWBAが高い位置から連動したプレスを見せ始めた時間帯からは、マンUがボールを持ってもすぐにプレッシャーがかかってしまい、そこで中盤でのパス交換でプレスをいなせれば相手の連動性を止められるのに、やっぱり同じペースでドカドカ蹴り合ってしまうため、結局行ったり来たりしているうちにバイタルがポッカリ空いてピンチを招く、というパターンに陥ってしまっていた。

ぶっちゃけ、4-4-2のマンUは同じタイミングで相手とよーいドンのどつき合いをしているような感じで、何度かパンチを食らっているけど最後には殴り勝ってるというだけで、サッカーとしては戦略もクソも無い状態であると言える。

ところが香川が入ると、彼にボールが入るとパス交換のワンクッションが入ったり、フェイントでプレスをいなしてからプレイをするので、そこでWBAの守備連動性を途切れさせる事が出来る。香川的には、本当ならば味方にはたいたボールをすぐにもらって次の展開へつなげるようにしたいのだろうが、ただ香川がワンクッション入れているだけでも効果が出ているのは確かで、この試合でマンUが5試合ぶりのクリーンシートを実現したのは決して偶然ではない。

あとはどうやって良いタイミングでボールをもらえるかというところだが・・・正直、その部分については悲観的にならざるを得ない。ルーニーやファン・ペルシとは同じイメージを共有できそうだが、彼らと同時出場してもダイアモンド型の4-4-2だったりするので守備負担が大きくなるし、あちらを立てればこちらが立たずである。精神衛生的には、他力本願は期待せず香川自身がトップ下のポジション以外でフィットしてくれる事を願うしか無いだろう。

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2012年12月30日

「ポゼッション合戦」天皇杯準決勝 ガンバ大阪-鹿島アントラーズ

通常、カップ戦での一発勝負の試合となると、両チーム共に先制点を奪われないよう慎重な試合運びで始まり、セットプレイやワンチャンスでの得点から大きく展開が動くのが常ではあるが、ガンバと鹿島の天皇杯準決勝は、そのパターンとはほぼ正反対の内容になってしまった。

その大きなポイントになったのが、ガンバが出場停止のレアンドロに代えて1トップで家長を起用して来た事。これは、言わば代表での本田の1トップみたいなもので、家長はほとんどスペースに飛び出す仕事をせずに中盤とのパス交換のための基点として働いていた。

彼の強靭なキープ力に鹿島の守備陣は対抗することが出来ず、全体が後ろに下げられてしまってガンバが中盤を支配し、かつて絶好調だったころの流れるようなパスワークを見せるのだが、DFラインの裏へと抜け出す攻撃がサイドアタックしかなく、たまたま遠藤のクロスが点になったとは言え、クロスを受ける真ん中の迫力不足は明白で、ガンバはポゼッションのためのポゼッションになってしまっていた。

対する鹿島は、ガンバのパスワークに対してカウンターで攻めようとするのだが、1トップの大迫にボールが入るといい形になったりはするものの、ジュニーニョ、遠藤、ドゥトラの2列目がガンバのポゼッションに押されて大迫が孤立、シュートを打ったとしてもガンバの守備が戻る前に慌てて打ったようなものばかりで、シュートの本数の割に守備を崩しきった場面は皆無であった。

そして後半になって鹿島が遠藤に代えてレナトをトップ下に入れると、まるでガンバにおける遠藤のようにポジションを自由に変えてボールをさばくようになり、今度は鹿島がガンバに対してポゼッションで上回るようになるのだが、かえって攻撃に使えるスペースと時間を無くして手詰まりになってしまう。

鹿島はその後、本田や興梠といった役割がはっきりしている選手を入れて打開しようとはしたものの、最後まで得点を挙げられずに敗退。鹿島はジョルジーニョ監督の最後を飾ることは出来なかった。

これでガンバはJ2での天皇杯優勝、ACL出場に王手となったわけだが、今野のボランチ起用で安定感は非常に増したものの、レアンドロがいないとポゼッションは出来てもレアンドロがいないと点が取れない問題は残ったままである。次の決勝は柏にもレアンドロが戻って名実ともにレアンドロダービーの対決になるが、J2とACLで勝ち抜くためには彼抜きでの形もしっかり固める必要があるだろう。

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