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間接正犯
間接正犯の正犯性
間接正犯の正犯性について以下に述べる。
まず、間接正犯とは、他人を道具として利用することによって犯罪を
実現する場合を言う。罪刑法定主義の見地からすると、現代の刑法は
正犯と共犯しか認めていないのであるから、そのどちらに解消するかが
問題として浮かび上がることとなる。
共犯か正犯かという議論の結論としては、間接正犯は正犯以外の
何かではなく、正犯の一つの形態に過ぎないとするのが今日の
通説となっている。しかし、この正犯性を認めるとしても
罪刑法定主義からの要請を正犯性の根拠を明確に示す必要が
あるはずである。
この点については、狭義の共犯にあたらない場合が間接正犯である
という見解があるが、正犯にも当たらず狭義の共犯にも当たらない
隙間が生じるのため、妥当な見解ではないと思われる。
ならば、規範的観点から、直接正犯と同視すべく本質的な
正確を有しているとする見解がある。この見解は、利用者には
主観的にも利用者が自ら犯罪を実現する意思があり、客観的にも
利用者の行為というのは利用行為の延長であり、それは単に因果の
流れに過ぎないのであるから、それ自体は正犯の理論構造を有する
ことになるという見解が妥当であろう。
(解説)
間接正犯の正犯性を論じる場合、今日の通説は実行行為説である。
実行行為説とは、規範的な観点から直接正犯に同視されるべき
本質的性格から正犯性を有するとするのである。
又、正犯とはどのようなものと解するべきかについてであるが
正犯とは、その行為から現実的危険発生を有する行為を自ら
行うものと解するべきである。
つまり、何かを利用する意思を持って現実的危険の発生を
もたらしているわけであるから、その利用行為自体には現実的
危険性を有することになると解し、そこに正犯性を肯定する
のである。
以上
次回は、間接正犯の実行の着手について述べることとする。
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