【ソウル=中野晃】靖国神社に放火した後、ソウルの日本大使館に火炎瓶を投げつけて韓国で服役した中国人の劉強元受刑者(38)が4日午前、ソウル郊外の仁川国際空港から出国した。韓国政府関係者によると、中国・上海へ向かった。
劉元受刑者について、ソウル高裁は3日、「(靖国放火は)政治犯罪にあたる」として日本政府に引き渡さないとする決定を出した。韓国司法当局は、火炎瓶事件での刑期を満了後も身柄を拘束していた劉元受刑者を同日夜に釈放、出国命令を出した。
高裁の決定に対し、ソウルの日本大使館の倉井高志総括公使は3日夜、韓国外交通商省に電話で抗議した。
高裁の決定について4日付の韓国各紙も報道。「日本政府は韓国の司法の決定を尊重すべきだ」(東亜日報)など、高裁の判断を支持する論調が目立っている。