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国際
【新帝国時代 2030年のアジア】(3)「爆食」中国 世界の海で乱獲
「枯渇すれば撤退」
国を挙げて、ミクロネシア連邦の港湾や加工場のインフラ整備を進め、漁業権獲得に動く中国。水産行政に詳しい政策研究大学院大の小松正之客員教授は「3~5年乱獲して投資を回収し、資源が枯渇すれば撤退すればいいという中国系の船が多い」と説明する。
中国の狙いは別にもある。沖縄県・尖閣諸島をはじめ、「海洋地域での覇権狙いや国連での中国シンパづくりといった政治的な意味合いも大きい」と、業界関係者は指摘する。新幹線網の整備も「ベトナムやタイ、ミャンマーなどを高速鉄道で結び、アジアの覇権拡大につなげる思惑がある。チベットがそのさきがけだ」と、日本の鉄道会社首脳は言う。
そんな中国の最大の泣き所は、水不足だ。水がなければ農地が活用できず、食料自給率95%の維持も計画倒れに終わる。海水を飲める水にする日本の水処理やプラント技術は、食糧やエネルギーを海外に依存する日本が唯一、覇権を握れるチャンスといってもいい。経済産業省によれば、水ビジネスの世界市場は、平成19年の36兆円から37年には87兆円に拡大するという。
一方、穀物市場は中国の輸入動向を注視する。消費の主役が先進国から新興国にシフトし、市場の約7割を握る米穀物メジャーを頂点にした勢力図が変化するからだ。穀物取引は、生産地の集荷網と消費地の販売網を押さえる必要があるが、中国の巨大商社が台頭すれば、日本は食糧安定調達の道を絶たれる恐れがある。
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