Theodore Dubois - Traite de contrepoint et de fugue
p.II
対位法とフーガの論文
第1部 単純対位法
第2部 模倣
第3部 二重、三重、四重対位法
第4部 フーガ
著 テオドール・デュボワ
コンセルヴァトワール学長
定価25フラン
p.III
目次
まえがき p.VI
第1部
単純対位法
全ての種に適用される対位法の一般原則 p.3
2声対位法
第1種 1:1 p.9
第2種 2:1 p.11
第3種 4:1 p.13
第4種 移勢 p.15
第5種 華麗対位法 p.19
3声対位法
第1種 1:1 p.22
第2種 2:1 p.25
第3種 4:1 p.27
全音符・2分音符・4分音符の混合 p.30
第4種 移勢 p.33
全音符・2分音符・移勢の混合 p.36
全音符・4分音符・移勢の混合 p.38
第5種 華麗対位法 p.40
混合 p.43
4声対位法
第1種 1:1 p.44
第2種 2:1 p.45
第3種 4:1 p.48
第4種 移勢 p.50
混合 p.53
第5種 華麗対位法(1声・2声・3声) p.55
混合 p.58
5声対位法
1:1と華麗 p.59
6声対位法
1:1と華麗 p.61
7・8声対位法
1:1と華麗 p.64
音価の選択と定旋律の選択についての注意 p.68
8声二重合唱による華麗対位法 p.69
p.IV
第2部
模倣
2声、順行による模倣 p.73
2声、反行による模倣 p.76
2声、反逆行による模倣 p.77
拡大模倣 p.78
縮小模倣 p.79
拍の強勢がズレた模倣 p.79
中断をはさんだ模倣 p.79
imitation periodique p.80
カノン的模倣 p.80
3声以上の模倣
3声、定旋律に対して2声の模倣 p.81
3声、3声によるカノン的模倣 p.83
4声、定旋律に対して2声の模倣と自由な1声によって p.83
4声、定旋律に対して3声の模倣 p.84
4声、4声によるカノン的模倣 p.84
5・6・7・8声 p.85
半音階の使用についての注意 p.88
第3部
二重、三重、四重対位法
8度による二重対位法 p.89
9度による二重対位法 p.92
10度による二重対位法 p.93
11度による二重対位法 p.93
12度による二重対位法 p.94
13度による二重対位法 p.95
14度による二重対位法 p.95
15度による二重対位法 p.96
8度による三重・四重対位法 p.97
8度による三重・四重対位法の別の方法 p.101
10度による三重・四重対位法の別の方法 p.102
12度による三重・四重対位法の別の方法 p.104
注意 p.105
p.V
第4部
フーガ
概要 p.109
いくつかの注意; 和声法 p.111
4声のフーガの一般規則 p.111
主唱 p.113
答唱 p.114
対唱 p.123
コーダ p.129
提示部
2声による提示部 p.131
3声による提示部 p.133
4声による提示部 p.135
嬉遊部
2声による嬉遊部 p.144
3声による嬉遊部 p.149
4声による嬉遊部 p.150
特定の主唱が要求する旋法の変更 p.155
追拍と保続
追拍と保続 p.158
2声の追拍 p.169
3声の追拍 p.170
4声の追拍 p.172
新しい主唱 p.184
自由な声部 p.189
上声・内声の保続 p.183
結び p.190
2声・3声のフーガでの注意 p.190
2声のフーガ p.190
3声のフーガ p.193
4声のフーガ p.196
5声のフーガ p.224
6声のフーガ p.230
7声のフーガ p.235
8声のフーガ p.241
パリ音楽院で一等賞を取った生徒のフーガ p.249
対位法の練習のためのテーマ・定旋律 p.280
フーガの主題
音楽院のコンクールのための主唱 p.290
ローマ賞の予選のための主唱 p.296
この本の著者によってつくられた主唱 p.302
さまざまな主唱 p.305
p.VI
対位法とフーガの扱い
導入
この本の出版は余計だと思われた。しかし教授経験が逆のことを私に示していた。
確かに、今ある本は生徒をしばしば挫けさせたり混乱させたりするのである。
それは教育的な規則がないことによって、またテキストの例がおかしいことによって。
だから私は(立派な生徒を育てた)過去の熟達者の健康的で美しいコラールの伝統にモデルとした本を作る。
同時に時代の芸術を先導する者によく受け入れられ役に立つかもしれない。
それがこの本を出版する目的である。
学習の目的は厳格様式の対位法の普及。あらゆる形式の書法の補助をしながら。
厳格なフーガの実施からだんだん自由に、すべての美しい作曲の建築スタイルへ。
模倣の型や類的転回可能対位法は聞くに堪えない、音楽の発展とはとても感じないと思うかもしれない。
これらはコンビネーションの興味だけで耳は完全に無関係なもの。(?:そうなると私の論は意味がなくなる。)
耳が敏感な、才能ある音楽家はこういう科学的な作曲プロセスは使わない。
効果が分かりやすく、かつ扱う主題に沿っていない限りは。
どのような形式であろうとも対位法はいろんな面で、
単に音のコンビネーションというだけでなく、音楽である。
美しいメロディーのための・別パートをシンプルにするための・アンサンブルの美しい配置のための
厳格なルールはときどき解放される。
芸術を極めようとする若い音楽家にとって対位法の学習はその最も優れた訓練だと心に留めておく必要はない。
実践に勝る学習など存在しない。栄養豊富な糧を提供する作者を見分けるのは難しくない。
彼らの作品を読めばそのことが十分に証明されている。
さらに、ハーモニーの学習を真剣にした生徒はやすやすと対位法を書かねばならない。
なぜなら???
よくわかるように例を入れたつもり。
でもページ量増やさないよう全部のコンビネーションに例があるわけじゃない。
生徒がそれらを扱うのに困らないように同じ主唱で3つ4つ違う対位法示してる。
確かにドイツでは和声の学習が初歩で、つまり和音の簡単な知識に基づいて連結。
それらは対位法の学習の補助になる。フランスでは和声は深くやるので現代的な対位法まで扱える。
厳しい書法はいろんな形で音楽を書くための柔軟性を得るため。
(やりかけ)
p.3
単純対位法
全部の種に適用される規則
生徒は和声を勉強し既に書法を身に着けていなければならない。
和声のように、対位法は同時に音をまとめる技法だ。
和声が様式やら転調やら和音使用やらおよそ考えられる音楽製作に適用されるのに対し、
対位法はもっと狭い範囲で(それでも非常に多いけど)限られていて、ルールはもっと厳しい。
導入で記したように、この目的は生徒に古い作曲家の厳格なスタイルを教えるため、
それぞれの声部がいつも独立するようなエレガントな設計とメロディラインのセンスを与えるため。
従ってこの技術をフーガ(若い音楽家のクラシック研究の最終目標)の実施へと極めて行くに従って
規則は緩められる。
和声と対位法についての一般規則は繰り返し記さない。対位法に最も重要で特に関連したことを書く。
使われる和音
1. 使われる和音は以下のみ。;長三和音、短三和音、それらの第1転回形、
減三和音の第1転回形、予備と解決を伴った7度和音とその転回形
(2転を除く。バスとの間に完全4度ができるため)
(ある種のセブンスコードは減三和音だけど、この音程の荒さは7度によって補正される。
不便を感じることなく使ってよろしい。)
メロディーの動き
2. 長短2度、長短3度、完全4・5度、短6度、8度のみ使う。長6度は7・8声のみ。
半音的音程
3. 半音的音程は厳格対位法では禁止される。
三全音
4. 長短両調V-IVの連結で、上声で導音が主音へ上行する場合、両外声での三全音の対斜は避けられる。
避けよ 許される
また長調III-IVの連結も両外声での三全音の対斜は避けられる。
これら2つの和音連結はいかなる条件でも実施を控えなければならない。
p.4
次に示された連結は実行可能である。特に導音シが主音に上がる場合は。
しかし最初の和音に戻るのは完全に避けるべきだ。
パレストリーナ様式の作中ではこれらの両外声対斜に頻繁に出くわすことを記さねばなるまい。
このとりわけ厳格なキャラクターと少し荒いラインはその時代の書法である。
今日においてはこれらのアイデアは正当化されないけどね。
和声外音
経過音と刺繍音のみが対位法においては許される装飾である。
5度8度の連続
6. 和声と同様、5度の連続・8度の連続は、並行であっても反行であっても、常に禁じられる。
隔てられた5度連続・8度連続はそれぞれの種に応じて特別に規則が設けられる。
次のようなものも避けるべきだ。声部をまたいでも5度・8度の印象は同じ性質だ。
避けろ
この作法は5声以上なら認められる。しかし外声間は一回でもダメ。
5度8度並達
7. 5度8度並達は外声間では決して許されない。
内声間においては和声と同じルールに従う必要がある。とても困難な種や許可がない限りは。
(適宜指定されるだろう。)
p.5
パレストリーナ様式の素晴らしい作品は我々に上記のことを話しかける。
前述したことは全体的な効果を及ぼさないと。
それはいまや我々が不注意だと考えるところのもの。
過去の偉大な美しい作品を見て驚かないように、生徒は以下を知る必要がある。
まがい物の仕事をしたくないのであれば、読むだけでなく、自分自身でそれを実践しなければならないということ。
注目:和声同様、和音の配置や状態を変えるだけでは5度8度の禁忌を回避しえない。
悪い
しかしもし違う和音で隔てられたならこの5度8度の禁則はもはやない。
とてもよい
p.6
転調
8. 近親調のみ
進行
9. 8声の二重合唱になるまでは反復進行は避けるべき。
移高
10. 与えられた主唱は歌唱の普通の音域を保つために移高可能。
範囲
11. できる限り11度を超えないように。
旋律の形
12. 可能な限り旋律的な対位法を作るべきだ。そのため順次進行を多く使おう。
同じ方向の2つの跳躍からなっている7度・9度は禁止される。特に2分音符以下の短い音価で。
避けろ
困難な場合には(特に短7度において)音価が長いなら許される。とりわけ外声において。
許される
メロディーの端が増4度・増5度になるような同方向への進行は、
上行音型の最後が半音進む、または下行音型の最後が1音下降するのでない限り、避けられる。
避けろ
避けろ 良い
良い まれ
アルペジオ
13. アルペジオは、特に同一和音内のものは、避けるべき。
p.7
異なる和音にまたがるものについてはその困難はない。
しかし各声部で調の食い違いが出るような次のような形は避けろ。
良い 避けろ
導音
14. 導音の重複は対位法においては旋律をよくするためよく実施される。
導音は、種に課される音価によってはしばしば主音への上行ができない。
ユニゾン
15. 4声になるまでは、ユニゾンがある小節が1度もないように。でなければ最初か最後に。
交叉
16. 交叉は最初と最後の小節以外で認められている。しかしそれらは短い時間で控え目の使用でなくてはならない。
和声的動き
17. 並行よりも反行・斜行が好ましい。
4度6度
18. 46の和音の印象を与えるあらゆる連結を避けろ。
音の反復
19. 2分音符以下の反復は禁じられる。全音符以上の反復のみが使用される。
1小節に2つの和音
20. 全音符の種(1:1)を除いて、1小節に2つの和音を置くことができる。
ただし最初の小節はダメ。
和声外音との出会い
21. 一般的に、少なくとも2分音符以上では、
経過音・刺繍音と短2度をなすような、実際音との接触は避けられる。
9度の隔たりではこの不便はない。
2分音符では避けられる 4分音符では許される 9度の隔たりなら害なし
p.8
音型の複製
22. 同じ旋律パターンを繰り返したり定型を何度も出現させるのは退屈なので避けよ。
同じパターンの複製は対位法を平凡で単調にする。
2分音符において、同じ刺繍音を使って同じ音に3回戻るのも避けよ。
避けよ
4分音符では、同じ小節で同じ音型を2回出すのを避けよ。
避けよ
違う小節なら、単調さはなくなる。次の形は十分許される。
良い 良い
ある小節から次の小節へ4分音符のパッセージ
23. 4分音符において、ある小節から次の小節へ
連続した上行・下行を形作るような3度跳躍はできる限り避けよ。
最終小節の前の和声
24. 定旋律がバスでないなら、最終小節の前はドミナントでないといけない。
与えられる主唱
25. 対位法の実施は全音符からなる定旋律によって行われる。
これらは巻末にある。
また適当な量のケルビーニやバザンも扱っている。
課題のテーマとして選択せよ。
p.9
2声の対位法
第1種 1:1
1. 対位法は定旋律と呼ばれる全音符のメロディーによって行われる。
2. 開始小節は完全協和音程(5・8・ユニゾン)で、最終小節は8度かユニゾン。
3. 2声では和声があまりにも不完全にならないように、頻繁な5度8度は避けよ
4. 4回以上の連続3度・連続6度を避けろ。
5. ユニゾンは開始小節・最終小節以外では使わない。
6. あらゆる不協和音程は避けられる。3・5・6・8度とそれらの複音程のみが使われる。
7. 定旋律の最後2小節はたいてい上主音-主音となっている。
もし定旋律が下声部ならば、最終小節の1つ前は長6度がつく。
反対に、定旋律が上声部なら、最終小節の1つ前は短3度がつく。
終止が似通ってしまうのを避けるために、最終小節の1つ前は5度であってもよい。
8. 2声の和声は貧弱であいまいになりがちなので、完全で正確な和声が伝わるように音程を選ばなければならない。
9. 同じ音が連続してはいけない。
p.10
課題
定旋律を下に置く場合は3パターンある。上に置く場合も3パターンある。合計で6つ。
課題が簡単に自然にできるようになるまでは、このやり方で長短両調で練習してみなさい。
声部選択は自由であって特にルールはない。
が生徒諸君はあんまり離れた声部を使わないほうがいいかもしれん。
与えられた定旋律は移高しても差し支えないことを思い出しなさい。
この種の対位法の完全な例
p.11
2声の対位法
第2種 2:1
1. この種は定旋律と2分音符による1声を合わせる。
2. 開始小節は2分休符-2分音符、5度か8度かユニゾン。最終小節は8度かユニゾン。
以下は最終小節の1つ前における形。
終止が似通ってしまうのを避けるために、定旋律が下の場合に例外的にシンコペーションを使ってもよい。
3. 強拍は常に協和音程。弱拍は協和音程か経過音による不協和音程。
4. 実際音間の5度8度連続は2分音符2つぶん隔てられていれば問題ない。
5. 5度は以下の場合には2分音符1つの隔たりでも問題ない。
1. 2つ目が弱拍の経過音である場合
2. 両方とも経過音である場合
3. 片方が減5度である場合
4. 弱拍の反行による場合
6. 次の関係(短調での三全音)は一般原則で述べた長調のIV-IIIと全く関係ない。
良い
なので怖れることなく使ってよろしい。
7. ユニゾンは弱拍で許される。
p.12
課題
第1種と同様、定旋律が下の場合3つと上の場合3つの6つの組み合わせがある。
その他の指示も第1種同様。
いくつかの組み合わせの例
(1)これは上声部が2つの動きからなる9度の渡りだが、
9度をつくる音程の片方が8度下行でその後に上行が続いていることに注目。
次のようにまとめることができる:
8度下行+2度下行(もしくは反対の順序)で9度を作ったら、次は上行する。
8度上行+2度上行(もしくは反対の順序)して9度を作ったら、次は下行する。
p.13
2声の対位法
第3種 4:1
1. この種は定旋律と4分音符による1声を合わせる。
2. 開始小節は4分休符-3つの4分音符、5度か8度かユニゾン。最終小節は8度かユニゾン。
最終小節の1つ前におけるいくつかの公式
3. この種では短6度の動きは同一小節内・同一和音内でのみ使われる。
4. それぞれの小節の最初の音は協和音でなければならない。
それ以外は協和音か経過音・刺繍音による不協和音。
5. 5度8度の実際音は4つの4分音符で隔てられていなければならない。
反行によるもので、2つ目が小節の頭で鳴らないならば、
4分音符1つ離れていれば十分だ。
良い 避けよ 良い
2つの虚音もしくは前者が実際音で後者が虚音の関係では、
5度なら1つ以上の4分音符で隔てられていれば問題ない。
2つの虚音、良い 前者が実際音で後者が虚音、良い
p.14
前者が虚音で後者が実際音の場合にも同じ規則が適用される。
ただし、この場合には実際音は発音の前後で順次進行をしていなければならない、
つまり経過音・刺繍音の性格を持っていなければならない。
前者が虚音で後者が実際音、順次進行による、良い 後者の実際音が順次進行しない、避けよ
いかなる場合でも2つ目の5度は小節の頭で鳴らしてはいけない。
同様に両方が弱拍の場合でも許されない。
2つ目の5度が1拍目、悪い 5度が両方弱拍、悪い
2つの5度のうち片方が減音程ならば1つ以上の4分音符で隔てられていれば問題ない。
しかし2つ目が小節の頭ではダメ。
良い 悪い
6. 4つの4分音符が2つの異なる和音を表しているなら、和音を2つの4分音符ずつに分割したほうがいい。
最終小節の1つ前は1つの和音を表さなければならない。
7. ユニゾンは許される。ただし小節の頭はダメ。
ユニゾンは短2度の接触を避けて導くこと。
避けよ
ただしユニゾンから去る場合は同じ接触でも可能である。
良い
8. ユニゾンでの刺繍音は決して行わないこと。
避けよ
9. 次の形は同音連打の印象を与えずに同じ音に戻ることができる。ただし弱拍で行う。
実施可能
10. 経過音と上向きの刺繍音は転調を起こさずに変化させることができない。
ただし下向きの刺繍音は調性を壊さない。
p.15
課題
以前の種と同様の作法で実施せよ。
いくつかの組み合わせの例
p.16
2声の対位法
第4種 移勢
1. この種は定旋律と弱拍と次小節の強拍で移勢される1声を合わせる。
2. 開始小節は2分休符で開始される。開始は完全協和音程(5度か8度かユニゾン)で。最終小節は8度かユニゾン。
もし定旋律が許すなら、最終小節の1つ前は常に移勢不協和音を含んでいなければならない。
3. 移勢は不協和音であってもそうでなくてもよい - 不協和であったほうがより好ましいが - 。
協和音の場合には順次進行しなくてもよい。
4. 不協和音は2度4度が3度への遅れ、7度は6度への遅れ、9度が8度への遅れとして使われる。
それらは1音下行で解決される。
移勢が下声部の場合、移勢の中断を避けるために、4度を5度の遅れとして使える。
しかし2声の運用では和声が貧弱になるため控え目にすること。
増2度の不協和が短調では実施可能。
5. 弱拍間の5度連続・8度連続は禁じられる。
強拍間のそれらは許されている。ただし8度は貧弱な効果を生むため、5度に比べて悪い。
貧弱 とても良い
反行ならば弱拍間の5度は許される。

許容
次の進行:

避けろ は6度が遅れた5度に聞こえ、2つの5度の印象があり避けねばならない。
p.17
しかしこの効果が下声部で起こるならば、2つの和音という感じがして5度の印象はなくなる。
良い
ユニゾンへの規則は以前同様。つまり弱拍では許されるが強拍では禁じられる。
6. 移勢は2分休符か2分音符で中断できる。2分音符の方が望ましい。
しかし移勢の中断は、中断しない方向で万策尽きた場合のみにすること。
どのような場合でもこの手順は出来るだけ使わないこと。
7. 移勢の遵守のため、3連続以上の3度、3連続以上の6度を作らざるを得ない場合がある。
8. 移勢した音を反復しないこと。
9. 三全音の対斜のきつさ:

は移勢ではかなり消える。
十分実施可能
10. 別の和音で隔てられていない5度と8度について、
実施が正しいかどうか確かめるには移勢を削除してみなさい。
次のパッセージ:
の移勢の継続は良い。もし中断されていたら
なぜなら第1例では移勢を取り除くと次を得る:
第2例では:
11. 5度8度並達の誤りは移勢では起こらない。
次のパッセージと似たようなものはとても良い。
課題
以前と同様、定旋律が下声部で3パターン、上声部で3パターン実施しなさい。
p.18
いくつかの組み合わせ例
p.19
2声の対位法
第5種 華麗
1. この種ではこれまでの種(第1種を除く)に8分音符と付点音符を加えたものを組み合わせる。
2. 8分音符は常に順次進行。ただし8分音符の前は跳躍でよい。
1小節に3つ以上の8分音符を置かないこと。そして必ず副拍に置くこと。
良い 避けよ
同一小節に4つの8分音符を使う場合もある。
その場合は次のように分け、連続しないこと。
許される 悪い
どんな場合でも8分音符の使用には慎重であること。
厳格なキャラクターを持った対位法を作りたいなら。
3. 2声では付点音符はある小節から次へのところで一般的だ。
タイによって移勢される形で書かれる。
とても良い 2声では避けよ
昔の作曲者が書いた次のようなものは今日では一般的ではない。
4. 次の2つの変化は5度8度の誤りとはみなされない。
5. 開始小節は次のように始まる。
1. 2分休符と2分音符
2. 2分休符と移勢された2分音符
3. 4分休符と3つの4分音符
4. 4分休符と4分音符と移勢された2分音符
p.20
6. 1小節内に4分音符2つに2分音符のリズムは変な効果を生む。
十分な慎重さなしに使わないこと。
2分音符が移勢される場合には同じリズムでも逆に優れている。 優れている
7. 掛留の解決は小節の弱拍で行う。次の2例に違いはない。
良い
次のように掛留の長さを減らすのはいかなる場合でも許されない。
悪い
掛留の予備は4分音符ではなく2分音符で行う。 悪い
掛留の解決はさまざまな形がありうる。
シンプルに実際音を出すもの、あるいは実際音を出す前に変化するもの。
シンプルに解決 あまり使われない 変化付きの解決
7.2 例外的に、移勢された音がバスと短7度を成している場合のみ、次の小節で解決できる。
この場合、上向きの刺繍音でなくてはいけない。
8. 次の公式はよく使われる。
この4度6度の結果は重要ではない。音の短さとその位置によって。
この公式は第3種で既に議論された
9. 規則はそれぞれ使う種のものが適用される。
10. これまでの種と同様、声部の交叉を使うことができる。ただし例外的に。
11. 終止はいつでも(定旋律がそれを許すなら)主音-導音の移勢であること。
12. ある小節で2分音符+4分音符2つの音型は、1つ目の4分音符は経過音・刺繍音でありうる。
p.21
13. 華麗対位法はメロディックで華麗で厳格でなくてはならない。
(?:うまく組み合わせろ。頭使え。)
14. 3小節以上にわたって同じ音価同じ音型を使わないこと。
課題
以前と同様、定旋律が下声部で3パターン、上声部で3パターン実施しなさい。
いくつかの組み合わせ例
(1) 4分音符において8度の跳躍で回帰する音型は控えめに使うこと。
p.22
3声の対位法
第1種 1:1
1. この対位法は定旋律と2声の全音符パートを組み合わせる。
2. 開始小節の和声は完全・不完全どちらでもありうる。
終わりにも同様で、しばしば3度を含まない。
最終小節の1つ前は完全な和声でないといけない。
3. 第1転回和音の最も良い重複は根音である。しかし第3音も、それがバスであっても、重複可能。
4. 各声部をよく歌わせるために、和音の構成音を完全に鳴らさないこともある。
これによってより変化・華麗さが生まれるだろう。
5. 5度8度並達は外声間では決して許されない。
他の声部との間に関しては和声における同様の規則に従う。
6. 2声で同時に音を反復してはいけない。
7. 3声の対位法からは、上声部はもはや主音で終わる必要はない。
8. 2つの上声部はユニゾン・3度・5度・8度で始まる。
最終小節も同じ条件で終わる。
9. 声部間で広く動きすぎることがないようにすること。
密集配置は響きの観点から常に良い結果をもたらす。
10. 3度・6度の連続を扱う別のルール(それらの連続など)は、2声の同じ種を参照せよ。
もし3度6度が同時に連続させる場合3つ以上連続させてはいけない。
避けろ
課題
定旋律の置く声部ごとに3パターンあるので全部で9パターンある。
課題が簡単に自然にできるようになるまでは、
長短両調でいくつかの定旋律でそのように実施しなさい。
p.23
長調での3つの組み合わせ
短調での3つの組み合わせ
この種の対位法の9つの組み合わせの完全な例
p.24
p.25
3声の対位法
第2種 2:1
1. この対位法は定旋律と1声の全音符パートと1声の2分音符パートを組み合わせる。
2声の場合と同様の規則に従う。以下のことを除いて。
2. 2分音符の反復は常に禁じられる。
ただしこの反復は、終止に関して困難があるならば、最終小節の1つ前と最終小節では可能。
3. また終止に際してのみ移勢の使用が可能。
4. 終止に際して、上声部がダイアトニックで半音の上行をするなら、
たとえ外声間であっても、8度の並達は許される。
5. 開始小節で、種を特徴づける声部(つまり2分音符の声部)は
ユニゾン・5度・8度で始めるという規則に従う。
終止には特に規則はない。
6. 対位旋律がバスのとき、速やかに主音で始めなくてはならない。
課題
2分音符の声部の交換があるので、それぞれの声部の定旋律に対し6つの組み合わせがある。
この種の対位法に対する完全な例
p.26
p.27
3声の対位法
第3種 4:1
1. この対位法は定旋律と1声の全音符パートと1声の4分音符パートを組み合わせる。
2声の場合と同様の規則に従う。以下のことを除いて。
2. 後者が減音程の2つの5度、1つの4分音符で隔てられていれば、上声部2声間では許される。
小節の頭に置かれている場合、減5度はここでは経過音の役割をしない。
良い 良い
しかし前者が減5度の場合、少なくとも1つの4分音符で隔てられ、かつ
後者は小節の頭であってはいけない。
良い 避けよ
課題
4分音符の声部の交換があるので、それぞれの声部の定旋律に対し6つの組み合わせがある。
いくつかの組み合わせの例
p.28
この種の対位法に対する完全な例
p.30
3声の対位法
全音符・2分音符・4分音符の混合
1. この対位法は定旋律と1声の2分音符パートと1声の4分音符パートを組み合わせる。
2. これまでの規則は依然有効である。
しかし混合では1小節に2つの和音を頻繁におくことができるなどのように、
もう一度規則を立てなおす必要がある。
和声同様、和音交替で隔てられていれば5度8度の誤りは、もはやない。
3. 反行による強拍の5度は許される。ただし両外声間でないこと。
許される 許される 禁じられる
4. 定旋律に対して、それぞれの声部は決められた規則に従わなければならない。
しかし2分音符の声部と4分音符の声部との間は
もしそれらの声部が順次進行で反行しているか、少なくとも4分音符の声部が順次進行しているなら
不協和音の出会いや接触が起こってもよい。
良い
これらの出会いは並行でも起こりうる。
1. 4分音符の刺繍音。もしくはアルペジオによる4分音符の回帰と反行。
2. 不協和音を形成する音の両方が経過音で順次進行する。
4分音符の刺繍音 アルペジオによる4分音符の回帰と反行 アルペジオによる4分音符の回帰と並行 順次進行
良い 良い 悪い 良い
p.31
前述の7度と9度は、状況によっては十分実施可能だったが、
転回すると2度の接触により許されない。
悪い
(?:前に観察したように2分音符と4分音符の接触は問題ではない。
2つの音が7度を成した後すぐ4分音符の声部が跳躍進行しているが、次の例は優れている。)
良い
5. 同様に、和音交替(小節内の)は和声外音を起こしうる。
もし2声が順次進行で反行するか、少なくとも2声が反行して4分音符の声部が順次進行するなら。
良い、反行 || 良い、反行 || 悪い、並行
6. 一般規則7番の注意はこうだ。
和声法と同様、和音の配置や条件を変えても5度8度の誤りは消えない。
しかし、困難が多大であるとき、特に混合において、
これらの誤りが1小節によって隔てられるならば、この規則を緩めることができる。
良い
7. 開始小節の配置に際して、2分音符の声部と4分音符の声部が2度で接触するのを避けよ。
この接触は9度(長い9度も)であれば許される。
避けよ 十分許される
課題
2分音符と4分音符の声部の交換があるので、それぞれの声部の定旋律に対し6つの組み合わせがある。
組み合わせの1例
p.32
この種の対位法に対する完全な例
(1)この2つの7度は優れている。1つは刺繍音の結果、1つは経過音。
p.33
3声の対位法
第4種 移勢
1. この対位法は定旋律と1声の全音符パートと1声の移勢パートを組み合わせる。
2. 移勢によって準備された減三和音は使われる。
3. 定旋律が上声部かつ移勢が2番目の声部であるときは
最終小節で8度並達が外声間で許される。
ユニゾンは下2声では避けられる。
許される ユニゾンは避ける || ユニゾンは禁じられる ||
4. 次の和声は、古くはあまり使われなかったが、使うことができる。
(訳注:I^1 - VII^1 - I?)
5. 第1転回形において4度で3度の遅延をすると、掛留の不協和にはならないが、
しかしながら移勢の中断を避けるためにそれを使うことができる。
p.34
6. 第2転回形は終止に際して4度の準備をすれば使える。
ただし次のような形で掛留したときのみ。
7. 移勢の使用だけでも難しいにもかかわらず、
我々は、全音符の2声において4回連続3度を作らないように気をつける必要がある。
8. 長調のIIIとVIIで第一転回形でバスを重複するような掛留の形の使用は控え目にすること。
貧弱
9. 移勢種では、8度・5度・ユニゾンで始めなければならないという規則から解放される。
10. 2声におけるこの種の他の規則は依然として有効。
課題
移勢の声部の交換があるので、それぞれの声部に定旋律が2回置けるため、1つの定旋律で6つの組み合わせがある。
この種の対位法に対する完全な例
p.35
p.36
3声の対位法
全音符・2分音符・移勢の混合
1. この対位法は定旋律と1声の2分音符パートと1声の移勢パートを組み合わせる。
2. この混合では、移勢声部で使われる2度・7度・9度の不協和は
しばしば別の和音で解決する。
(1) この種ではこの下2声での並達5度は許される。困難があるならこの規則は緩めて良い。
3. 7度和音(基本形)・その第1転回形と第3転回形はよく使われる。
4. これまでの規則は依然有効である。
課題
2分音符声部と移勢声部の交換があるので、
それぞれの声部に定旋律が2回置けるため、1つの定旋律で6つの組み合わせがある。
組み合わせの1例
p.37
この種の対位法に対する完全な例
p.38
3声の対位法
全音符・4分音符・移勢の混合
1. この対位法は定旋律と1声の4分音符パートと1声の移勢パートを組み合わせる。
2. 既に見てきたように、困難があれば、5度8度の誤りの規則の厳しさはわずかに緩められる。
この種の混合では、4分音符と全音符間の5度8度は、2・3の4分音符によって隔てられれば、
許される。ただし、ある小節の1番目か2番目の4分音符と次の小節の1番目の4分音符が、
この5度8度を成す場合を除いて。
3. これまでの他の規則は依然有効。
課題
4分音符声部と移勢声部の交換があるので、
それぞれの声部に定旋律が2回置けるため、1つの定旋律で6つの組み合わせがある。
組み合わせのいくつかの例
(1) ここに見られる困難は、1小節で2つの和音になっている。
またアルトは3度で開始されている。この種の難しさと旋律の美しさがこれを許している。
(2) この場合のようにオクターブ違った音で解決し、声部が順次進行で反行するならば、この実施は許される。
(訳注:ミ-レの掛留がバスで先に解決されてるところの話か?)
ただし非常に例外的である。
p.39
この種の対位法に対する完全な例
p.40
3声の対位法
第5種 華麗
1. この種は3つの方法がある。
1. 2つの全音符声部と1つの華麗声部
2. 1つの全音符声部・1つの2分音符声部・1つの華麗声部の混合
3. 1つの全音符声部と2つの華麗声部
2. 華麗声部が1つだけのときは、他の全音符声部では4回連続3度・4回連続6度を使ってはいけない。
もし華麗声部が2つなら、これら2声部は4回連続3度・4回連続6度を使ってはいけない。
3. 2番目と3番目の方法で実施する場合、付点2分音符を使ってよい。
4. 8分音符には非常に厳格でなくてはいけない。1小節に同じ声部に3つ以上置いてはいけない。
以前見たように、副拍で使わなければならない。
厳格で優れている 8分音符が多いのでやや劣る
5. 華麗対位法の2声は全て開始小節で導入できる。
しかし最初の2小節で順番に導入する方がよりエレガントである。
この場合、2小節目で導入する声部は指定の音度に従う必要はない。
良い 最良
6. 華麗声部が2声のとき、片方は全音符を使える。
ただし連続した2小節で使わないこと。
良い 避けよ
7. 5度8度並達の完全な修正のために、これまでの規則が適用される。
しかし困難なパッセージや外声間以外の声部であれば、片方が順次進行で到着していれば許される。
8. 2つの4分音符+移勢されていない2分音符のリズムは、
もし他の声部で小節の4つ目の4分音符が打たれていたら、なんの問題にもならない。
9. 他の規則は依然有効である。使われる種に応じて。
課題
華麗声部が1つだけ、また全音符・2分音符・華麗の混合の場合、
それぞれの声部に定旋律が2回置けるため、1つの定旋律で6つの組み合わせがある。
華麗声部が2声の場合、それぞれの声部に定旋律が1回だけ置けるため、
1つの定旋律で3つの組み合わせがある。
組み合わせのいくつかの例
p.42
1番目の方法の完全な例
2番目の方法のいくつかの組み合わせの例
(1) 2声の華麗対位法の7.2を参照しなさい
p.43
3番目の方法の完全な例
混合
華麗対位法を2分音符・4分音符・移勢と混合できる。次のような混合がある。
- 全音符 + 4分音符 + 華麗
- 全音符 + 移勢 + 華麗
生徒はこれらの違った混合で実施できる。以前より困難はない。
p.44
4声の対位法
第1種 1:1
3声のための対位法の原則は4声でも依然有効である。
実施のために、テノールとバス間にユニゾンが控え目に許される。
課題
それぞれの声部に定旋律が1回置けるため、1つの定旋律で4つの組み合わせがある。
生徒は課題が簡単に自然にこなせるようになるまでは
長短両調ですべての種で実施しなさい。
この種の対位法に対する完全な例
p.45
4声の対位法
第2種 2:1
3声の同種のための規則はガイドとして役立つだろう。
課題
2分音符声部の交換があるので、
それぞれの声部に定旋律が3回置けるため、1つの定旋律で12の組み合わせがある。
例
(1) 4声の対位法から、4回連続3度を禁じる規則は、メロディーラインをよくするために、緩められる。
p.46
(1) この小節ではソ・ファのシャープを使うことができる。次のような短音階を形作る。
バッハによってよく使われた。
p.47
(1) 下声部がユニゾンでも5度でも8度でもなく3度である。
この配置は実施可能、そうでないと困難があるので。
確かに、次の配置は全て正しくない。
(2) 順次進行による実施によりこの和音の使用が許される。バッハによってよく使われた。
p.48
4声の対位法
第3種 4:1
3声の同種の対位法のための規則はここでも依然有効である。
課題
4分音符声部の交換があるので、
それぞれの声部に定旋律が3回置けるため、1つの定旋律で12の組み合わせがある。
いくつかの組み合わせの例
p.49
p.50
4声の対位法
第4種 移勢
1. 和音の完全に努めなければならない。
しかし重大な誤りを避けるために、また他の手段がないときに、
例外的に不完全和音を書くことができる。
2. 困難な場合、移勢と同時に、全音符の声部は同一小節で2つの2分音符を聞かせて良い。
不協和な和音を同時に使用する例
3. バスの掛留の結果であれば減三和音が使われることを思い出せ。
4. 同じ種の3声のための規則は依然有効。
課題
移勢声部の交換があるので、
それぞれの声部に定旋律が3回置けるため、1つの定旋律で12の組み合わせがある。
いくつかの組み合わせの例
p.51
p.52
p.53
4声の対位法
混合
混合にはいろいろな種類がある
・全音符、2分音符、4分音符
・全音符、2分音符、移勢
・全音符、4分音符、移勢
・全音符、2分音符、4分音符、移勢
以下の規則を観察するのは、このうち最後のものだけ実習すれば十分だ。
1. 4分音符と2分音符と移勢の混合は1小節に2つの和音を頻繁に置いてよい。
2. もし5度8度が違う和音によって隔てられたなら、誤りはもはやない。
3. 2つか3つの4分音符が5度と8度の保護に十分。
しかし2つめの5度8度は小節の頭であってはいけない。
4. 他の規則は依然有効。
5. 声部の導入は順番にできるだけ多く。
課題
種の交換があるので、
それぞれの声部に定旋律が1回置けるため、1つの定旋律で4つの組み合わせがある。
p.54
組み合わせの1例
この種の対位法に対する完全な例
(1) この種の困難さにより、並達で不協和の解決を重複すること(2分音符では誤りだが)は
基本的な音は7度の音で4分音符の反行で隔てられているためにここでは許される。
悪い ありうる
p.55
4声の対位法
第5種 華麗 - 1・2・3声
1. 3声の同様の種に課されていたこれまでのすべての規則はこの種でも有効。
少なくとも2つの華麗声部では、全音符が頻繁に使えることを思い出せ。
また2つの動く声部は、両方が順次進行ならば、不協和で接触できることを思い出せ。
良い
課題
華麗声部が1つおよび2つの場合は、
種の交換があるので、
それぞれの声部に定旋律が3回置けるため、1つの定旋律で12の組み合わせがある。
華麗声部が3つの場合は、
それぞれの声部に定旋律が1回置けるため、1つの定旋律で4つの組み合わせがある。
華麗声部が1声の場合の4つの組み合わせ例
p.56
華麗声部が2声の場合の4つの組み合わせ例
p.57
華麗声部が3声の場合の完全な例
p.58
生徒は長い間これら4声華麗対位法の違った種(最後のものを含め)を実習するべきだ。
でなければ3声華麗対位法。
この種では、シンプルで純粋で美しい旋律線とポリフォニックな興趣をどの声部にも持たせなければならない。
どの課題も手抜きしなければ、これほどフーガ学習への準備に良いものはない。
重きを置きすぎるに越したことはない。
混合
華麗との混合はいろいろな組み合わせが可能。
・全音符、華麗、2分音符、4分音符
・全音符、華麗、2分音符、移勢
・全音符、華麗、4分音符、移勢
生徒はこれら異なる混合を実習するだろう。
困難は前に比べ減っているはずだ。
p.59
5声対位法
1:1と華麗
1. 4声での同様の規則は依然有効。ただし次の緩和を加える。
2. 全音符の種では、同音連続が2回許される、つまり同じ音が3回聞かれる。
3. 2つか3つの4分音符、もしくはそれと堂々の長さは、5度8度の保護に十分だ。
しかし2つ目の5度8度は強拍で出てはいけない。
4. 開始小節を除いて、交叉はどこでも(最終小節でも)許される。
5. 華麗対位法では全音符を書けることを思い出せ。
しかしそうできるときはいつでも、同じ声部で全音符を連続で3つ以上書かないこと。
6. これらの華麗種の緩和は、ある小節に声部がある数に達した場合のみ有効である。
このことは6・7・8声の対位法にも適用されることを確認せよ。
課題
5・6・7・8声のすべての対位法は、定旋律をバスに1回、真ん中に1回、上声部に1回置く。
2つの種のみが使われる: 全ての声部が全音符、もしくは定旋律を除く全ての声部が華麗。
1:1の完全な例
p.60
華麗の完全な例
p.61
6声対位法
1:1と華麗
1. 5声と同様の規則。ただし次の規則を追加。
2. 反行では、8度と5度が強拍でも弱拍でも外声部間以外ならばゆるされる。
3. 2つの5度は後者が減5度ならば許される。
4. ユニゾンは反行か斜行で達せられるなら許される。
5. 外声間の5度8度並達は依然前述の規則に従う。
他の声部間であればどの音程も許されている、順次進行であろうとなかろうと。
1:1の完全な例
p.62
華麗の2例
p.63
華麗の完全な例
(1) 華麗での声部導入は、開始小節以外のどの小節でも、
もしこの声部が直ちに8度の跳躍するならば、4分音符で交叉が実施可能。
p.64
7・8声対位法
1:1と華麗
1. 6声と同様の規則。ただし次の例外を追加。
2. 反行での5度8度があらゆる声部間で許される。
3. 上声部が順次進行でかつ和音が良い音度の上に立ってるなら、
5度並達は外声間でも許される。
4. 8度並達は、終止に際して、主和音の上で、
(?:それぞれ)上行・下行するなら、外声間でも許される。
5. 少なくともそれらの間が9度離れていれて、反行で順次進行していれば、
掛留音と解決音を同時に聞かせることができる。
6. もしそれらが1小節で隔てられていれば、和音の配置と状態を変えれば
5度8度の誤りは消滅する。
7. 最下声部2つだけは、8度からユニゾン(とその逆)の動きをすることができる。
8. 並行上行でのユニゾンは片方がバスで片方が導音ならば許される。
9. これら2種の華麗対位法では、全音符は以前の種よりももっと使われてよい。
同一声部での何回か連続もありうる。
多くの声部で常に動きがあることで、
対位法が跳ねてしまって対位法の特徴となる作曲様式を失うことを防ぐため、
これらの措置が必要になることがある。
10. 長6度が許される。
11. 最上の厳格さを持って上記のすべてを使う権利がある。
7声1:1対位法_完全な例
p.66
7声華麗対位法_完全な例
p.67
8声1:1対位法_完全な例
p.68
7声華麗対位法_完全な例
音価の選択と定旋律の選択についての注意
今までは定旋律を作るのに全音符を使用してきた。
それは今まで見てきたように
他のどの音価よりもいろんな種の対位法の組み合わせに役立つからである。
しかしこれは他の音価で実施するなということではない。
例えば付点全音符(3/2拍子)、倍全音符(4/2拍子)。
(?: 生徒はこれまでの対位法を論じ、課題をやることが唯一の利益となりうる。
華麗対位法の形式では、これらの新しい音価は、二重合唱の対位法に排他的である。)