4/17 チェスボクシング Time & Style HOMEでのイベント 観戦記
■団体:チェスボクシング
■日時:2004年4月17日
■会場:Time & Style HOME(インテリアショップ)
■書き手:高倉仮面

19:00
時間ギリギリで「Time & Style HOME」を発見。
…って言うかこの場所、自由ヶ丘駅から遠いな。
地元の人じゃなきゃ行けねぇよ、こんな所。

◎Time & Style HOME(公式HP)
http://www.timeandstyle.com/
上記HPを見ればわかるが、ここはインテリア ショップである。
お店の中はアート性の高いテーブルや椅子やソファや棚などが陳列されている。
何と言うか、とても格闘技とは結びつかないような空間。

だが、このインテリア ショップの奥に…確かにリングが存在した。
その横にはチェス盤が映し出された大型モニター。
うむ、どうやら今日の競技の準備は万端のようだ。

既に客は集まっていて、このインテリア空間の中を自由に歩き回ったり、
勝手に売り物の椅子やソファに腰掛けながら、試合の開始を「いまか、いまか」と待っていた。
彼らはここに買い物に来たのではない。僕と同じく試合を見に来たのだ。

今日、ここで行われるのは、
日本では初となるチェスボクシングの試合である。

「…何だ、そりゃ?」

と読んでいる人は思うだろう。勿論、僕もよくわからん。
だからでこそ観戦したくなった訳だが。

ちなみに僕がこの競技の存在を知ったのは、
インターネットの色々なページで下記URLを見かけたからである。

◎チェスボクシング PRページ
http://www.jca-chess.com/tokyo-fight.htm

「戦いはリングで、戦争はチェス盤の上で」
「オランダ人アーティストが生み出したチェスボクシング」
「最も思考が要求される競技と最も闘争的なスポーツという、両極端な概念のコンビネーション」

…何だかわからんが、威勢が良い。
その上、「後援:オランダ大使館」と来たもんだ。
ま、大使館の姿勢としては俄然正しいと思う。

で、チェスボクシングとは、オランダ出身のアーティストで、
今日は選手としても出場するイップ ルービングが考え出した競技である。
で、チェスボクシングとは何か…を説明する前に、
このイップという人間が過去に発表した「アート」について記述する。
ネット上を見る限りでは「チェスボクシング」という単語だけが独り歩きをしているようだが、
実はこの競技、イップという人間そのものにキモがあったりするのだ。

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2000年3月11日、21:10。
イップの計画の下、「ソレ」は決行された。
舞台は渋谷、夜の駅前スクランブル交差点。

計画開始、まずは赤白のテープを手にしたイップのアシスタント・総計50名が交差点を一気に縦断。
交通の要・渋谷駅前スクランブル交差点はテープによって封鎖され一気に交通マヒが起こる中、
ジョーカーのコスプレ姿のイップが颯爽と登場、交差点の真ん中でフルートを吹きまくった。
通行人達は「何が起こったのだっ!?」と事態を飲み込めない様子だったが(当たり前)、 そんな人々の心を見透かしたかのように、イップは「こっちに来いよ」と手を振り返す。

通行人は次々と封鎖された交差点の中に押し入り始め、夜の渋谷の交差点は更なるパニック状態。
交差点から出られない車は「どうすりゃいいの?」と人ごみの中で立ち往生状態、
交差点に入れない車は「何とかしろよっ!」とクラクションを鳴らしまくる。
そんな中、当の本人は相変わらずフルートを吹いている。
そして大喜びしながら観覧するのは、渋谷のスターバックス2Fからこの光景を見ているイップの友人知人達。
…って言うか、メチャメチャ計画的じゃねえかよ。タチ悪いな。

渋谷の交差点をまるまんま無断借用したイカした(イカれた)パフォーマンス、
当然ながら日本の警察が黙っている訳もなく開始から約5分でイップは『イップ容疑者』に。

・渋谷交差点封鎖(道路不正使用)による道路交通法違反
・旅券不携帯による入国難民法違反
与えられた刑は罰金5万円、留置所に10日間拘留。
だが本人は「ベルリンで同じことをしたときは注意だけですんだのに…」とボヤきながらも、
「次はメキシコでやるっ!」と意欲満々だったようだ。

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…世の中にはムチャをやる人がいるモンだ。
って言うか、よく罰金5万円程度で済んだな、コレ。
やっぱり外国人だからなのかねぇ。

で、そんなイップが次に世の中に仕掛ける「アート」がチェスボクシングという事らしい。
彼曰く、チェスボクシングは「鑑賞者やアートの枠組みに対する新たな挑戦」なのだそうだ。
チェスボクシングねぇ。「ドラえもん」の中でのび太が考案した「ふとんフェンシング」並の発想だな。
まあ発想はどうあれ、それを実行するから「面白さ」が出てくる訳だが。

ちなみに彼はこの競技に関する組織まで作っている。
大したバイタリティだ、さすがはアーティスト。
一見、無駄な事に情熱を注ぐパワーが凄まじい。

◎WBCO:World Chess Boxing Organization(公式HP)
http://www.wcbo.org/

で、今日はアーティストが起こしたイベントという事もあり、
客層も美術系の人が多かったように感じた。又、外国人も多かった。
恐らく渋谷をパニックに落とし入れたあのアートを手伝った50名も当たり前のようにこの場にいるのだろう。

そりゃそうと、既にイベント開始時間を過ぎているのに何も始まる気配がない。
仕方がなく入場費代わりの白ワイン(500円)等を飲みつつ店内のインテリアを見て回る。
ソファの一つも欲しくはなったが、ワンルーム6畳の部屋のどこにソレを置くかを考え、

2秒後に自分の貧乏生活に絶望する。

20:00
ボヤボヤ待つ事一時間。やっとイベント開始。
オイオイ、外国人は時間にルーズだなぁ…と思っていたが、
案内状を良く見ると「20:00 試合」と書いてあった。オレが勘違いしてたのか。

「お待たせしましたっ! 人類史上初っ!
 チェスボクシングのエキシビジョンマッチを開催しますっ!」

観客はノリノリの大歓声…って言うか、何気に人が集まったな。会場内に300人近くはいるぞ、コレ。
で、その殆んどの人が携帯カメラをリングに向けたり、デジカメでリングを映したり。
何でかね? 生のイップを録画しよう…って考えなのだろうか?
更にはTVカメラも数台あり、雑誌の記者も何人か来ていた。
イップの「前科」を考えれば、こういう人々が取材に来るのは頷けるな。

で、試合開始…の前に、まずはチェスのお勉強。
2002年の全日本女子チャンピオンにして日本チェス協会7段の渡井 美代子さんが、
チェスのルールを説明…するのだが、誰も聞いていない様子。失礼なやっちゃ。
…って言うか、マイクの音が小さくて聞き取れなかったんだよなぁ。
この辺は主催者サイドのミスだね。
まあ、僕は事前にチェスの勉強をしてきたのでノー問題だが。

◎チェス庵
http://www.geocities.co.jp/Playtown/2785/

今日の会場はいわゆる席の概念が存在しない。
したがって観客は、リングの周りを占拠するような感じでベッタリ張り付いて観戦していた。
僕自身はイップのセコンドの隣…という、通常の観戦ではありえないような場所を陣取った。
「こんな場所で観戦する事なんて二度とないだろうなぁ…」と感じつつ観戦開始。

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◎ルールについて

●進行について
試合は全11ラウンドで行われる。
内訳はチェスが6ラウンド、ボクシングが5ラウンド。
1Rはチェスラウンドから始まり、以降、チェスとボクシングのラウンドを交互にすすめる。

1R チェス ラウンド
2R ボクシング ラウンド
3R チェス ラウンド
4R ボクシング ラウンド
      :
      :
9R チェス ラウンド
10R ボクシング ラウンド
11R チェス ラウンド

●チェス ラウンドについて
1ラウンド4分制。基本的なルールはFIDE(国際チェス連盟)のブリッツ(早指し)ルールを採用。
今回、競技者に与えられるチェスの持ち時間は、全ラウンドを通してそれぞれ12分。
どちらかの競技者の持ち時間切れになるか、チェックメイトで試合は終了する。

●ボクシング ラウンドについて
1ラウンド2分制。基本的なルールはAIBA(国際アマチュアボクシング協会)のルールを採用。

●競技間のインターバルは1分。
●勝利条件について
チェス ラウンドでステルトメイト(※注1)の場合は、
ボクシング ラウンドの判定で得点の高い方が勝利となる。
ボクシングでも同点の場合は、チェスの黒駒をもつ競技者の勝利となる。
完全決着ルールである。
注1:指す手がなくて勝負がつかないこと。

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チェスボクシング エキシビジョンマッチ
○イップ "THE JOKER" ルービング(180cm/74kg)
●柳瀬 "THE CHO-YABAI" 総一郎(170cm/70kg)
[9R 3分03秒 チェックメイト]
※チェスラウンドでの決着

渋谷の警察に目を付けられているアーティスト・イップに挑むのは、柳瀬 総一郎なる青年。
両者共に、パッと見は運動者としての身体はそれなりに出来ている感じである。

そりゃそうと、チェスボクシング創始者であるイップは兎も角として、
果たして柳瀬 総一郎なる青年は何者なのだろうか?
アマチュアボクサーなのか? チェスをバリバリにこなす人なのか?
それともイップと同じアーティストなのだろうか?
…こんな時、プロフィール表が欲しくなるのは格闘技好きの悲しい性なのか?
って言うか、あった方がより試合を楽しく見れたと思うんだが。

ゴングと同時にリング中央に設けられたチェス台に座る両者、間抜けな光景に観客が爆笑。
ちなみにチェスではイップは黒、柳瀬は白。柳瀬が先攻である。

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1Rはチェス ラウンド。
まずは序盤戦、お互い駒を取らずに守りを固めていく。
早指しル
ールという事もあり、持ち時間を大事にすべく両者共に黙々と駒を進めていく。
ラウンド終盤、イップが盤中央に出ていた柳瀬のビショップを取り、柳瀬はイップのポーンを取る

いよいよ攻め合うのか…と思ったところでラウンド終了。

チェスのラウンド時間は4分間。
長い時間、チェスの光景を見るのは退屈かなぁ…と思っていたが、
早指しルールを適用しているので非常にテンポが良く、飽きは来なかった。

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2Rはボクシング ラウンド。リングからはチェス台が退けられる。
チェスからボクシングへの模様替えがかなり早く、ストレスにならなくて良い。
観客は殴り合いを期待しての歓声を挙げる。
やはり視覚的には動きがあった方が魅力的ではあるわな。

ラウンド開始、リーチ差で勝るイップは左ジャブを中心に柳瀬を牽制。
柳瀬はリングを回りながら相手の出方を伺いながら時折1・2を返すのだが、
リーチ差のあるイップに対して中々良いパンチを放てない。
これを見たイップが積極的にジャブを放っていく中、2Rは終了。
う〜ん、やはり2分は短い。とりあえずこのラウンドは様子見だな。

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3Rはチェス ラウンド。
お互いに額に汗しながらチェス台に座る姿に観客が爆笑。
ちなみにボクシングからチェスへの移行もスムースだった。

ラウンド開始、いよいよイップが攻める。
いきなり柳瀬のナイトを奪取すると、その後もじっくり考えながら柳瀬の攻め駒を次々に取っていく。
対する柳瀬は手早く自分の手を進めていく。あまり考えずに指している感じがする。
「柳瀬はあんまりチェスをやった事ないのか?」なんて思っているうちに3Rが終了。

この時点でのイップに残された攻め駒がクイーン、ナイト×2、ルーク×2なのに対し、
柳瀬の残りの攻め駒はクイーンとルーク×2のみ、柳瀬にとってはキビシイ展開。

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4Rはボクシング ラウンド。
激しい打ち合いを期待する観客が歓声を挙げる。

チェスでは敗色が出てきた柳瀬、ボクシングで反撃したいところだが、
ラウンド開始時こそ勢い良く前に出てからの1・2でイップを攻めたものの、
リーチを生かしてアウトサイドから左ジャブを連打するイップを攻めきれない。
それでもラウンド終盤には一気に前に出て1・2で攻める。
イップも1・2で対抗する展開の中、4R終了。

しかしまあ、正直、両者共にパンチ力がある訳ではないのでKO決着は望めないだろう。
…となると、柳瀬はますます厳しいか?

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5Rはチェス ラウンド。
汗だくになり、ちょっと息を切らせながらチェスをする両者の姿に観客が爆笑。

3Rで優勢に立ったイップは、ラウンド序盤でキングの守りを堅める。
だがこれを見た実況は「イップはボクシングで少々疲れている様子です」、やはり観客は爆笑。

中盤、いよいよイップがチェックメイトを仕掛ける。
観客もこの攻めに「あーっ」という声が出る。これって格闘技見ている時の声の出方と同じだな。
防戦一方になった柳瀬、相変わらずの早指し状態で何とかイップの攻めを凌ぐ。
だが攻め駒のルークも2つとも取られてしまい大ピンチ。

5R終了。この時点での攻め駒は、イップがクイーン、ナイト、ルークなのに対し、柳瀬はクイーンのみ。
だが柳瀬は早指しのおかげで持ち時間で2分リード。この時間差を有効に使えるか?
…とは言え、柳瀬はボクシング ラウンドで決着をつけないと勝てんな、こりゃ。

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6Rはボクシング ラウンド。
やはり客はボクシングの方に期待が高まっている様子。

柳瀬は足を使った攻め、ヒット & アウェイでイップを揺すりにかかる。
イップも左ジャブから右ストレートで柳瀬の打撃に応戦。
ラウンド中盤からは両者とも激しく打ち合い、
観客は目の前で行われる打撃の応酬に歓声を挙げる。
そんな中、ラウンド終盤に柳瀬が右ストレートをヒットさせてラッシュをかけた。
これに対してイップもパンチで応戦、観客が沸き上がる中ラウンドは終了。

おお、このラウンドは結構激しく打ち合ったなぁ。

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7Rはチェス ラウンド。
ボクシングではイップと互角に渡り合う柳瀬だが、チェスでは圧倒的劣勢。
そんな柳瀬に対してらイップはラウンド開始早々から容赦のないチェックメイトの連発。
必死にキングを逃がし続ける柳瀬だが、逃げても逃げてもイップの攻め駒が柳瀬のキングを襲う。
そして、チェックメイトの度に「あーっ」という溜め息をつく観客。

ラウンド中盤。イップは不意に「Yeaaa!」と声をあげてガッツポーズ。
「何があったのか」と思い盤上に目を凝らすと、
柳瀬は次の一手をどう打っても、その次のイップの一手で勝負ありの状態。
この時点で柳瀬はチェスでは負けが確定である。

この状況を前に、柳瀬はジックリと長考を開始した。
イヤ、まあ、いくら長考してもあと一手で決着がつくんだが…。
ひょっとして、柳瀬はまだ逆転の策があるとでも思っているのだろうか…とか思っているうちに、
2分リードしていた持ち時間も30秒差まで縮まってしまった。

…と、ここでハッと気がついた。
「そうか、柳瀬は時間稼ぎをしているんだっ!」。
つまり持ち時間をタップリ使ってこのラウンドを凌いで、
ボクシング ラウンドで決着をつけよう…という作戦である。
ここに来て、早指しで稼いだ2分が効を奏した。

結局、柳瀬は長考のフリをしながら一手も指さずラウンド終了。
次のボクシング ラウンドに勝負を賭ける。

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8Rはボクシング ラウンド。
チェスで負けが確定した柳瀬は、
このラウンドは間違いなく仕掛けるであろう。
観客は激しい打ち合いを期待する歓声を挙げる。

で、ゴングと同時にやはり柳瀬が仕掛けた。
積極的に前に出て1・2パンチでイップを追い込んでいく。
対するイップは後ろに下がりながらジャブ〜ボディブローのコンビネーションを多用。
交差するパンチ、一進一退の攻防、観客は両者に声援を送る。

終盤、柳瀬のフックがイップの顔面を捉えた。
柳瀬応援団の歓声の中、これを機に柳瀬は一気にラッシュを仕掛けた…が、
イップは左ジャブで柳瀬の勢いを止めると、逆に前に出てボディブローで追い詰めていく。
気がつくと攻守逆転、イップが攻める場面が多くなる中でラウンドは終了。

ん? このラウンドが終了って事は…。

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9Rはチェス ラウンド。
…なのだが、7Rにも書いた通り、
柳瀬はあと一手でも指したら負けが確定である。
そんな中、柳瀬は相変わらずの長考状態…。

だったが、どんなに盤上を睨んだってチェスの局面が変わる訳もない。
結局、柳瀬は最後の一手を指し、これにイップがチェックメイトを掛けて試合終了。

勝ったイップは、格闘家の如くコーナーポストに登ってガッツポーズ。
その姿を見た観客から笑いと拍手が起こった。
そして最後はノーサイド、激闘を繰り広げた両者に沢山の拍手が贈られた。

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20:45
イベントは終了。この後はチェスボクシングの展示会を鑑賞。
プロジェクターからは、オランダのアムステルダムで行われた
「第一回 チェスボクシング 世界選手権」の模様が映し出されていた。

…何というか、かなり本格的で驚いた。
選手のリングイン後は国歌斉唱、試合はチェスでもボクシングでも観客は大歓声。
特にボクシングでは、イップの相手を務めた弁護士 ルイが2度ダウンしていた。
客の熱狂度も中々で、これは膨らませ方次第ではそれなりの競技になりそうな雰囲気はあった。

今日はエキシビジョンだったが、今度は本格的なモノを日本でやって欲しいモノである。

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雑感:
観戦記には書きませんでしたが、
イベント全体を通してみるとハッキリ言って粗だらけ。
DJが音楽を流しているのに、会場全体に音楽が届いていかないとか、
イベント前に会場を周っていたインタビュアーの質問が一本調子で退屈だったとか、
飲み物類が「入場料代わり」だとしてもベラボウに高かった(一律500円)とか…。
あげればキリがありませんが、まあ今回は興行という訳ではないのでしょうがないですね。

肝心要のチェスボクシングは…面白かったのですね。
チェスは早指しルールの採用により盤上がスピーディーな攻防になったので退屈せずに見れたし、
リング上のチェスとボクシングのスイッチが素早かったの良かったです。
意外なほど、観る側の事を考えているんだなぁ、と関心しましたね。

ただ、これを見た誰もが思う事だろうし、既にネットでも何人かが指摘していますが、
このルール、ボクシングが強い人の方が優位なのではないか…というのがあります。
チェスには「秒殺」の概念はありませんからねぇ…。
もしイップにこの競技を続けていく考えがあるとしたなら、
この辺の事柄のルール調整はこれからの課題になっていくでしょう。

いずれにせよ、イップ ルービングというアーティストの「発想に対する実行力」に脱帽ですね。
法に触れるのはマズいですが、これからの彼の「アート」にも期待です。

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以上、長文失礼。




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