松浪理事長、箱根連覇へ世界高地合宿プレゼント…日体大祝勝会

総合優勝杯を手に笑顔を見せる日体大の服部主将（右）と松浪理事長

　第８９回箱根駅伝で３０年ぶりの総合優勝を果たした日本体育大学駅伝チームに、大学側から「海外高地合宿」がプレゼントされる。元衆院議員の松浪健四郎理事長（６６）が３日、祝勝会の席上で明かした。五輪マラソン選手が拠点とする「聖地」米コロラド州ボルダーなどが候補地に挙がっている。同大ＯＧでバルセロナ、アトランタ両五輪女子マラソンメダリストの有森裕子さん（４６）に帯同を依頼するプランも飛び出した。

　横浜市内の日体大健志台キャンパスで行われた祝勝会の直前、松浪理事長はマル秘プランを披露した。「ごほうびとしては、どこかへの遠征合宿を企画しなきゃいけない。監督と話し合ってね。ボルダーで高地トレーニングをしたり。（ＯＧには）有森もいるし」

　標高約１７００メートル地点にある米コロラド州ボルダーは、心肺機能を高める高地トレの拠点として世界的に知られる。９２年バルセロナ五輪で銀、９６年アトランタ五輪で銅メダルを獲得した有森さんをはじめ、００年シドニー五輪で金メダリストとなった高橋尚子さんも再三にわたって合宿を行った場所だ。

　大学の駅伝チームが海外で高地トレを行うのは極めて異例。日体大は夏季に山形・蔵王や長野・菅平で合宿を行うのが通例となっているが、海外は未知の領域だ。５区で区間賞を取り、大会ＭＶＰにあたる金栗四三杯を獲得した服部翔大主将（３年）は、集大成となる来年のレースに向け「海外で世界の選手と走ってみたいし、みんなも世界の雰囲気の中で走れば違ってくると思います」と期待を寄せた。時期などの詳細は未定だが、実現すれば連覇への強力な「援護射撃」になりそうだ。

　日体大在学時、レスリングの有力選手だった松浪理事長。一昨年６月の理事長就任から、わずか１年半での箱根制覇に「大きな感動をありがとうと言いたい。５位から７位くらいでシード権を確保してもらえれば思っていたが…」と感謝を述べた。

　海外高地合宿以外にも、松浪理事長には胸に秘めた計画がある。昨年１１月、スポーツ交流を目的にサッカー、柔道、レスリング各部員など学生４６人を連れて北朝鮮・平壌を訪れた。「北朝鮮に駅伝はないが、１１月の時も『平壌駅伝』をやってくれと書記に伝えた。日本文化の象徴として、北朝鮮に伝えていきたい」。５月には体操部員らと共に再訪する予定。将来的には駅伝チームを連れていく希望もあるようだ。

　◆服部主将「ご支援のお陰」　祝勝会にはＯＢ、学生ら約１５０人が集い、３０年ぶりとなる勝利の美酒に酔いしれた。山上りの５区で区間賞を獲得し、金栗四三杯を受賞した服部翔大主将は「ご支援のおかげで一同、力を発揮できました」と感謝。別府健至駅伝監督（４６）は「プライドを胸に秘め、来年も頑張っていきます」と先を見据えた。

（2013年1月4日06時05分スポーツ報知）