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【競馬・ボート】

村上義が初優勝 「KEIRINグランプリ2012」

2012年12月31日 紙面から

ケイリングランプリを制し、選手仲間に胴上げされる村上義弘=京王閣で

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 村上義が初制覇! 2012年の競輪を締めくくる「KEIRINグランプリ2012」が30日、東京・京王閣競輪場で行われ、逃げる深谷知広の3番手から村上義弘(38)=京都・73期=が豪快にまくって快勝。6度目の挑戦で悲願のGP制覇を果たすとともに、優勝賞金1億円を獲得した。2着は直線インを強襲した成田和也、3着には深谷の先行に乗った浅井康太が入った。また赤板過ぎに武田豊樹と佐藤友和が接触するハプニングがあり、武田は4着、佐藤は車体故障で棄権した。

 この男に調子など関係ない。荒ぶる魂の走りで、村上がついに悲願のグランプリVを自らつかみ取った。

 「今年はこれまで苦しいことばかり」と振り返った村上。状態が良くなると落車という負のスパイラルを繰り返した。グランプリの前も練習中に落車。肋骨を痛めて、後輩に「先輩はグランプリに縁がないですね」と言われる始末だった。

 だが、レースでは持ち味の気迫あふれる走りを披露した。「確かにあばら骨は痛かったけど、ファンやみんなの前でそんな姿を見せるのは」と痛みを隠して激走。たたいた中部勢の3番手から、すぐ外を踏み込んだ。雨が音を立てて降る悪条件のなかタイヤ差粘って念願のGPチャンプに。同時に一昨年優勝の弟・博幸に続いて史上初めて兄弟GPウイナーにも輝いた。

 「やっと弟に追いつきました」と村上。「思い返しても今年はいいことがなかったけど、最後に笑えて良かった」とほっとした表情に。そして家族について話が及ぶと、「とにかく今年は心配や迷惑をかけてしまって」と声を詰まらせた。責任感の強い男だけに、家族に気を使わせるのは何よりつらい。逆境を乗り越えてのVに目頭を熱くした。

 一昨年、昨年と2位続き。「賞金トップになったことがない。とにかく一度、一番になりたい」と言い続けてきた男が、ついに競輪界の頂点に上り詰めた。それでも「来年は1番車。プレッシャーがかかるが、さらにファンの期待に応えられるように」と村上。6度目の挑戦でつかんだVにもおごることなく、早くも次回へ闘志を燃やす。来年もまた魂の走りを実現するために。 (西崎英亮)

 

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