安倍氏の“家庭教師”が語る総裁選内幕…脱・お友達を

2012.09.28


安倍新体制での自民党再生を語った平沢氏【拡大】

 自民党新総裁に安倍晋三元首相が就任した。「政権投げ出し」批判が残る安倍氏だが、自民党を再び政権の座に導けるのか。安倍氏の小学生時代の家庭教師だった、同党の平沢勝栄衆院議員(67)が夕刊フジのインタビューに応じ、総裁選の内幕を語ったうえで、「お友達人事ではなく、最強の布陣で日本を立て直してほしい」と安倍氏への期待を語った。

 −−総裁選では、石原伸晃幹事長の推薦人だった

 「マキャベリは『君主の能力は、側近を見れば分かる』との趣旨を記した。その意味で石原氏が総裁に最適だと考えた」

 −−どういうことか

 「石原氏の周囲には、諸外国と太いパイプを持っていたり、多様な意見を持った有能な人物が多い。例えば、尖閣・竹島問題では、領土と中韓両国との友好を両方とも守るという難しいバランスが求められるが、石原氏の人脈が生きてくる」

 −−安倍氏の総裁再登板は、国民に受け入れられるのか

 「私も決選投票では安倍氏に投票した。今回の人事で、考え方が同じ人だけで周囲を固めたら、5年前と同じ失敗を繰り返すだろう。私は中曽根内閣時代、『カミソリ』と呼ばれた後藤田正晴官房長官に(秘書官として)2年仕えた。中曽根康弘首相は、後藤田氏を登用した理由を、(1)危機管理ができる(2)官僚を使いこなせる(3)苦言を呈してくれる−と話していた。安倍氏も、民間人も含めて多様な考え方を持つ人を周囲に置き、最強の布陣で日本を立て直してほしい」

 −−最強の布陣とは

 「老壮青のすべての力を使うことだ。中韓は、定年退職した日本人を招いて技術を学び、経済が伸びた。日本は経験や知恵のある高齢者の力を生かし切れていない。国力が低下し、結果として外交危機を招いている。デフレと円高を克服し、もう一度、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を取り戻し、他国が日本の協力がなければ立ちゆかない形をつくることが、安全保障になる」

 −−「近いうち」の衆院解散はどうなる

 「国益のために、一刻も早く解散を勝ち取らなければならない。国内外で、野田佳彦氏が1年後も首相をやっていると思っている人はほとんどいない。レームダック状態に入っているからだ。だから諸外国はつけ込んでくる。衆院選がないことこそ、最大の『政治空白』だ。特例公債法案が通らなければ、11月末には予算が執行できなくなる。その前に衆院選を行うべきではないか」

 −−衆院選で自民党は政権奪還できるのか

 「民主党批判だけをしているようでは厳しい。日本の現状には、自民党も大きな責任がある。むしろ自民党はどう変わったか、そして、自民党なら経済・外交をどう立て直すのかなど、中長期的な日本再生のビジョンを、どんどん発信していくことが必要だ」