このページでは著作権全般に関するより詳細な質問と回答をお探し頂けます。
■ 1.クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)の基本
▷ 「形態」の選択
文書/映像/音楽など、あなたの作品の形態を選択します。
▷ 「管轄地」の選択
あなたの選択したライセンスが、最終的にどこの国や地域の法律によって解釈されるかを選択します。CCライセンスは、可能な限りどの国を選択しても同じ効果が生じるように各国語のライセンスの内容を調整していますが、日本にお住まいの方であれば、特別な理由がない限り日本を選択することをお薦めします。
▷ 「継承」アイコン
このアイコンが付いた作品を改変して利用する場合、改変することで新たに生み出された作品は、当初の作品のライセンス条件を継承し、同一の組み合わせでライセンスされなければならないことを表します。
例えば、あなたが「表示」と「非営利」のアイコンが付いた作品を改変して新しい作品をつくった場合、その作品は必ず「表示」と「非営利」のアイコンを付けた条件で公表しなくてはなりません。
▷ 「改変禁止」アイコン
このアイコンが付いた作品を利用する人は、作品を改変してはならないことを表します。
▷ 「非営利」アイコン
このアイコンが付いた作品は、営利目的で利用してはならないことを表します。もちろん、別途許諾を取ることにより営利目的での利用が可能になりますので、営利目的で利用したい場合には、作品の権利者にコンタクトしてください。
▷ 「表示」アイコン
このアイコンが付いた作品を利用する人は、作品を創作した人(著作者)の氏名、作品のタイトルなど、作品に関する情報を表示しなくてはならないことを表します。
▷ CCライセンスのバナーを自分のホームページに貼り付けるにはどうすればいいですか?
CCライセンス選択ページへ行き、「コンテンツにマークを付ける」というページの枠内に表示されているHTMLを、あなたのホームページの希望の場所に貼り付けることで、バナーを付けることができます。「コピーするためにテキストを範囲指定する」というボタンを押して、テキストが選択されたら、それをコピーして(例えば、Windowsを使っている人は、マウスを右クリックして「コピー」を選ぶ)、あなたのウェブページの編集用ページに貼り付けてください(Windowsを使っている人は、貼り付けたい場所にカーソルを置き、右クリックして「貼り付け」を選択する)。
その他のメディアで使用したい場合についても同じページで説明がなされていますので、そちらを参照してください。
▷ CCライセンスを利用するにはどうすればよいですか?
ライセンスの選択画面から2つの質問に答え、作品の管轄地と作品の形態を選択することで、サイトが4つのアイコンから適切な組合せを自動的に選択してライセンスを作成します。そこで表示されるメタデータを指示に従ってあなたのサイトに埋め込むことで、あなたのサイト上にCCライセンスが適用されていることを示すCCバナーが表示されます。
これでライセンスは完成です。サイトを閲覧した人は、このCCバナーをクリックすることであなたの作品に適用されているCCライセンスの内容(わかりやすいアイコンと正確な証書で表示)を確認することができます。
▷ CCライセンスは無料ですか?
はい、利用に際してクリエイティブ・コモンズ・ジャパンに費用を支払う必要は全くありません。無料でお使いいただけます。
▷ CCライセンスは自由に使えますか?
はい、利用に際してクリエイティブ・コモンズ・ジャパンの許可を得る必要は全くありません。自由にご利用いただけます。
▷ クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)とはなんですか?
法律や技術に関する専門的な知識がなくても、簡単な4つのアイコンの組み合わせを選択するだけで、誰でも自分の生み出した作品を、自分の好きな条件で、インターネットを通じて世界に発信することができる画期的なライセンスシステムです。
■ 2.CCライセンス利用上の注意点
▷ 私がCCライセンスで発行した作品を、別のライセンスでも発行することはできますか?
CCライセンスは排他的なライセンスではありませんので、許諾者がCCライセンスで発行した作品について、許諾者が異なるライセンスを用いて別途ライセンスすることができます。(もちろん、あなたの作品に他の人の権利が入っている場合には、CCライセンスでリリースするときと同様、異なるライセンスでのリリースについて承諾を得ていることが必要です。)
▷ 私はお金を得るために私の作品をライセンス(許諾)し、著作権料(印税)を回収する手助けが欲しいと思っています。CCライセンスは役に立ちますか?
あなたのビジネスのご成功を祈ります。残念ながら、私たちはそのようなサービスは提供していません。 そのようなニーズについては、例えば以下のような団体がサービスを提供しています。
音楽:e-license, ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC), JASRAC
著作物のコピー:日本複写権センター
▷ もしCCライセンスに基づく作品の提供者(許諾者)がCCライセンスの下で提供される作品に関する権利のすべてを有していなかった場合
CCライセンスに基づく作品の提供者(許諾者)がCCライセンスの下で提供される作品に関する権利のすべてを有していない場合には、第三者の権利を侵害しているリスクがあります。CCライセンスは、許諾者が権利を有しているものにだけ付されることを前提としていますが、心配な場合には、許諾者に問い合わせるか、許諾者の判断を信頼できるかどうかを自分で確認してから、その作品を利用してください。
▷ CCライセンスを使っている作品は「パブリック・ドメイン」に置かれるのですか?
もしあなたがパブリック・ドメインに自分の作品を置きたいのなら、それをお手伝いできます。しかし、あなたが一定の範囲で、著作権に基づくコントロールする手段を保持したいのなら、私たちのライセンスの一つを使うことができます。これらのライセンスはあなたの作品をパブリック・ドメインに解放はしませんが、どのような利用についても常に許諾を必要とする「完全な著作権保護」とは異なる方法で、あなたの作品が他の人たちによってクリエイティブに再利用されることをお手伝いします。
▷ もし私が非営利ライセンスのオプションを選んだ場合でも、自分のライセンス作品からお金を得ることはできますか。
できます。「非営利利用」条件は、あなたの作品を使う他の人たちにだけ適用されるもので、あなた(著作権保有者)には適用されません。他の人々は、あなたからの許可がない限りは、金銭的対価を得るためにあなたの作品を複製、頒布その他の行為をすることはできません。けれども、あなたがその作品を提供することを有料にすることは問題ありません。
私たちの中心的な目標の一つとして、自分たちの作品を売り込む新しい方法を開発するお手伝いをすることが挙げられます。実際に、非営利ライセンスを設計した目的の一つは、著作権が持っている商用的利用へのコントロールを維持しながら、同時にその作品の頒布や露出を最大化することによって、最終的に、作品提供者がその作品からお金を回収する手助けをすることです。
例えば、こんな例を考えて見ましょう。あなたの写真に非営利ライセンスをつけて、自分のウェブサイトに載せます。商用雑誌の編集者があなたの写真を見つけて、次の号の表紙にそれを使いたいとします。非商用条件の下で、その編集者はあなたの写真を複製し、彼女の友人や同僚に見せることはできますが、しかし、雑誌にそれを使うためには、あなたと別の取引をしなくてはならないでしょう。あなたは、その取引のときに、お金を回収することができます。
なお、ファイル交換やオンラインでの作品の取引は、商用利用だと評価されることが多いかもしれません。しかし、ファイル交換は、適切に利用されれば、頒布や教育のための強力な道具であると考えられますので、CCライセンスはファイル交換について特別な例外規定を含んでいます。また、オンラインでの作品の交換は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下では、それが金銭的対価を得るためになされるのでなければ、商用利用ではありません。
▷ CCライセンスの許諾者・受諾者が未成年の場合はどうなりますか?
未成年者(満20歳未満)が許諾や受諾をする場合には、法定代理人(親権者など)の同意を得る必要があり、法定代理人の同意のない場合には、原則として、許諾や受諾を取り消すことができます(民法4条)。したがって、心配な場合には、ライセンスしている人(許諾者)に問い合わせをするなどして、相手が未成年者でないかを確認してください。
未成年者の皆さんは、CCライセンスを付ける時には、法定代理人の同意を得てから行ってください。
▷ もしも、CCライセンスに基づいて利用していて、誰かからクレームをつけられた場合にはどうすればいいですか?
あなたがクリエイティブ・コモンズのライセンスの下で作品を提供している場合にはただちにその作品の提供を一時中止し、また、あなたがクリエイティブ・コモンズのライセンスの下で提供された作品を利用しているならただちにその作品の利用を一時停止し、そのクレームに関する事実関係などを確認することをお勧めします。場合によっては弁護士などに相談する必要があるかもしれません。
なお、残念ながら、クリエイティブ・コモンズ及びクリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、ライセンスの当事者ではなく、また、ライセンスの下で提供される情報及び作品に関しいかなる保証も行っていません。また、クリエイティブ・コモンズ及びクリエイティブ・コモンズ・ジャパンは法律事務所ではなく、利益相反など、弁護士倫理や弁護士法上の制約があるため、常に法的アドバイスを行うことをお約束することができません。
▷ CCライセンスで作品を提供する場合に、気をつけることはありますか?
できれば、あなたの作品を利用する人が、それを利用していることを表示できるように、その作品のライセンス情報を含むURLやURIを分かりやすい場所に掲載し、利用者の皆さんの注意を喚起するとよいでしょう。
また、自分の作品に著作権表示(注:(c) 名前 公表年 の3セットのこと)を付けたい人は、それを追加してつけることもできます。その場合には、ライセンス情報と近いところに分かりやすく掲載するとよいでしょう。
▷ CCライセンスで提供されている作品を利用する場合に、気をつけることはありますか?
特に以下のような点に注意して下さい。
(1)利用作品に係るすべての著作権表示(注:(c) 名前 公表年 の3セットのこと)を、内容を変更しないで再掲載してください。
(2)利用作品の著作者及び実演家のクレジットを、あなたが利用している媒体や方法にとって合理的な方式で、(もし示されていれば原著作者及び実演家の名前又は変名を伝えることにより)表示してください。
(3)利用作品のタイトルが示されている場合には、そのタイトルを表示してください。
(4)利用作品の許諾者がその作品に添付するよう指定したURLやURIがあれば、合理的に実行可能な範囲で、そのURLやURIを表示してください(ただし、そのURLやURIが本作品の著作権表示またはライセンス情報を参照するものでないときは、URLやURIの表示は必要ありません)。
(5)利用作品が二次的著作物(改変された作品)の場合には、当該二次的著作物中の原著作物の利用を示すクレジットを表示してください。
これらのクレジットは、合理的であればどんな方法でも行うことができます。ただし、二次的著作物又は編集著作物等の場合には、少なくとも他の同様の著作者のクレジットが表示される箇所で当該クレジットを表示し、少なくとも他の同様の著作者のクレジットと同程度に目立つ方法で行ってください。
▷ 自分が許諾する作品にCCライセンスのバナーをつけるにあたって、注意するべきことはありますか?
特に以下のような点に注意して下さい。
(1)どの作品についているのか、はっきり分かるようにしてください。ウェブページには、いくつものコンテンツ(文章、画像、背景など)が含まれています。ウェブページのコンテンツ全体をライセンスしているのか、そのうちの一部分のみをライセンスしているのか、を分かりやすい位置に表示してください。具体的には、ライセンスしている内容を、バナーの下部等に表記を行ったり、作品それぞれに一つずつライセンスを付けるなどが考えられます。
(2)あなたが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づいてライセンスされた作品を、そのまま再掲載したり、(改変が許されている場合に)改変して再掲載したりする場合には、ライセンスの5条に特定されている注意事項をよく読んで、そこに書いてある制限事項を守ってください。バナーとの関係では、特に、その作品(または改変した元の作品)のライセンスの写しまたはURIを必ず添付することを忘れないでください。
(3)なお、いずれの場合も、あなたは、以下の行為はできません。
− そのライセンスによって付与される利用許諾受領者の権利の行使を変更又は制限するような条件を提案したり課したりする行為。
− そのライセンス及びその免責条項に関する注意書きの内容を変更したり、見にくい態様で掲載する行為。
− そのライセンスと矛盾する方法でその作品へのアクセス又は使用をコントロールするような技術的保護手段を用いる行為。
この他にも禁止されている行為はありますので、ライセンスをよく読んでください。
▷ 自分の作品に、一部他人の作品を利用した部分があるのですが、その利用した作品の権利者に許諾を得る必要がありますか?
許可を得ていない他人の著作物を混ぜたものには、原則として、その混ぜた著作物の権利者から許諾のない限り、独断でクリエイティブ・コモンズのライセンスをつけることはできません。他人の著作物を混ぜたときは、(著作権法に定める例外規定に該当する場合を除いては)必ずその混ぜた著作物の権利者に承諾を取ってからクリエイティブ・コモンズのライセンスをつけてください。
▷ オーディオ作品をライセンスするには誰の権利に配慮する必要がありますか?
作詞者が歌詞について、作曲者が楽曲について著作権と著作者人格権を保持します。また、録音についてはレコード製作者が著作隣接権を保持しています(市販されているCD等の場合にはレコード製作会社等これにあたります)。さらに歌手や演奏者等が実演家として著作隣接権と実演家人格権を保持しています。ラジオやテレビで放送されたものについては、放送事業者または有線放送事業者が著作隣接権を保持しています。したがって、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスをオーディオにつけるには、これらの権利者の全員が同意することが必要です。これらの権利は、契約によってそれぞれ変更可能なので、権利者に確認を行ってください。
音楽の場合、JASRACその他の著作権管理団体に作詞・作曲者等の著作権が信託されていることも多く、その場合には、それらの団体に申し込むことで著作物を利用することができるようになります。詳しくは、例えば、JASRACのホームページで確認してください。
例えば、発表されている曲の作詞・作曲についてJASRACその他の管理団体で(クリエイティブ・コモンズで発行できるよう)著作権処理をして、友達同士で演奏し、自分で録音すれば、その録音物にクリエイティブ・コモンズのライセンスをつけるには、あなたと友達の間で合意があればいいことになります。もちろん、あなたが作詞・作曲したものや、すでに著作権が切れているクラシック音楽なら、管理団体での著作権処理も必要ありません。
▷ ビデオ作品をライセンスするには誰の権利に配慮する必要がありますか?
ビデオは映画の著作物に含まれるので、映画の著作物の著作者か、映画製作者のどちらかが著作権と著作者人格権を保持しています。また、当該映画のうち、原作品(小説・マンガなど)や、使用されている音楽、脚本についてはそれぞれの著作者が著作権と著作者人格権を保持しています。また、そのビデオの中に歌手・俳優・声優などの実演家が出演している場合には、これらの人たちが実演家としての著作隣接権と実演家人格権を保持しています。ビデオがテレビ放送であった場合には、放送事業者がそのビデオの放送権、有線放送権、複製権、放送事業者への頒布権等を保持していることがあります。契約によってそれぞれの内容を変更することは可能なので、権利者に確認を行ってください。
オーディオと同じように、あなたオリジナルの脚本や著作権の切れた脚本を、仲間同士で演じて自分で録画すれば、仲間の合意だけでクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを付けることができます。
▷ ソフトウェアをライセンスするには、誰の権利に配慮する必要がありますか?
ビデオ・ゲームの場合は映像や音の部分について映画の著作物があり、プログラム部分にはプログラムの著作物があります。それ以外のソフトウェアは、プログラムの著作物として扱われます。後者の場合、ソフトウェアの製作者が著作権を保持しています。法人で製作されたソフトウェアについては、職務著作(著作権法15条、後述)に当たる場合があるので確認してください。
▷ 人の作品を改変した作品にCCライセンスにを付すには、原作者の同意を取る必要がありますか?
基本はその通りですが、CCライセンスのうち改変禁止が付されていない作品を改変した場合は、その必要はありません。
二次的著作物(改変後の著作物)の利用に対しては、改変した作者と原作者の両者が同一の種類の権利を保持します(著作権法28条)。そのため、CCライセンスにより著作権表示がなされていない作品を改変し、公開する場合は、原作者の同意が必要となります。
▷ 引用その他の場合には、その作品を複製できますか?
原則として、出所を明示すれば、自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することは可能です(法32条1項、48条1 項1号)。したがって引用を含む作品を複製することはできますが、引用が公正な慣行に合致しない場合や引用の目的上正当な範囲を超えている場合は複製することができません。
もともとの引用が著作権法に沿っていて合法である場合には、その引用のルールが保たれている限り、引用部分に対しては著作権が制限されます。したがって、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの付された作品の中に引用があった場合でも、その引用が正しくされている限り、その作品をライセンスにしたがって第三者が複製したり公衆送信したりすることは問題ありません。ただし、改変する場合には、以下の通り注意が必要です。
▷ 引用その他の場合に、目的を変えて引用したり、改変したりできますか? その際に注意することは何ですか?
引用を含む作品を利用する場合、引用された部分の利用目的を変えたり、引用部分を単独で取り出して利用したりすることはできません。クリエイティブ・コモンズのライセンスに基づく作品の提供者(許諾者)は、引用部分について独自に利用させる権利を持っている訳ではありません。提供者が、著作権法32条にしたがって、出所を明示し目的があって引用しているからこそ、引用部分を作品中に取り込むことが許されているのです。
したがって許諾者の許諾を受けて作品を利用する人もまた、出所の明示部分を削除することなく、また当初の引用の目的に反しないように、引用を含む作品を利用しなければなりません。
もしも、引用を含む作品を改変したい場合には、引用部分を削除することが考えられます。または、引用部分を自分の作品に再引用するに当たって、再引用された部分の目的や態様などが、著作権法32条に定めるルールに従うようにすれば、再引用することもできます。
▷ ライセンスを付すにあたって同意が必要な人は誰ですか?
作品に何らかの権利を持っている人全員の同意が必要になります。
通常、著作者、著作権者、著作隣接権者の同意が必要になります。それぞれの権利者については、詳しくは後述の説明をご覧ください。
共同著作の場合には複数の著作者が存在しますが、そのすべての人の同意が必要になります。作品の権利者全員が、自らの有する権利について同意している場合にしか使えません。
▷ CCJPシンポジウム:「出版社の新しい著作隣接権を考えるシンポジウム」(11月1日(木))開催のお知らせ
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)は、11月1日(木)に、「出版社の新しい著作隣接権を考えるシンポジウム」を、下記のとおり開催いたします。
みなさま、ぜひお誘い合わせのうえ、ご来場ください。
【企画趣旨】
現在、「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会」において、出版社に対し、いわゆる著作隣接権を付与する議員立法の検討が進んでおり、来年の通常国会への提出を目指しているとの報道もなされています(http://www.shinbunka.co.jp/news2012/06/120625-01.htm)。その狙いは、第一に近年特にネット上で見られる出版物の海賊版対策について、出版社が自ら対応できるようにするため、副次的に、電子書籍を中心とした出版物等の利用・流通の促進を図るため、といわれており、その課題の重要性については広く認識されているものと考えます。
現在検討されている議員立法の法案はまだ公表されていませんので、内容は必ずしも明らかではありません。しかしながら、公表されている資料から推測される権利の内容が、上記の課題を達成する手段として適切なものであるか、実際に今後の書籍・漫画・雑誌等の流通にどのような影響を与えるものとなるのか、出版社に著作隣接権という新しい権利を付与する以外に、この課題を解決するよりよい解決策は存在しないのか、などの重要な論点について、あまり広く議論がなされていません。
私たちは、よりよい著作権政策を実現するという観点から、このような重要な立法課題について議論の場を提供することで、より多様な意見を踏まえた政策形成を促したいと考えています。
そこで、「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会」で現在提案されている内容について、有識者の皆様方をお招きして、ご一緒に検討し、広い範囲の方々の注意を喚起することを目的として、シンポジウムを開催いたします。
【詳細】
・日時: 11月1日(木) 18:00〜20:00(17:30開場)
・会場: 東京大学福武ホール ラーニング・シアター (福武ホール B2)
アクセス:http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/index.html
・登壇者:
桶田大介 先生(弁護士) (配布資料:検討経緯、中間まとめ、法制化について)
なお、上記配布資料は、ウェブサイト上での配布の許可をいただいていますが、
CCライセンスでの配布ではありませんのでご注意ください。
赤松 健 先生(漫画家、株式会社Jコミ代表)
三村量一 先生(弁護士、元知的財産高等裁判所判事) (三村量一先生プレゼン資料)
中山信弘 先生(CCJP理事長、明治大学特任教授、東京大学名誉教授)
・モデレータ: 水野 祐 (弁護士、CCJP事務局) (プレゼン資料:CCJP 問題提起)
・参加費: 無料
・主催:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
・後援:インターネット・ユーザー協会(MIAU)
・お問い合わせ先:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(info@creativecommons.jp)
※インターネット中継が決定いたしました。URLは以下のとおりです。
Ustream : http://www.ustream.tv/channel/ccjp-events
niconico : http://live.nicovideo.jp/watch/lv113353721
・お申込み方法:
(申し込みは終了いたしました。ありがとうございました。)
■ 3.CCライセンスについての詳しい説明
▷ 7条bに定める「本作品に含まれる著作権法上の権利が存続する」期間とは具体的にいつですか?
基本的に著作者の死後50年間を経過するまでの間保護されます(共同著作物の場合は、最後に死亡した著作者の死後50年間)。
例外として、無名または変名の著作物、法人その他の団体が名義を有する著作物については公表後50年を経過するまでの間、映画の著作物については公表後70年間を経過するまでの間保護されます。
▷ 第5条にいう「URI」とは何ですか?
Uniform Resource Identifierの略です。インターネット上の情報資源に限らず様々な情報資源を識別するための識別子のことで(例えば、書籍の識別子であるISBN もURIとして表記することができます)、ウェブページやその他のインターネットの情報資源を識別するのに使われるUniform Resource Locator(URL)は、URIの一部という位置づけになっています。URIには他にUniform Resource Name(URN)という別の記法による識別子も定義されていますが、クリエイティブ・コモンズのライセンスを利用する上ではURLと同義と考えて差し支えないでしょう。
▷ 第5条で、「再利用許諾することができない」というのはなぜですか?
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでは常に作品の許諾者と受領者が契約を結ぶ関係になります。A→B→Cと流通した場合、CはBとではなくAとの間で利用許諾に同意したことになります。そのためBは再利用許諾する必要が無く、また、再利用許諾による契約関係の複雑化がおきないようにしています。
▷ 第5条で、「営利目的」とありますが、作品の製作や流通に当たって必要な実費の請求は営利目的に入りますか?
頒布者と受領者の間で金銭のやりとりがある場合には、それが実費であっても営利目的に含まれます。
▷ 表示ライセンスの場合に、5条にいう「本作品に係るすべての著作権表示をそのままにしておかなければなら」ない、とはどういう意味ですか?
著作権表示とは、(c)権利者名、最初の発行年がセットになっているもので、たくさんの著作物に付されています。この表示が作品の許諾者によって付されている場合には、あなたもそれと同じ表示を付さなければならない、という意味です。
▷ 表示ライセンスの場合に、 5条にいう「クレジット」とは何ですか?
クレジットとは、「書物・映画・脚本・記事・写真などに明記する題名・製作年月日・著作権者・原作者・提供者の名など、作品に関する表示」をいいます(三省堂「大辞林第二版」)。具体的なクレジットの表記の仕方は、芸術分野によってそれぞれの慣習が違います。自分の作品においてクレジットを提供するときは、その作品の属する分野の他の作品を参考にして、慣習に従って表記してください。
▷ 表示ライセンスの場合に、5条にいう「二次的著作物の場合には、当該二次的著作物中の原著作物の利用を示すクレジットを表示しなければならない」とはどういう意味ですか?
二次的著作物とは、改変したあとの著作物です。原著作物とは、改変したもとの著作物を指します。改変が許されているライセンスの作品を使って二次的著作物を作ったときには、その二次的著作物がどの原著作物に依拠しているものなのかを分かるようなクレジットを表示してください、ということです。例えば、「原著作者による原著作物のフランス語訳」とか「原著作者による原著作物に基づく映画のシナリオ」などが考えられます。
▷ 第4条(受領者へのライセンス提供)はどういう意味ですか?
CCライセンスでライセンスされた著作物が転々流通する際、利用許諾はだれとだれの間で結ばれているのかが問題になります。例えば、A→B→CというようにAの著作物のデッドコピーが流通した際、誰と誰の間で利用許諾が行われているかということです。第4条は、AとCで直接利用許諾が行われていると解することを示しています。つまりAの著作物を利用する人間は、誰から受け取ったのであっても、Aの著作物に付されているAの提供したクリエイティブ・コモンズのライセンスを参照しつつ、それに同意して利用することで、直接Aとの間で利用許諾がされているものとみなされます。
また、Aは4条に同意することによって、このことに同意しているものとみなされます。
▷ 第2条でいう著作権の制限とは何ですか?
詳細はライセンスに引用されている著作権法の条文及びこのFAQを参照してください。簡単に言うと、アメリカ法でいうフェア・ユースと同様、一定の条件を満たす場合には、権利者の許諾を得ることなく著作物を利用できる場合を定めたものです。日本法とアメリカ法では違いがありますので、アメリカ法のフェア・ユースの範囲がそのまま日本であてはまるわけではありませんので、注意してください。
▷ 第1条の定義に乗っていない言葉はどう解釈すればいいのですか?
原則として現行著作権法の解釈と同じように解釈を行ってください。例外についてはFAQの方に定めてありますので、FAQも一緒に参照してください。
▷ CCライセンスをソフトウェアのドキュメンテーションのために使うべきですか?
▷ CCライセンスをソフトウェアにも使えますか?
▷ もしも、著作権の保有者が、その人の作品を二つの異なるCCライセンスで提供している場合は、どうなるのですか?
あなたがその作品について使いたいと思うライセンスを、その中から選んでください。一般的には、同一作品を二つの異なるライセンスの下で提供するライセンサー(許諾者)は、二つのライセンスの間で、ユーザーが自由に選択してよいとの意思を有しているものと解釈されます。例えば、ある写真が、非商用条項を持つライセンスとは別に、帰属条項を持つ別のライセンスを付けられているとすれば、二つの条項が同時に適用されるということではありません。もしライセンサーが両方を同時に適用させたいのであれば、両方の条項を含む単一のライセンスを選択するようにすべきです。
▷ CCライセンスは国外でどのような法的地位を持つことになりますか?
CCライセンスは米国著作権法に準拠して作られており、国外において常に有効とは限りません。できるだけ多くの地域でCCライセンスが普及するように、米国を中心にしつつ、クリエイティブ・コモンズは多くの国、地域で努力を続けています。もちろん、少なくとも米国のクリエイティブ・コモンズだけでは世界中のさまざまな著作権法の差異すべてに対応することはできません。しかし、現在では、各国に生まれたクリエイティブ・コモンズ及びその支援者によって、の著作権法に準拠したライセンスがデザインされるようになっています。
なお、クリエイティブ・コモンズのライセンスは、米国外で利用されることを想定し、「分離可能性」条項も含んでいます。つまり、あるライセンス条項がある管轄区域において執行不能であることが判った場合、その条項のみがライセンスから切り離され、残りの条項の有効性は損なわれないまま執行されることを明記しています。
▷ クリエイティブ・コモンズやクリエイティブ・コモンズ・ジャパンはCCライセンスとどのような関係にありますか?
クリエイティブ・コモンズとクリエイティブ・コモンズ・ジャパンは著作物を利用しやすくするための手段としてライセンスをみなさんに提案するだけで、ライセンスの当事者ではありません。実際の作品のライセンスの当事者は、作品を許諾している人(ライセンサー)と、その作品を利用する人(ライセンシー)です。
▷ CCライセンスは日本の法律上、必ず効力を持つのでしょうか?
CCライセンスは、日本の著作権法その他の法律に基づいていますので、原則としては法律的な拘束力があります。しかし、著作権法の解釈の中には、法律や判例を参照しても明らかになっていない部分があり、その部分をクリエイティブ・コモンズやクリエイティブ・コモンズ・ジャパンが決めることはできません。利用許諾条項をよく読んでお使いください。
▷ CCライセンスは法律ですか?
いいえ、法律ではありません。
CCライセンスは作品の利用を許諾する人と、許諾を受けて使う人の間の約束ごと、つまり利用許諾の条件の雛型(見本)です。その約束は著作権法その他の法律で守られています。ライセンスを自分の作品に適用するかどうか(マークをつけるかどうか)は、各人の判断に任されていますので、ご自分の判断で行ってください。
■ 4.技術
▷ なぜクリエイティブ・コモンズはメタデータにRDF形式を使うことにしたのですか?
クリエイティブ・コモンズは、機械可読形式でライセンスの背後にある意図を表現する最善の方法を模索ました。私たちのシステムは、あらゆる選択肢のなかでも、ベストだと考えるものを提供しています。RDF、XML、そしてプレイン・テキスト・ベースの道具は、私たちが構造化された形式でそれを提供するために、メタデータのファイルをもっとも簡単に処理することができます。しかし、XMLの道具がテキスト・ベースのものよりも情報の処理を容易にするのと同じように、RDFはそれをもっと容易にします。だから、私たちはすべての開発者たちに可能なところではRDFの道具を利用するよう奨励しています。私たちはコミュニティとともに多くの異なる言語でクリエイティブ・コモンズのサンプル・コードを提供するよう努力しており、それによってRDF情報利用するのがいかに容易かを示そうとしています。また、RDFから他の形式へのコンバーターを提供することにもオープンです。もしそうした道具を持っていたり、開発しようとしているのなら、私たちのメタデータ・リストにそれについての情報を送ってください。
▷ どうやったらクリエイティブ・コモンズのメタデータを私のプログラムで使えますか?
いろいろな方法で使うことができます。ペイント、文書、画像処理などのプログラムは、読み込んでいるファイルの許諾者によって付与された権利を理解して、利用者の皆さんに知らせることができるかもしれません。ファイル交換ソフトウェアはCCライセンスを持つファイルをハイライトし、それをダウンロードするようユーザーに促すことができるでしょう。実際、私たちは、ピア・ツー・ピアのファイル交換ソフトウェアはクリエイティブ・コモンズの作品を配布するすばらしいメカニズムだと考えております。特に、クリエイターが自分で配布するのに必要な帯域や道具を持っていないような、大きな音楽、画像、動画ファイルを共有したい場合には大いに役に立つでしょう。検索システムは、(例えばあなたの非営利コラージュで使うことができる猫の写真というように)特定の利用法を許容するライセンスを持ったファイルだけを検索するという選択をユーザーに可能にするかもしれません。この情報を活用する方法はたくさんあり、開発コミュニティが他のやり方を思いつくことで私たちを驚かせてくることを期待しています!
▷ 提供されているGIFボタンの代わりにPNG画像を使いたいと思っています。どうすればいいでしょう?
私たちは、最大限ブラウザーの互換性を保つためにデフォルトでGIF画像を提供していますが、私たちのボタンを表示するのにPNG画像を使いたければ、私たちのサーバのGIF画像と同じ場所にPNGバージョンがあります。ライセンスを作ったときに提供されるHTMLの中で、画像のURLの最後に「.png」を加えてください(/somerights –> /somerights.png)。
▷ ライセンス選択エンジンを私のサイトにインストールできますか? そのようなツールのプログラムを公開していますか?
残念ながらライセンス選択エンジンのためのツールは公開していません。ライセンスの選択は私たちのサイトあるいは米国のクリエイティブ・コモンズのサイトから選択してください。
▷ クリエイティブ・コモンズはDRM(デジタル著作権管理)と関係があるのですか?
いいえ、私たちはクリエイティブ・コモンズの活動の技術的な側面をデジタル・ライツ・ディスクリプション(digital rights description:デジタル著作権解説)と呼んでいます。DRMが著作物の特定の使い方を防止したり利用者の権利を狭めたりするのに対して、私たちは逆に利用者の権利を保証しつつ著作物の特定な使い方の数々を奨励します。ソフトウェアに「あなたはこのファイルを変更してはいけません」と表示させるのではなく、CCライセンスはむしろ「著作者はこのファイルをあなたが変更することを認めますが、その代わりに著作者のクレジットを明記してください」と伝えたいのです。
ツールが似ていても、私たちの目的は違います。私たちは多数あるDRMのフォーマットから一つを選ぶのを避けて、W3Cによって規定されている RDF/SMLフォーマットを採用しました。「これこれの規制を課していません」と言う代わりに私たちは「これこれの許可を保証します」と伝え、そうすることによって検索エンジンや他のアプリケーションが寛容なライセンスを付与された作品を簡単に見つけ出して分類してくれるのです。
物理的なものに喩えると分かりやすいかもしれません。喩えて言えば、DRMは「進入禁止」という標識を立てています。私たちのライセンスをDRMを使って表現するのは、それらの標識を「進入許可」と書き換えていくことと同じぐらい意味がないでしょう。そうすることよりむしろ、私たちは「ようこそ! どうぞお入りください」という標識を、違ったニュアンスを表すために色々な色彩やデザインを使って作っているのです。
私たちはライセンスの「エンフォースメント=執行」という役割を法律や社会規範、そして参加者の良心に任せています。私たちのツールの数々は規制の道具としてではなく、補助的な情報として機能するのです。私たちは著作権利者が自分の著作物に対する義務と自由について他の人々に教えられるようにお手伝いをして、また全員がインターネット上でクリエイティブな再利用ができる場所を見つけられるように応援したいのです。
▷ 誰かが、CCライセンスで提供されている作品をDRM(デジタル著作権管理)のツールで保護しようとしたら、どうなりますか?
ライセンスによって提供されているさまざまな権利のうちいずれかが、その人がそのツールを使うことによって制限されることになってしまうとしたら、その人はライセンスに違反することになります。4種類のライセンスはすべて、利用者が「許諾協定の条項と矛盾する方法で本作品へのアクセス又は使用をコントロールするような技術的手段によって、本作品を頒布する」ことを禁止しています。
■ 5.クリエイティブ・コモンズの組織と活動について
▷ クリエイティブ・コモンズとはどのような団体なのですか?
クリエイティブ・コモンズは、法律が認める知的財産権をすべて行使したいわけではないという人たちも存在するという認識に基づいて設立された非営利団体です。
現在、世界に向かって「いくつかの権利は留保されています(Some rights reserved)」や「何の権利も留保されていません(No rights reserved)」と告知する簡単で信頼できる方法が充分に提供されていないと私たちは考えています。ずっと昔から、全面的な保護を与える著作権は、自分たちの求めるような露出や広範な頒布の獲得の手助けにはならないと感じている人たちがたくさんいます。多くの起業家やアーティストたちは、自分たちのクリエイティブな投資への見返りを確保する方法として、完全な著作権のモデルではなくて、もっと革新的なビジネス・モデルに拠ることを好むようになってきています。他の人々は、知的なコモンズに貢献したり、参加したりすることから満足感を得ています。理由がどうであれ、インターネットの多くの市民がその作品━━とその作品を再利用し、改変し、頒布する権限━━を寛大な条件で他の人たちと共有したいと思っていることは明らかです。クリエイティブ・コモンズは、私たちのウェブサイトで無料でライセンスのセットを世界に提供することによって、作品を共有したいという気持ちを人々が表現する手助けをしようと考えています。
▷ 誰がクリエイティブ・コモンズを始めたのですか?
サイバーローと知的財産権の専門家であるJames Boyle、Michael Carroll、Lawrence Lessig、MITのコンピューター・サイエンス教授のHal Abelson、弁護士からドキュメンタリー・フィルム制作者になり、サイバーローの専門家になったEric Saltzman、そしてパブリック・ドメインのウェブ出版者Eric Eldredが2001年にクリエイティブ・コモンズを設立しました。ハーバード・ロー・スクールのBerkman Center for Internet & Societyに在籍するフェローや学生がプロジェクトの立ち上げを手伝いました。クリエイティブ・コモンズは現在、スタンフォード・ロー・スクールに拠点を置き、寛大な支援を受けており、スペース、スタッフ、インスピレーションをスタンフォード・ロー・スクールのCenter for Internet and Societyと共有しています。
▷ クリエイティブ・コモンズはどのような問題を解決しようとしているのですか?
創作物は、日本では創作されると同時に著作物となり、米国でもその創作物が有体物に固定されると同時に著作物になって、自動的に著作権が発生します。あなたがメモ用紙に書いた走り書きも、ペンがメモ用紙を離れた瞬間、あなたの著作物となり、あなたはその走り書きを複製し、配布する排他的な権利を得ます。日本を含め、一部の国では、そのような権利が発生するのには著作権表示すら必要とされていません。しかし、このように自動的に著作権が発生する仕組みとは違った仕組みを希望する方も多くいるかも知れません━━特にインターネット上で創作活動を展開している人はそうです。インターネットは(少なくとも理論上は)制約のないコミュニケーションとコラボレーションを約束して来た場所です。それなのに、実際には、あなたが排他的に有している権利のごく一部だけしか主張するつもりがないとか、どのような権利も主張しない、ということを表明するための簡単な方法は存在していません。同時に、権利が主張されていない著作物を複製し、再利用したいと考えている人にとっても、著作権表示がなくても著作権が発生するという事情によって、利用できる著作物を見つけ出すことは簡単ではありません。私たちはこの2つの問題を解決するためのツールを提供したいと考えています。自由に、無料で利用できるライセンス群で、法廷での審理にも耐えるようなしっかりしたできのものでありながら、法律家でなくても使えるぐらいにわかりやすく、なおかつさまざまなウェブ・アプリケーションが認識できるぐらい技術的に洗練されているようなものです。
▷ クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは何をしようとしているのでしょうか?
私たちの最初の目標は、著作物の利用許諾を与える際に用いるライセンスを一般の方々に無料で提供することにあります。
このライセンスは、著作者の方々が世界に向けて、自分の作品は一定の条件を満たせば自由に共有してよいものだということを明言するのに役に立つものです。
例えば、もしもあなたが著作者としてオンラインで公開された画像について、「あなたへのクレジットさえつけてくれれば複製したり無断で配布したりしても構わない」と思っているのなら、あなたのそのような意志を明確に伝えるのに役に立つようなライセンスを用意しています。
もしもあなたのバンドのMP3ファイルについて、「自由に複製してもよいけれども無断で営利目的に使って欲しくない」ということであれば、私たちが用意したライセンスの一つを、そのような意志の表明にご利用いただくことができます。
私たちのライセンス選択ツールをお使いになれば、メニューから好みのオプションを選ぶことであなたの希望に最も近い条件の組み合わせを探しあてることもできます。
「表示」はあなたに対するクレジットを与えることを条件にして、他の人があなたの作品とそれに基づく二次著作物を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信、翻案することを許可するものです。
「非営利」は、非営利目的に限って、他の人があなたの作品とそれに基づく二次著作物を複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信、翻案することを許可するものです。
「改変禁止」は、作品の二次著作物ではなく、その作品そのままの複製だけを複製、頒布、展示、上演、演奏、口述、上映、公衆送信することを許可するものです。
「継承」は、あなたの作品に付されているライセンスと同一のライセンスに基づいてのみ、二次著作物を頒布することを許可するものです。
お好みのライセンスを選んだら、そのライセンスを用いていることを表示するために、3つの方法を用意してあります。
1. コモンズ証:簡単に、わかりやすい言葉で書かれたライセンスの概要で、対応するアイコンとセットになっています。
2. 法的コード:実際に作品の利用条件を決定している部分で、法廷で通用するような、ライセンスの文面。
3. デジタルコード:検索エンジンやその他のアプリケーションが理解できるようにライセンスの内容を説明したデータ。
もしもあなたが全ての著作権を放棄したいということであれば、━━ちょうどベンジャミン・フランクリンからソフトウェアの先進的な開発者たちがそうしたように━━私たちはそれもお手伝いします。あなたはあなたの作品を、パブリック・ドメインとして知られる、制約条件の課されていない創作物の共有領域に寄付することができます。ここでは何も所有されておらず、どのような利用も自由です。言い換えれば、私たちはあなたが「No rights reserved」と宣言することをお手伝いできます。
▷ クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、誰のためにあるのですか?
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、時にはクリエイターであり、時にはユーザーでもある、あなたがた全てのために活動しています。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、言論、知識、芸術の活発な交換によって得られる公共の利益を追求するためにあります。私たちは、自分の創作物を一定の(または無)条件で一般の方々に無償で提供しようというクリエイターの方々、また、そのようにして提供されている作品を創造性豊かな形で利用したいという方々、そして、そのような活動から成立する共生によって利益を得る方々それぞれをサポートします。教師、研究者、科学者、文筆家、写真家、映像作家、音楽家、グラフィックデザイナー、ウェブ制作を趣味とする人などが━━そしてもちろん読者、視聴者、鑑賞者、学習者が━━私たちの提供するツールから利益を得られることを願っています。
▷ 誰がクリエイティブ・コモンズ・ジャパンに出資しているのですか?
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは有志による活動で、今のところその通常の活動をサポートする出資者は存在していません。なお、我々の活動についてご理解をいただいた方からのご寄付にも支えられています。
▷ クリエイティブ・コモンズ・ジャパンはどこにあるのですか?
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、中山信弘東大教授をリーダーとして、日本の弁護士資格を持った弁護士やインタ—ネットに関わる研究分野を有するメンバー、20名以上の学生のインターンを中心に、様々な分野の方の参加を得て活動しています。
2007年7月に、特定非営利活動法人として東京都の認可を受けました。
なお、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンについてのお問い合わせ等は、info-AT-creativecommons-DOT-jpまでお願い致します。クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、様々なボランティアの方の協力で支えられています。ボランティアとして参加してもよいという方のご連絡もお待ちしております。
▷ クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは他の組織、団体と協力・提携関係にありますか?
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、米国のクリエイティブ・コモンズ と密接に協力するとともに、同じような志を持った他のいくつかの組織と共同作業をしています。あるいは、あなたの組織が私たちをお手伝いできるということであれば、ぜひご一報下さい。
▷ 似たような発想に基づいたいろいろなライセンスがすでに存在していると思いますが、CCライセンスには何か新しい点などがあるのでしょうか?
創作物の共有を促進するような先人たちの試みの中で、特に特筆すべきはFree Software Foundationの設立者であり、General Public License (GNU GPL)の作者でもあるリチャード・ストールマン氏です。FSFの提供するライセンスは主にソフトウェアを対象としています。
これに対して、クリエイティブ・コモンズは、学術研究、映画、文学、音楽、写真、その他の創作物を扱うことを念頭においた上でCCライセンスを設計しています。もちろん、他の人々の活動によってすでにサポートされていることがある場合━━例えばElectronic Frontier Foundation のOpen Audio Licenseがその一例として挙げられるでしょう━━があることは承知しています。
公衆に対し、作品を提供するための手段がより多く存在していることは、アーティストの自由な選択を助け、創作意欲の向上させる、私たちはこのように考えています。そして、これらの様々なライセンスは、お互いに補い合っていくことを目指しており、競合するものではありません。
▷ クリエイティブ・コモンズ・ジャパンは、CCライセンスで提供されているコンテンツをホストしたり、所有したりしていますか?
現在のところはそういう活動はしていません。私たちは、みなさんの作品をCCライセンスによってリリースすることをお手伝いしています。
▷ クリエイティブ・コモンズに興味を持っています。 何か手伝えることはありませんか?
私たちは、ご意見やご提案などを募集しています。また、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンへの参加も歓迎しています。
info_AT-creativecommons-DOT-jpまでお気軽にご連絡ください。なお、現在、多数のお問い合わせがある一方、事務局の体制の制約から、直ちにご連絡することが出来ない場合がございますので、その点はご容赦下さい。
▷ CCライセンスで作品を公開するメリットはなんですか?
確かに現行の著作権法はCCライセンスより多くの法的な保護を提供していますが、CCライセンスでの公開にはいくつかの動機やメリットが考えられます。
自分の作品に基づいて他の人が何かを創り出しているという考えや、知的なコモンズに貢献しているという側面に魅了されているかもしれません。クリエイティブ・コモンズのコミュニティが成長していけば、新しい協調の方法の発展を手助けしているという満足感も持つことができるかもしれません。
学者は書いたものが複製・共有されることでその考えを世界に広められるかもしれません。駆け出しのデザイナーは、評判を確立するために自分のスケッチが自由に普及することを奨励するかもしれません。すでに有名になっている商業的ミュージシャンは、彼の完全に保護されているたくさんの曲に対する一般の興味を刺激するために、いくつかの曲をサンプルとして提供するかもしれません。政治活動家は無制限の複製を通じてできるだけ多くの人々にメッセージを届けようとするかもしれません。
CCライセンスは、著作権の最終的なコントロールをあなたに残しながら、こうしたストラテジーを応援します。
▷ クリエイティブ・コモンズはライセンスを提供するだけなのですか?
そんなことはありません。2002年12月16日に、米国でリリースされた私たちのライセンスは、多くのクリエイティブ・コモンズのプロジェクトの最初のものに過ぎません。米国では、例えば、自分の作品をパブリック・ドメイン━━著作権から自由になったクリエイティブなものの領域━━に寄贈したいと考える人々が実際の寄贈をできるツールや、米国建国時代のような短い権利期間だけ保護されるようなツール提供していますし、ブラジルの提案で始まったサンプリング・ライセンスなど、いくつかの権利を残しながらも作品を広く共有する新しい形も常に模索しています。クリエイティブ・コモンズは、知的な作品のマーケティングと頒布に向けて、公的・私的に行われている多くの革新的アプローチにもハイライトをあてています。現在のライセンスは、私たちの最初のものに過ぎないということにご留意ください。私たちは将来、あなたの必要と要望に応じて、さらに選択肢を提供することにもなるでしょう。クリエイティブ・コモンズは、国際的な試みから生まれた素晴らしいアイディアをお互いにフィードバックしあうことにも、積極的に取り組みます。ぜひ、あなたからもフィードバックも送ってください。
▷ クリエイティブ・コモンズは許諾されたコンテンツのデータベースを構築しているのですか?
いいえ、コンテンツを収集したり、データベースを構築したりすることは全くやっていません。私たちは、ネットの力を信じています。クリエイティブ・コモンズは、一つの組織がコントロールする中央集権的な情報バンクを作る試みではありません。私たちが提供しているツールは、セマンティック・ウェブが、許諾された作品を分散的、非中央集権的なやり方で特定し、分類できるようにするものです。
もちろん、私たちのライセンスとメタデータがどのように使われるかをご理解いただくために、主たる作品のレジストリーなどいくつかの例を提供しています。これらのレジストリーは、素晴らしい役割を果たしていますが、それは、現在CCライセンスを使ってなされたすべてのものの包括的カタログではないですし、データベースの始まりでもありません。むしろ、さまざまなメディアでこれまで許諾されたいくつかの作品のサンプル集だと考えてください。
▷ クリエイティブ・コモンズは著作権に反対しているのですか?
全くそんなことはありません。私たちのライセンスは、あなたが著作権を保持しながら、一定の条件の下で、一定の利用を他の人に許諾する、ということを可能にします。実際、私たちのライセンスは、GNUのGeneral Public Licenseと同じように、そのライセンスの実効性が確保されることの裏づけとして、著作権に依存しています。著作権を保護する目的は、「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作権等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与すること」です(著作権法1条)。私たちもまた、文化の発展に寄与したいと考えており、クリエイターの考えにあう権利の行使にぴったりのツールを提供することで、その志を果たせると考えています。
▷ クリエイティブ・コモンズはCCライセンスに関する紛争の調停は行いますか?
いいえ。私たちは、柔軟な著作権の運用とでコンテンツの流通を促進するためにCCライセンスを提供し、さらにユーザーフレンドリーなライセンスとなるよう取り組むことに専念しております。事務局のメンバーには日本の弁護士資格を有した者も多数属していますが、クリエイティブ・コモンズは法律事務所ではありません。CCライセンスに関する紛争の調停に関しては、独自に弁護士をご依頼ください。
もちろん、現在クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを使っている方、これから使ってみたいと考えている方が持つ疑問や質問にはお答えしますので、現在そのための組織作りを、事務局弁護士を中心に行っているところです。
■ 6.定義、その他
▷ 権利制限除外規定にはどんなことが書いてあるのですか?
著作権者に無断で利用することが法的に認められる場合が定められています。具体的には以下の場合について述べています:
* 私的使用のための複製(著作権法30条)
* 図書館における複製(同31条)
* 引用(同32条)
* 教科書用図書等への掲載(同33条)
* 学校教育番組の放送等(同34条)
* 学校その他の教育機関における複製(同35条)
* 試験問題としての複製(同36条)
* 点字による複製等(同37条)
* 聴覚障害者のための自動公衆送信(同37条の2)
* 営利を目的としない上演等(同38条)
* 時事問題に関する論説の転載等(同39条)
* 政治上の演説等の利用(同40条)
* 時事の事件の報道のための利用(同41条)
* 裁判手続等における複製(同42条)
* 行政機関情報公開法等による開示のための利用(同42条の2)
* 翻訳、翻案等による利用(同43条)
* 放送事業者等による一時固定(同44条)
* 美術の著作物等の原作品の所有者による展示(同45条)
* 公開の美術の著作物等の利用(同46条)
* 美術の著作物等の展示に伴う複製(同47条)
* プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等(同47条の2)
→ 参考:著作権法・第五款 著作権の制限
▷ 権利制限規定に関する法律が変わった場合にはどうなりますか?
法律の変更にあわせて、作品に自由に利用できる条件が変更になります。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでライセンスされている作品についても、法律に定める権利制限規定に従うことになっているので、許容される権利制限場面が変わることになります。
▷ 映画の著作物の著作者は誰ですか?
映画の著作物の著作者は、その映画の著作物の制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者であるとされます。この際、当該映画の著作物の原作の小説等、脚本、音楽その他の著作物の著作者は除かれます。
そして、映画の著作物の著作権は、著作者が映画製作者に対して当該映画の著作物の製作に参加することを約束している時には、映画製作者が保持することになります。(著作権法29条)
▷ 放送にかかる音・映像とは?
公衆に同一の内容が同時に受信される無線放送で流されている音や影像のことを指します。テレビ放送やラジオ放送で流される番組等がこれにあたります。これらの音や映像には、放送番組の著作権(映画、音楽など)に加えて、放送事業者が著作隣接権を保持します。
▷ 有線放送にかかる音・映像とは?
公衆に同一の内容が同時に受信される有線放送で流されている音や影像のことを指します。ケーブルテレビ放送で流される番組等がこれにあたります。これらの音や映像には、放送番組の著作権(映画、音楽など)に加えて、放送事業者が著作隣接権を保持します。
▷ 放送事業者、有線放送事業者とは?
放送事業者とは、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として無線通信の送信を行うことを業とする者を指します(著作権法2条1項8号、9号)。有線放送を業とする者や、特定の人の間で無線通信を行う者は含まれません。
有線放送事業者とは、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信を行うことを業とする者を指します(著作権法2条1項9号の2、9号の3)。
▷ 人格権について注意点はありますか?
公表権(未公表の場合)、同一性保持権(改変を許す場合)についても、著作者・実演家に確認してください。ただし、著作財産権中の翻案権を有している人の同意に基づく改変については、名誉声望を害しない態様の改変でない限り、また、別途の留保がない限り、原則として同一性保持権についても同意していると考えて良いと考えられます。著作財産権のみを譲り受けた人は、財産権譲渡契約中に人格権についての取り決めが無い場合には、人格権者にもう一度確認して許諾を取ってください。規定が既にある場合には、その範囲で可能な場合には、更なる確認をすることなくCCライセンスを使うことができます。
▷ 人格権は誰が保持していますか?
人格権には、著作者人格権と、実演家人格権があります。著作者は、公表権、氏名表示権、同一性保持権を持っています(著作権法18〜20条)。また実演家は氏名表示権と同一性保持権を持っています(著作権法90条の2、3)。
▷ 人格権とは何ですか?
簡単に言えば、著作者(や実演家)の人格を守るために、著作者(や実演家)が著作物に対して持つ権利です。著作物が、著作者(や実演家)の望まない利用のされ方をされないよう、人格権として次の3つが著作権法で定められています。
・公表権
著作物を公表するかどうかや、公表の仕方を決めることができる権利。
・氏名表示権
著作物に氏名を表示するかどうかや、表示の仕方(本名、ペンネームなど)を決めることができる権利。
・同一性保持権
著作物に手を加えることを禁止できる権利。
▷ レコード製作者とは?
レコード製作者とは、レコードに固定されている音を最初に固定した人を指します(著作権法2条1項6号)。販売されているCDなどの録音物についてはレコード製作会社などが、独自に録音した場合には、音を最初に固定した人がレコード製作者になります。生演奏を自分の録音機器で録音した場合はあなたがレコード製作者になりますが、既に録音されているものを再録音した場合には、あなたはその音を最初に固定した人ではないので、その音についてのレコード製作者ではありません。(なお、他人の生演奏を録音するには、実演家である演奏者に許諾を取らなければなりません。)
▷ レコードとは?
レコードはディスクやテープなどに音を固定したものを指します(著作権法2条1項5号)。したがって、いわゆるディスク・レコードだけでなく、録音テープやCD、ハードディスクなどの媒体に録音されたものを全て含みます。ただしもっぱら影像と共に音を再生することを目的とするものは含みません(著作権法2条1項5号括弧書き)。
また、日本国民が製作者であるレコード、最初の音の固定が日本で行われたレコード(製作者は外国人でもかまわない)、ローマ条約の締約国やWTO加盟国や実演・レコード条約の国民を製作者とするレコード、ローマ条約の締約国やWTO加盟国や実演・レコード条約で最初に音の固定が行われたレコード、レコード保護条約締約国の国民を製作者とするレコードが範囲に含まれます。(著作権法8条)
これらのレコードには、レコード製作者が著作隣接権を保有することになります。
▷ CCライセンスでは、著作者や実演家の「名誉声望」を害する改変は禁止されているということですが、「名誉声望」とは何を指すのですか?
判例では以下のように判断されています。
「著作者の声望名誉とは、著作者がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的声望名誉を指すものであつて、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まれないものと解すべきである。」(「パロディーモンタージュ事件」第2次上告審昭和61年5月30日最高裁第2小法廷判決)
▷ 実演家とは?
俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者を指します(著作権法2条1項4号)。
▷ 実演とは?
著作物を演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、講演し、朗詠すること等を指します。また、手品やサーカスなど著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含みます(著作権法2条1項3号)。このような実演に対しては、実演家が著作隣接権と実演家人格権を保持します。
▷ 職務著作とは何ですか?
(1)法人等の発意によって、(2)法人等の業務に従事する者が、(3)職務上作成した著作物で、(4)その法人等の名義の下に公表され、(5)契約や就業規則その他で製作者が著作者となる旨が定められていない著作物のことを指します。この5つの条件に当てはまる場合は、著作者は法人になります。(著作権法15条1項)
コンピュータプログラムの場合は、例外として(1)、(2)、(3)、(5)を満たしていれば、法人等の名義で公表されていなくても職務著作となります。(著作権法15条2項)
▷ 著作隣接権者はどんな権利を持っていますか?
実演家は、実演家の人格権として氏名表示権と同一性保持権、財産権として録音・録画権、放送権、有線放送権、送信可能化権、二次使用料を受ける権利、譲渡権、貸与権を保持しています。
レコード製作者は、複製権、送信可能化権、二次使用料を受ける権利、譲渡権、貸与権を保持しています。
放送事業者は、複製権、再放送・有線放送権、送信可能化権、テレビジョン放送の伝達権を保持しています。
有線放送事業者は、複製権、放送・再有線放送権、送信可能化権、有線テレビジョン放送の伝達権を保持しています。
▷ 隣接権者とは誰ですか?
著作隣接権を保持している者のことを指します。具体的には実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者です。詳しくは、定義の欄を参照してください。なお、権利を譲渡することは可能なので上記以外の者が権利を保持していることもあります。
▷ 著作権者はどんな権利を持っていますか?
著作者人格権として、公表権、同一性保持権、氏名表示権を持ちます。また著作財産権として複製権、上映権、上演・演奏権、公衆送信権、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、二次的著作物の制作に関する権利、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利を保持します。
▷ 著作権者とは誰ですか?
著作権を保持している者のことを指します。通常は著作者ですが、著作権のうち著作者人格権を除く権利についてはその全部または一部を譲渡することが可能であるため、著作者と著作権者が一致しないことがあります。著作者人格権は譲渡ができないため、必ず著作者が保持しています。
▷ 著作者とは誰ですか?
著作物を創作する者のことを指します。(著作物については、詳しくは定義欄を参照してください。)著作物に著作者名として通常の方法によって表示されている者が著作者であると推定されます。共同著作物の場合は全員が著作者となり、その利用には全員の許諾を必要とします。
職務著作に当たる場合と映画の著作物については例外があります。
▷ 著作物とは?
著作権法上、著作物とは「思想または感情の創作的表現であって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」とされています(著作権法2条1項1号)。著作者の思想なり感情が、その精神的創作作業を介して表現され、創作性があり、文芸、学術、美術、音楽といったジャンルを包括した大枠の中に属していればよいとされています。芸術性の高さは、著作物性には関係ありません。ただし、あなた独自の著作物であるためには、その表現があなた独自のもので無ければなりません。表現が他の作品に依拠しており、その作品の本質的な特徴が感得できる態様のものは、二次的著作物になり、そのような二次的著作物の利用にあたっては、依拠した元の作品(原著作物)の権利者の許諾も同時に必要になることに注意する必要があります。