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鳥海山・スノーモービル遭難の8人 きょう救出活動再開

救助活動に参加したものの、悪天候のため戻ってきたスノーモービルの愛好者=3日午後2時、由利本荘市のフォレスタ鳥海前

 秋田、山形県境の鳥海山にスノーモービルで入り、下山できなくなった男性8人は3日、5合目にある山小屋「祓川(はらいかわ)ヒュッテ」に自力で避難したことが分かった。捜索隊は同日、救助に向かったものの、吹雪のため途中で中止。4日朝に天候の回復を待って再開する。
 秋田県警によると、3日正午ごろ、8人がビバーク(露営)していた地点から徒歩でヒュッテに移動したと、グループの一人から先に下山した仲間に携帯電話で連絡があった。全員けがはなく、ヒュッテには食料や暖房器具があるという。
 8人は2日夜、雪に穴を掘りビバーク。ヒュッテから北へ数百メートル離れた森林で、1メートル以上の積雪があったという。
 グループは2日朝、仲間16人で出発。そのうち12人が秋田県由利本荘市鳥海町のホテル「フォレスタ鳥海」から、4人が同市矢島町の花立牧場公園から入山した。フォレスタ鳥海から入った4人と花立牧場公園から入った4人が祓川ヒュッテで合流した後、吹雪で下山できなくなった。他の8人は合流前に引き返していた。
 秋田地方気象台によると、由利本荘、にかほ両市には1日から風雪、大雪注意報、2日夕方からは低温注意報が出されている。
 8人は岩手県奥州市の会社員千葉公仁さん(45)▽岩手県北上市の会社員高橋哲哉さん(39)▽北上市の自営業高橋良太さん(25)▽北上市の会社員厳本憲治さん(23)▽由利本荘市の自営業作左部善幸さん(50)▽由利本荘市の自営業三浦龍平さん(35)▽由利本荘市の会社員遠田和人さん(30)▽由利本荘市のアルバイト木村和彦さん(25)。

◎視界不良、救助隊引き返す

 鳥海山から下山できなくなった8人を救出するための現地本部が置かれた由利本荘市鳥海町のホテル「フォレスタ鳥海」では3日、秋田県警や地元の山岳救助隊員ら約50人が救援活動や家族への連絡に追われた。
 8人が一夜を過ごしたと思われる場所からホテルまでは直線距離で5〜6キロ。一帯は、吹雪で終日見通しが悪い天候が続いた。
 午前11時、県警機動捜査隊員や山岳救助隊員ら16人が救援に向かったが、視界不良のため引き返してきた。ホテルに戻ってきた機動捜査隊の関知範第一小隊長は「あと10分ぐらいで祓川ヒュッテまでたどり着けそうだったが、視界が悪く、天候も悪化したため進めなかった」と語った。
 2日の山行に参加し、途中で引き返してこの日はスノーモービルで救助活動に参加した男性は「風も強い。雪も深かった」と話した。
 ホテルでは秋田県警が断続的に記者会見して情報を提供。由利本荘署の佐々木薫副署長は「救助隊はヒュッテが見える場所まで近づいたが、天候が悪過ぎた。4日も同様の天候が続きそうだが、ヒュッテに食料は十分確保されている」と強調した。


2013年01月04日金曜日


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