'13/1/4
内装に「木目塗り」見つかる<動画あり>
昭和初期の広島を代表する建築物で、被爆建物の旧日本銀行広島支店(広島市中区袋町)の内装に「木目塗り」という珍しい彩色技法が使われていたことが、広島市の調査で分かった。現在のペンキ塗装の下から見つかった。戦前の重厚なつくりをうかがわせる発見で、国重要文化財の指定を目指す市は復元も視野に詳しく調査する。
木目塗りはヨーロッパで家具装飾などに使われた技法で、チークやオークなどに似せた模様をペンキで描く。国内では国重文の函館ハリストス正教会(北海道函館市)や近代化産業遺産の釣島灯台(松山市)など、明治・大正期の洋風建築で確認されている。
見つかったのは、1階事務室を見下ろすテラス状の2階廊下出入り口の鉄製ドア枠。4層ある塗装の、下から2番目に施されていた。戦後、上塗りされた可能性が高いという。2階にある支店長室のドア枠はチーク材が使われており、統一感や高級感を出すため施されたとみられる。
市の委託を受け調査する文化財建造物保存技術協会(東京)の岡信治副参事は「非常に手の込んだつくり。爆心地近くで被爆に耐えた堅固さが内装からも伝わる」と説明する。
市は2012年度から3年計画で、広島支店を、被爆後に復旧工事を施した1950年代の姿に戻すための調査を進めている。1、2階は被爆当時、よろい戸を閉めていたため大破や焼失を免れており、戦前に近い状態で復元される見通しだ。
市は14年度まで調査を続ける。15年度に工事計画をまとめ、文化財としての価値を高める復元に着手する。
【写真説明】鉄製ドア枠の剥がした塗装の下から現れた木目塗り(撮影・宮原滋)