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青学大・高橋「前、前、前へ」津波被害、天国の姉に届けた区間賞…箱根駅伝

スポーツ報知 1月4日(金)7時4分配信

青学大・高橋「前、前、前へ」津波被害、天国の姉に届けた区間賞…箱根駅伝
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8区で区間賞を獲得した青学大・高橋(左)が9区・横山にタスキを渡す

 ◆第89回東京箱根間往復大学駅伝競走 第2日(箱根駅伝=報知新聞社後援)(3日、芦ノ湖─大手町読売新聞東京本社新社屋=建設中=前、5区間=109・9キロ) 青学大の高橋宗司(2年)が8区で快走。東日本大震災の津波被害で亡くなった姉の沙織さん(享年22歳)に、箱根路でのデビュー戦で区間賞の走りをささげた。チームも8位で4年連続のシード権を確保した。往路5位と健闘した法大は9位と粘り、復路優勝した06年以来7年ぶりのシード。中央学大も9区の室田祐司(4年)が逆転し、10位で4年ぶりのシードを獲得した。

 姉ちゃん、見てくれたよね。8区、9位でタスキを受けた青学大の高橋は愚直に走り続けた。「前、前、前へと思っていました。区間賞は信じられない」。順位は上げられなかったが、箱根のデビュー戦で1時間6分46秒の好タイム。前回大会2区の出岐雄大に次いで、チーム史上2人目の区間賞を獲得した。

 11年3月11日、東日本大震災で宮城・東松島市の実家が津波で流された。3日後、入寮したばかりで東京にいた高橋は、4月に高校教師になるはずだった姉・沙織さんの訃報を聞いた。「800メートルの選手だった姉ちゃんの影響で陸上を始めた。信じられなかった」

 沙織さんは大の駅伝ファン。2人で「駅伝っていいよね」と語り合い、高橋が大学に進むときは大喜びだったという。悲しみに暮れる中、陸上部の原晋監督(45)に「今、お前にできることはなんだ? 走ることだろ。お姉さんへの恩返しだと思って、できることをやりなさい」と励まされた。「できること」を自問自答した。「沙織さんが大好きだった箱根駅伝に出場することだ」と気づき、誰より練習に励んだ。しかし、前回大会は補欠1番手。昨夏に帰省した際、姉の墓前に「今回は絶対に出る」と誓った。

 東松島市の震災復興本部に勤務する父の宗也さん(50)は16キロ過ぎの沿道で応援。「やつの走りに負けず、前に進みたい」と復興への思いを新たにした。沙織さんの遺影を手にした母の千賀子さん(51)は「走っている姿を見せられてよかった」と目を潤ませた。「(両親らの姿は)見えなかったけど、いるのは知っていたから」。息子は“3人”の家族とチームメートのため、前へと走り続けた。

 高橋が聞いた姉の最後の言葉は「宗司、本当に応援しているからね」だった。「姉ちゃんは今頃大騒ぎしていると思う。帰ったら、いつもより長く知らせたい」。箱根駅伝と弟を愛した沙織さん。区間賞を持って墓前へ報告に行く。

 ◆高橋 宗司(たかはし・そうし)1993年2月2日、宮城・東松島市生まれ。19歳。青学大教育人間科学部2年。利府高1年から陸上を始め、高校3年で全国高校総体1500メートル出場。将来の夢は新聞記者など「表現する仕事」。172センチ、57キロ。家族は両親。

最終更新:1月4日(金)7時27分

スポーツ報知

 

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