東日本大震災:福島第1原発事故 作業員被ばく検査、未受診10人なお不明 特定難航、カナ姓も
毎日新聞 2012年08月14日 東京夕刊
放射線管理区域への入退域は従来、コンピューターで管理していたが、事故で停電しシステムがダウン。事故直後は免震重要棟もしくはJヴィレッジで作業員に警報付き線量計(APD)を貸し出す際、放射線管理担当の東電社員や作業員自身が、氏名、所属、APD番号、日時を手書きで記入。返却時に再び日時とAPDの線量値を記す仕組みだった。
ただしこの際、身分証の提出は求めていなかった。東電広報部は「当時の混乱の中で不十分な点があった。物理的にすべてを管理するのが難しい状況だった」などと釈明する。
一方、厚生労働省の担当者は、特定されていない作業員について「偽名で入っている可能性もある。法令違反に問うのは難しいが、再発しない措置は取っている」と話す。
この問題は昨年6月に発覚。「名前と所属会社の記載はあるが実在しない」などのケースが相次ぎ、厚労省や経済産業省原子力安全・保安院は本人確認を徹底するよう東電に指示し、その後は写真付きの証明書などで本人確認を行っている。
東電広報部は「心当たりのある人は申し出てほしい」と呼びかけている。
◇連絡が取れずに内部被ばく検査を受けていない作業員
作業月 氏名(カナ)
3 −− (ヤウチ)
3 −− (イイヤマ)
4※ 本田博士(ホンダ・ヒロシ)
4※ 須崎清人(スサキ・キヨト)
5※ 北村一雄(キタムラ・カズオ)
5 鈴木渡 (スズキ・ワタル)