福島原発作業員:手足被ばく測定せず…事故後2〜3カ月
毎日新聞 2013年01月04日 02時30分(最終更新 01月04日 02時40分)
だが、安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「当初からベータ線も相当量浴びたはず。汚染検査は体表面の付着物は測定できるが、作業時の末端部、不均等被ばくは測れない」と指摘。「いつどこでどんな作業をしたか調べ、末端部などの線量を推計しないと、がん発症時に作業との因果関係が証明できず労働者を救済できない。国や東電は一刻も早く調査に乗り出すべきだ」と話している。【袴田貴行】
◇末端部被ばく・不均等被ばく◇
末端部被ばくは、胴体より手足が多くの放射線量を受けること。不均等被ばくは、胴体のうち基本部位の胸部より頭部や腹部が多くの放射線量を受けること。原発の放射線管理区域では通常、胸部に線量計を着けて全身被ばく線量を測るが、末端部被ばくや不均等被ばくがある場合は、別の部位にも線量計を着けて局所被ばく線量を測定するよう電離放射線障害防止規則で定められている。