満福記者が行く:/3 相馬・新漁師鍋「希望」 魚種増やしリベンジを /福島

毎日新聞 2013年01月04日 地方版

 ◇地元産にこだわり

 「相馬の新漁師鍋『希望』は610杯が完売です。ありがとうございました」

 山形県天童市で昨年末に開かれた第18回平成鍋合戦。相馬市観光協会の飲食店などで作る「いいべした創造(つくり)隊」が法被姿で威勢よく宣言すると、会場から拍手がわいた。相馬産の魚介類100%。コンテストは小差の予選敗退だったが、開発者の牛渡(うしわた)隆一さん(50)は「次回はリベンジします。魚種が増えれば、腕も振るえる」と意気込んだ。

 隊長の氏家武俊さん(53)は「審査結果は残念だが、他県の材料を調達しても心は伝わらない。希望の次はどんな名前の鍋を出そうか」とほほ笑んだ。

 市観光協会は、地元産の豊富な海の幸を使った鍋料理で過去3回優勝し「鍋将軍」の称号を得た。3年前の第15代将軍は素揚げしたドンコとタラなどの荒々しさが売り物だった。だが、魚介類は原発事故の影響で2種を含む40種が出荷制限の対象になった。

 「希望」は、相馬双葉漁協が試験操業で水揚げしたカニ、イカ、タコ、ツブ貝を使い、つみれを巾着に包む工夫と味で衣替えした。材料はすべて放射性物質の検査で不検出。娘とブースを訪れた30代の女性は「検査しているなら安心でしょう。おいしいですね」と話し、頬張っていた。

 同漁協理事で底引き網漁船「宝精丸」船長の佐藤弘行さん(57)は「みんなで盛り上げようとする気持ちは大事。消費者の信頼を重ね、半歩ずつでも前に進んでいきたい」と語った。

 相馬市の観光客は、景勝地・松川浦を中心に年約150万人を数えた。しかし、津波被害で海水浴も潮干狩りも、再開のめどは立たない。旅館も復旧作業員らの宿泊でしのぐ。市松川浦観光振興グループも近く、復興チャレンジ丼の第3弾を約10店で販売する計画だ。代表の小野芳征(よしゆき)さん(53)は「相馬の復興に向け元気づけられるよう取り組みたい」と話す。【高橋秀郎】=つづく

 ◇試験操業、春にはコウナゴも

 昨年6月に3魚種で始まり、9月から10魚種、12月から13魚種に増えた。ミギガレイとメヒカリの鮮魚も加わり、年明けはズワイガニ漁を予定。春にはコウナゴ漁の再開を目指す。一層の魚種拡大が課題だが、検査には手を抜けない。

 ◇ごちそうさま

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